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赤いバラを君に バリのバレンタイン・デー
島民の約90%がヒンドゥー教徒のバリには、ほんの数年前まで「バレンタイン・デー」は存在しなかった。あれはれっきとしたクリスチャンの行事なのだ。
それでも5年ほど前から、大きなスーパーやデパートに出現するようになった「バレンタイン・コーナー」。高校生くらいの女の子たちが、輸入物のチョコレートと、甘ったるい文句の書かれたカードの山を前に、ああでもないこうでもないと品定めをして、ラッピングシートと一緒にそっと手に取って恥ずかしそうにレジに並ぶ光景はなんとなく微笑ましくて、学生の頃を思い出させてくれたり…

おなじみのキットカットやトブロラーネ、ティムタムが、この時期はパッケージがバレンタインバージョンになって売られていて、それはそれで興味をそそられる。ちなみに今年のキットカットのバレンタインバージョンは、パッケージのフタが2重になっている。上蓋が本のように開いて、そこにハート型が切ってあり、写真が入れられるようになっている。「写真って…どうなんだ、それ?」と思うが、付き合ってる彼氏にあげるんだったらそれもアリなんだろう、きっと。

それから、こちらのバレンタインには意外なところが男の子で混み合う。それは、花屋さん。
中学や高校の制服姿の男の子が、バイクに2人乗りで花屋に乗りつけて、赤いバラを1輪ずつ買って、照れくさそうにリボンをかけてもらい、花屋のおばちゃんに軽口のひとつもたたかれながら、また2人乗りで去っていく。これが何度も何度もくり返される。

バリでは、日本のように女性から男性へチョコレートを渡すという一方通行なものではなくて、カップルが、チョコや花やカードを渡し合うイベントとして定着しつつあるようだ。これはおそらく、テレビドラマの影響。

そんなわけで、バリでは「バレンタイン・デー」は、若い子たちにとっての新しい、格好の、騒ぐ理由になりつつある。
いつもパーティーの理由を探しているバリの若い子たち、次はいったいどんなイベントを持ち込むのやら。

ちなみに、多くの外国でそうであるように、こちらでももちろん「義理チョコ」は存在しない。いつもお世話になっているから、というつもりでチョコをあげたら、誤解されてつきまとわれるのがオチである。


記:本君田綾子
特集:Party!Party!

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