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「愛こそ全て」を地で行く恋愛達者なフランス人、そのクリスマス・イブはいかほどロマンチックかといえば、意外とそうでもない。そもそもキリスト生誕の前夜祭に数ヶ月も前からレストランやホテルを予約し、高価なプレゼント買い、恋人同士でコテコテなひとときを過ごすなどと言う習慣は、西洋ナイズされた非キリスト教国特有のものであろう。
一般的にフランスでは、クリスマスは「家族と過ごすパーティ」、大晦日は「友達と過ごすパーティ」ということになっている。
この「家族パーティ」、半ば強制参加で「ソリの合わない大伯父さんと従兄弟、気難しいお祖母さん、一族の変わり者の弟」などが勢揃いする「メリーなんだけど、どこかに緊張感が漂う」食卓になる場合も多々ある。
「ロマンチック」からはほど遠いが、「美食の国」の本領は存分に発揮される。何と言っても1年で一番大切なパーティ、「こんにちは、カロリー!」と歌いたくなるような大御馳走をフレンチママンたちは鼻の穴をふくらませて用意する。
さて、その内容であるが、日本のおせち料理同様にパターンは限られている。お馴染みのパーティメンバーと相まって、毎年「デジャヴュ感(既視感)」に襲われる。まあ「伝統」とはそういうものだ。
一例を挙げてみよう。まずはアペリティフ。いわゆる食前酒で、ウイスキーやパスティス(ウイキョウベースのリキュール)、スイートワインやシャンパンなどとともに「カナッペ」(一口大の食パンに生ハムや魚卵などを乗せたもの)などが振る舞われる。
第一の前菜は辛口白ワインとともに「フリュイ・ド・メール」。生ガキ、海老、カニ、貝類などの山のような盛り合わせだ。生ガキはフランスでも好きと嫌いの二派に分かれるが、好きな人は1人で30個くらいペロリといく。
第二の前菜はクリスマス定番「フォアグラ」。強制肥育で育てる鴨の肥大肝臓、世界3大珍味のアレである。貴腐ワインと呼ばれる甘口白ワインを合わせる。
主菜は羊や牛の塊肉ロースト、もしくはキジやカモの丸焼き。キーワードは「豪快」で、目を見張る大きさの肉塊がどかんと登場する。とっておきの赤ワインが抜かれ、人々は実によくしゃべり、よく食べ、よく飲む。
ようやくグリーンサラダとチーズ盛り合わせに至る頃「ああ、腹一杯」と満足に弛緩した表情がテーブルを囲む。 しかし、その後「ビュッシュ」という薪をかたどったクリスマス・デザートが出てくると辞退する人はいない。別腹 なのである。 時計は丁度12時にさしかかり、デザートとともにシャンパンでクリスマスに乾杯!
毎年のことであるが、フランス人の「クリスマス過食」には脱帽。真似はできない。
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記:小笠原めい
特集:Party!Party!
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