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日本では冬の風物詩とも言われる「お鍋」料理。体の芯から冷えるような冬の寒い日に鍋を囲むと、心も体もぽっかぽかになる。日本人には「冬」のイメージが強いお鍋だが、ここタイでは年がら年中食べ親しまれている。
「タイスキ」と呼ばれるそのお鍋を、タイの名物料理として現地の人のみならず、旅行で訪れる外国人にも非常に人気が高い料理なのだ。
でもタイは常夏の国。暑い国の人々が、なぜタイスキを食べるようになったのだろうか。
タイで一番古いとされているタイスキの前身となったお店は、今から40年以上前に遡る。バンコクのバーンラック地区にあった中華料理店「クワンアー」にあった火鍋料理が始まりとされている。その当時の鍋はアルミ製、スープはボート型のお皿に入れられており、牛、豚、野菜の盛られたセット販売のみだった。沸騰したら、最後に卵を混ぜいれるのが主流だったという。
そんな街の一角にポツンとあったタイスキレストランがタイ国民全体に知れ渡る有名料理になるのは、そこから更に12年後のこと。日本にもタイスキを広めた「COCA(コカ)」の第1号店がサイアムスクエアにオープンし、セットメニューではなく、単品で注文出来るスタイルを採用。 メニューも魚や肉のつみれ(ルークチン)や、海老、イカ、魚など豊富に用意され、タイ国民のハートをキャッチ。そこからまたたく間に、「カントン」、「テキサス」…等次々とタイスキレストランが、聖地となったサイアムスクエアに1号店をオープンしたのだった。
タイスキの基盤を作ったのがコカとすれば、タイスキを全国に広めたのはMKと言えるだろう。現在、タイ国内で208店舗を展開(2006年時点)。
実は日本にも、九州地方を中心に17店舗もある。最近、関東1店目となる浦安店ができ、さらに多くの日本人にMKが知られるようになった。浦安店ではビュッフェスタイルが主流だが、タイスキの味を左右するタレ(ナムチム)もタイから直輸入しているので、タイと同じ味が楽しめるだろう。
日本人流、タイスキのおいしい食べ方(MK編)。 私が足しげく通うMKゴールド(MKの一般店舗より少し割高だが、使っている食器やお店の内装が豪華なのと、MKゴールドにしかないメニュー等もある)では、まず野菜セットと豚肉スライス、ルークチンMK、海苔巻きをオーダー。場合によってはMKに行くタイ人が必ずと言っていい程頼むアヒル焼きMKスタイルもオーダーし、前菜につまむ。 出汁の良く出たスープが最初に注がれるが、その後鍋に投入する食材によって、更にいい出汁が出る。ここからが日本人流。このスープを使っておいしいおいしいおじやを作るのだ。ひとしきり鍋を食べ終えたら、ご飯、小ねぎ、ゴマ油、醤油、卵をオーダー(支店によっては「おじやセット」と言えばこれらのセットが出てくるようになった)。スープを減らし、ご飯をぐつぐつ、ゴマ油と醤油はお好みで量を調節し、最後に卵を混ぜ入れて軽く蓋をし、小ねぎをふりかけると、香り高いおじやの出来上がりだ。
これからは日本でも、季節を問わず「お鍋」を楽しみたい。
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記:八木奈津子
特集:世界の夏を食べ歩き!
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