たしたちの席は最後部一つ前だが、最後部は予備席になっているので、誰もいないはず。ラッキー!と乗り込んだら最後部の真ん中におじさんが座っている。誰よこのおじさんとは思ったが、決められた席につく。
スミコさんとトシコさんが並んで座り、わたしは反対側の窓際へ。3人のメンバーを揃えて行くのは、たぶんスミコさんの知恵。わたしと2人だとつまらないのだろう。
というのは、わたしはバスの中で四六時中おしゃべりをするのがキライなのだ。バスというのは移り行く景色を眺め、ときどき居眠りをするのが正しい乗り方と思っている。スミコさんは話し相手が欲しいのに、わたしは無視する。

スミコさんはトシコさんとずっとおしゃべりをしていたが、ときどきトシコさんは携帯でメールを始める。わたしは席を倒して眠る。最後部の真ん中に座っていたおじさんが突然わたしの前に座っていたおばさんに何か言った。どうやら二人は夫婦みたい。
ということは?
そうね、夫婦といっても隣に座らなければいけないということはないわね。でも変。
海の景色を期待していたのに、バスは房総半島の山をくねくね走り、ひものやに到着。「焼きたての干物が食べられっから」と言われぞろぞろと降りる。さあて一服するかー
と思っても、スモーカーがいない。ほんの2、3人のおじさんがばらばらに煙を吐いているが、灰皿がない。仕方がないから紅一点、冬のひからびた畑を眺めつつ、速攻でたばこを吸う。なんでこんな不自由なことをしなければいけないの?止めようかなたばこ。
千倉に着いたのは、午後3時過ぎ。いよいよハナレワザをする準備にかからねばならない。
「あの、あたくし馴染みの花畑がありますの。その花畑のオーナーが車で届けてくれますの、お花を。だからバスが着く時間を電話で知らせないといけませんのよ」
スミコさん、添乗員には我々が別の場所に行くことなど悟られぬように話している。添乗員のサトウさんは、親切に自分の携帯でスミコさんのいう番号を押し、スミコさんに手渡した。そのときすでにバスは千倉の「道の駅」に到着していた。
乗客のほとんどは、オーペー(OP)で、近くの花畑で花摘みをする。目の前は太平洋。
ここでゆっくりたばこが吸いたいというのがわたしの願い。しかし、おじさんの車が>到着し、乗り込んだときはすでに10分経過。4時20分までにはバスに戻らねばならぬことを告げると、おじさん「そりゃあ、相当忙しいな」。
海沿いを走り、目的の花畑に着くと、スミコさんのんびりおかみさんと挨拶など始める。わたしはなんといっても一服したい。花畑を横切って海岸近くで目的を果たす。
磯が続き、釣りには絶好のところだ。磯を歩きたいと思うがままならぬ。はさみとかごを渡され、ストックの花摘みを始める。選んでいる暇などない。大急ぎで摘み、清算をし、梱包してもらうが、最初のわたしの梱包が終った時点で、4時5分。あと15分でバスのシートに座っていなければいけない。
おかみさんとおじさんが必死で梱包し、わたしはそのあいだ二服目に。なんとかすべてを終えて車に乗り、気が着いた。
「あ、写真撮るの忘れた」
「たばこなんか吸ってるからだよ!」言われてしまった。
おじさんはとてもきれい好きなようで、畑にもゴミひとつ落ちていなかった。たばこの吸殻を捨てることもできず、紙にくるんでかばんに入れたくらいだ。
おじさんのおかげでなんとか間に合った。スミコさんによると、おじさんはかなりのインテリで、次男は医者にして、都内の大学病院に勤務しているのだそうだ。
インテリかあ。インテリはたばこなど吸わないんだよと言われたことがある。だって、わたしインテリじゃないもーん。
あとは5大得典達成を目指してバスは行く。まず、車内でびわゼリーと饅頭が配られる。どちらもおみやげの箱をバラして一つずつ。これっておやつよね。
「これで3つ達成すた。これから、ポピー摘みに行ぐ。3本プレゼントだ。たりねえ人は買ってけろ。あったかあら汁は浜金谷のザ・フィッシュ(フェリーのりば併設)に用意してあっから、あったまってけろ。握り寿司は弁当だから、バスの中で最後に配るから」
あら汁も温かくて美味しかった。お寿司も美味しかった。サトウさんの童謡はあまりに下手で動揺した。どーよと言われても返す言葉がない。さて、おあとがよろしいようで。でも、このバスツアーどーよ。
アレ、また言っちゃった。
ちなみに、花畑で摘んだ花の代金はこーんなにたくさんで(写真参照)1,100円でございました。
大満足?の旅でした。