スペインの年明けは新年の12時前に12回鳴る鐘の音を聞きながら1鐘にひと粒、合計12粒のぶどうを食べながら始まる。一見簡単そうに聞こえるが各鐘は4、5秒ずつしか鳴らないので、ほとんど飲み込まないとついていけないハードな伝統なのだ。慣れないと「うぐぐっ。」とサザエさん状態になってしまう。
昔はもちろん生のぶどうを食べていたが最近は剥くのが面倒?飲み込みやすさ?の故か12粒入りの缶詰でのカウントダウンがポピュラーである。年末スペインでスーパーに行くと、ぶどう12粒入りの缶詰が山積みになっているのはこの為なのだ。
そして新年があけてスペインの子ども達が心待ちにしているのは、1月6日のロス・レイエスの日である。なぜならスペインではサンタクロースではなくてロス・レイエス(東方三博士 メルチョ、バルタサール、ガスパール)が子供たちにプレゼントを持ってくるからなのである。
クリスマスが過ぎると市役所前、(最近はショッピングセンターの中などにも)それぞれの王の使者が座っている。子ども達は今年どんなにいいこにしていたかと自分が欲しいプレゼントとを書いたお手紙を使者に渡し、手紙の内容を伝える。使者たちからはご褒美にあめをもらい、王に手紙を渡す約束をしてもらう。この日が終わるまで新学期が始まらないので、クリスマス休暇の前日に、幼稚園や小学校にも王の使者がやってきてポストが設置され、子ども達からの手紙の渡しもれがないよう万全なシステムになっている。
1月5日のレイエス・イブには港から上陸した東方三博士(以下レイエス)が書く街の中心を通るパレードがあり、飴が雨のように山車から投げられる。今年はマドリッドではスペインの皇太子夫妻も上の娘さんと一緒にこの飴拾いに参加したそうだ。子どもはもちろん大人も紙袋片手にみんなで道路に落ちた飴を拾いまくるのだ。毎年紙袋いっぱいの収穫があるので我が家ではこの日を飴の日と呼んでいる。
そして待ちに待った6日当日は、もちろんクリスマス当日の世界中の子供たちと一緒で早起きをしたスペインの子ども達は歓声を上げながらプレゼントを開けるのに大忙しなのである。
実はレイエスたちは悪い子にはプレゼントの代わりにカルボン(炭)を持ってくるという言い伝えがあるので、当日身に覚えのある子ども達はちゃんとプレゼントをもらえるかドキドキなのだ。ブラックユーモア用にお菓子やさんではちゃんと悪い子用に炭そっくりの砂糖菓子を売っている。
そしてこの日のもうひとつのお楽しみはロスコンという名前のケーキを食べてのお祝いである。このケーキはどうやらお隣の国フランスやイタリアでも食べるようだ。
スペインのケーキには白インゲン豆と小さな陶器の王様人形が入っている。豆にあたった人はケーキ代を払わなければならず、王様にあたった人はケーキについている王冠をもらえ、1年いいことがあるという。
翌日、子ども達はおもちゃをたっぷりと楽しむためのお休みがあり、パーティー続きだった長い長い子ども達の冬休みが、やっと終わるのである。
そしてスペインの大人たちは来月のお祭り、2月のカーナバルで何に変装するかを考え始めるのである。
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