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ドイツは戦争の頃の悲惨な歴史をモニュメントにして残すという伝統がある。 首都ベルリンには本当に数え切れないほどの歴史のかけらがあり、それは何メートルもあるものから、10cm平方のものまでと多種多様だ。大きな鉄砲で撃たれた穴が壁に残っているのだってモニュメントになってしまう。

戦争の悲惨さといえば、やはりユダヤ人迫害の歴史の傷は深く、ユダヤの歴史がらみのモニュメントは数え切れないほど町中に散らばっている。まさに星の数とはこのことだ。
今年新しく作られた帝国議会前にあるDenkmal fur die ermordeten Juden Europas(ヨーロッパで殺害されたユダヤ人のための記念建造物)は最大のモニュメントである。
10年にわたる話し合いの末に造られたこの芸術作品とも言える場所は、19000平方メートルの土地に広がり、30cm〜5mにわたる高さの黒っぽい石2711個が規則正しく並んでいる。
ここには入り口も出口もなく、中に入ると廻りの風景からまったく遮断されてしまい、迷い込んで出てこられなくなるような錯覚を起こさせる。まさに体験型のモニュメントだ。
そうかと思えば、日常さりげなく歩く道のあちこちで、本当に小さな金属製の埋め込み板を見かけることもある。良く見ると、そこに暮していたユダヤ人の名前や生年月日と、どこでいつ殺害されたかという日時が深く刻まれている。日常の生活にこうして、歴史の悲惨さを思い返す機会が与えられているのだ。
中東でまた、戦争が起こっている。最大のモニュメントを持つイスラエルが主役だ。道端にあるモニュメントを見ながら、絶え間ない人間の争いが無くなることを心から思った。 |
記:たかもと・みさこ2006/07/27
特派ルポ:伯林市民(ベルリナー)のお気楽生活
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