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フランスやパリが似合わない
2005年12月末、なぜかフランスに流れ着き、新たな生活をはじめることになった。
周りの人によると、私は最もフランスやパリという響きが似合わない人間らしい。

私は2年ほどバックパッカーとして旅をして、その後、旅行ライターになった。
これまでアジアを中心に勝手に旅行取材を行い、その写真と記事を雑誌に載せてもらっていた。取材中、中国のトン族の村では山道で迷い(隣の省にたどりついた)、インドでは映画に出演(エキストラね)、ブータンではチベット仏教の世界にどっぷりはまった。心のふるさとは中国の客家の村。よく「世界ウルルン滞在記」のようなスタイルですねと言われる。そういう旅が好きだ。

辺境の地をウロウロしていたわけだけれど、フランスに来てからはショップの取材が多い。今までの仕事とは少し異なるけれど、やってみると、これがなかなか面白い。
ちなみに今日は高級ショップH社の取材だった。朝からカメラバックを肩に下げ、三脚を持ち、撮影に使う小道具を抱えて、小走りでH社へ。店内でプレスのSさんと名刺の交換。Sさんには取材の内容をあらかじめメールで送っていたので何かアドバイスをくれるかと思っていたら、「私は忙しいので、自由に取材をして下さいね」と笑顔で言うと、奥の部屋へ行ってしまった。

1人で店内を走りまわり、シャンパンの木箱をテーブル代わりに使って撮影をし、店員の方に協力してもらい、取材は無事に終わった。
ほどよい「いい加減さ」があり、中国の村を取材しているのと同じような充実感もある。

私はこの街のイメージには合わないかもしれないけれど、フィーリングの合う街じゃないかと密かに思ったりしている。

2006年4月7日
記:安田 知子
特派ルポ着の身着のままのパリ

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