あきることなく買い物三昧

日本の如きカナダの秘湯

カナダ・ペンバートン

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キャンプ場・温泉への砂利道
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この山を見ながら砂利道を走ります
カナダの温泉といえば、バンフにあるプールのような温泉を思い浮かべますが、実は日本にあるような露天風呂が、BC州に4つあるのです。それぞれ秘境の中の秘湯なので、アクセスが難しいところばかり。 10月初旬、その中でもっともアクセスしやすいといわれる温泉に行ってきました。案内して下さったS氏は、北米に日本風の露天温泉を造る夢を持ち続け、すでにカナダとアメリカにいくつかの日本式温泉を開発し、地元の人たちから“Mr. Hot Springs(温泉王)”と親しまれている日本人の方。今回訪れた温泉も、S氏が開発した温泉のひとつです。

その温泉の名は「スクカムチャック温泉(Skookumchuck hot spring)」。今年冬のオリンピック会場になったウィスラーの北にあるペンバートン(Pemberton)から、リルーエット湖(Lillooet lake)に沿った砂利道を約1時間半走ると川沿いのキャンプ場に辿り着きますが、秘湯はその中にあるのです。砂利道は、雄大な山々を背景にした細長い湖沿いで、奥に入るにしたがって道は険しく、ところどころに大雨の後に起きた土砂崩れや地滑りや跡が見られます。この砂利道は、冬場はもちろん、悪天候の後は道路が閉鎖されることがあるそうです。それでもS氏によると、カナダでは走りやすい道路だというので驚きです。

目的地に着きクルマを降りると、辺りは自然がいっぱい、河の流れる音が響くようなキャンプ場でした。S氏に案内されて温泉場へ行くと、まず簡単な更衣室がありますが、女性用の更衣室の入り口に扉がないので、ちょっと戸惑いました。
温泉は、 大中小あわせて5つあり、すぐ上の源泉からパイプでお湯を引いています。木のお風呂やジャグジーを改良したもの、五右衛門風呂のような小さなものもあり、素朴そのもの。源泉の湯の温度は54℃、微かに湯気が立ち上っています。池のようになっていて、周囲の木々が水面に映る静かな佇まい、山奥の温泉の雰囲気です。
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ゴウゴウと
音を立てて流れる
川沿いのキャンプ場
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熊の像が出迎える
温泉場の入り口。
右に更衣室が見えます
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54℃の湯が湧き出る源泉
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極楽を味わった
屋根付きの温泉
私は屋根つきの大きな浴槽に入ってみました。外を見ると紅葉が始まった木々の葉がきれい。肌に優しい天然の湯があふれる温泉に身を浸すと、大自然の中に溶け込んで行くような感覚がなんともいえません。しばらく暖かい湯の中で極楽を味わいましたが、日が暮れる前に砂利道から抜け出なければならないと思うと、私が運転するわけではないのに、ちょっと落着きません。そしてここには、日本のように湯から上がるとビールとおいしい食事が待っている食堂も温泉旅館もないのです。

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素朴な5つの温泉、右下の手前は"五右衛門風呂"風の1人用
その日は空いていて私たちのグループだけでしたが、夏の週末などは、日帰りもできるウィスラーからの温泉マニアが来て混みあうようです。彼らはほとんど水着無しで温泉に入るのですが、体を洗うお風呂ではないので、石鹸もシャンプーも使えません。施設としてはバイオトイレと更衣室のみだけ。S氏の話では、カナダの露天温泉では年間数万人の入湯者があっても、商業関係の施設は作らないというのです。もしそれを許すと、大衆的な露天風呂や建造物が大量にできて俗化してしまうからだそうです。

日本でも古くから山奥にひっそりと沸き出る温泉を求めるマニアがいます。
彼らは、歓楽街の中の豪華な大型の温泉旅館を避け、辺鄙な山奥などに足を運んで温泉を楽しみます。古今東西、秘湯とはこういうものなのでしょう。それにしても日本では、秘湯でも小さいながら旅館ぐらいはあるはず。それに比してカナダの秘湯は、人工的なものは最小限に抑え、大自然の中に温かい湧き水を溜めただけ、本当のマニアだけが集まる場所なのだと思います。また、カナダでは露天温泉は「くつろぐ」というより、冒険とセットになっているのが特徴。彼らは、冬でも露天風呂を追い求めて秘湯を訪ねるのですが、命の危険を伴うこともあるのだとか。彼らは熊が出ても、砂利道のような悪路を何時間走っても臆せず温泉に行くというのです。そんなカナダの秘湯巡りは一期一会、日本人の私には考えられない、カナダ温泉マニアの秘湯への思いに触れた体験でした。











特集 あきることなく買い物三昧   記:  2010 / 11 / 25

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