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ジリジリと照りつける太陽の下、朝からビーチでうたた寝した後、お昼過ぎに汗をぬぐってフェジョアーダを食べる。
このブラジルの代表的郷土料理を、エレガントなレストランでいただくのは風情に欠ける行為。クーラーの利いている室内ではなく、地球の温度を感じられる室外、もしくはオープンテラスで。一人ではなく大勢で。時にはサンバやショーロに肩を揺らしながら、おしゃべりにふけながら、長い時間をかけてゆっくりと、だらだらといただくのに趣がある。
フェジョアーダはブラジルを語る。1500年の''発見''後、インディオ奴隷のみでは労働力をまかなえなくなった支配国、ポルトガルはアフリカ人奴隷を船でブラジルへと運んだ。1888年の奴隷制廃止までの約300年間に、アンゴラ、ベニン、モザンビーク、コンゴなどから、約400万人が海を渡った。フェジョアーダのルーツをめぐっては、このアフリカ奴隷が考案したのだというものと、支配層がヨーロッパより持ち込んだのだという2つの説がある。
しかし、現在のブラジルにおける料理スタイルは、まさにアフリカ奴隷が創めたものである。
豆と一緒に煮込む肉は、干し肉、ソーセージ、そして値段の安い部分の豚肉を使用する。肉の上質部分を白人の農園主が食べ、残りの部分、つまり鼻やしっぽ、耳、足などを奴隷たちが使用したのだ。水で戻した豆を肉と一緒にぐつぐつと煮込む。味つけは塩とニンニク。猛暑の中、厳しい労働に就く奴隷たちの塩分とエネルギーを補うためのスタミナ料理だ。流した汗を補給するかのような塩っ辛さに舌鼓をうとう。
お米はニンニクと一緒に油で炒めた後、炊く。豆と肉、ご飯を大皿に盛りつければ、見た目はカレーライス。 それにキャッサバの粉とたまねぎのみじん切りを炒った、ファリーニャ、ケールのざく切りを炒めたもの、オレンジを付け合せる。フラリーニャは消化によく、オレンジでビタミンを補給する、アミノ酸バランスの取れた献立のできあがりだ。
栄養価が高く、スタミナたっぷりのこの料理。水曜日と土曜日の料理とされるが、現在では土曜日に食することが一般的だ。なにしろ一度お腹に入ったら、仕事などできる状態ではなくなるほどヘビーなのだ。確かにお腹いっぱい食べてしまうし、食後働く気力はうせる。
お食事の後は、音楽を楽しむか、おしゃべりを続けるか。そしてお昼寝するのもブラジル流。こうしてブラジルの、ゆったりとしたフェジョアーダ的土曜日が過ぎていくのだ。
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記:高橋直子
特集:世界の夏を食べ歩き!
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