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ゆったり温泉。美味たらふく。胸一杯に海山の「気」でリフレッシュしたり、都会の「邪気?」も楽しんじゃう。やっぱり旅はたびたびしたいよね。
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白馬に乗った王子さまは、かつては少女の憧れだった。わたしだって例外ではない。しかし、最近はどこぞのキムさんが薄くなった髪をなびかせカッコワルク登場した衝撃映像のおかげで、白馬に乗った王子さまなどドンダケーという感じ。「イメージを壊さないで!」とは少女時代によく口にしたが、確かにキムさんは核爆弾なみの破壊力で白馬の王子のイメージを壊してくれた。だからといって白馬までドンダケーという気はない。白馬山は山肌に残る雪の形が白馬に似ていることから名付けられたとか。
白馬八方温泉は長野県にあり、長野オリンピックのジャンプと女子アルペンスキーの会場になったところである。昔からスキー場として有名なところだが、わたしは40年ほど前に遊びに行ったことがある。そのときの記憶はほとんどなく、なぜ白馬に?というと料理自慢のシェフのバイキングで高級リゾート樅の木ホテル1泊2食2人一部屋13,000円フリータイム、日本一のアルカリ温泉、美人の湯というコピーにその気にさせられたのである。樅の木ホテルは、最低の宿泊料金が20,000円なので、交通費も含めて13,000円ならすでに格安なのだ。あとは天気だけが問題だった。なにしろ国内旅行はことごとく雨。相手を代えても雨ということはどうやらわたしが雨女なのだろう。そして白馬も雨だった。
フリーというのはいいようで悪い。特に雨の場合は。ツアーに参加すると押し着せの観光で融通がきかないからとフリーにしたのにまったくツイテない。グチを言っても仕方がないが、天気さえよければ雪の残る北アルプスの山々に抱かれて極上の時が送れるはずだったのだ。しかし、わたしは天に見放されているので傘を差し、びしょびしょと雨の中を歩き、ゴンドラリフト往復2,600円也で、傘を差してリフトに乗り、おっかないったらありゃしないという思いをして兎平、黒菱平まで登ったのである。
上まで登るとさすがに雨とはいえ、ときどき覗く下界ははるか彼方。素晴らしい景色の一部は堪能できたのかなという気分。女子アルペンスキーの会場になった兎平のゲレンデは恐ろしいほどの急勾配。そこを滑り下りるなんてそれだけで尊敬してしまう。
オリンピックのおかげなのだろうか、樅の木ホテルは国際ホテルとして通用するホテルだった。大きなホテルではないが、一応国際仕様。レストラン、ロビーなどに配された本物のマントルピース。木立に囲まれた敷地のそこここにあるテラスなども実によくできている。ひとつだけ不満をいうなら、洗面所がおそろしく狭い。ユニットバスになっているのだが、安アパート並の狭さ。素晴らしい露天風呂付きの大浴場があるのだから、バスタブなどなくてもいい。その代わりに洗面台とトイレをゆったりすればもっとよくなるはず。オーストラリアからのスキー客が多いということだが、あの狭さは国際規格ではないと思う。

同行したスミコさんは、すっかり気に入り時々ボーっと外を眺めていた。それは、ヨン様がこのホテルにいるところを想像しているのだそうだ。「ただイメージしているだけよー」とスミコさん。「そういうのをあらぬ妄想というのよ」とわたし。・・・ヤレヤレである。スミコさん曰く「よく考えてみると、とにかく暇なのよ。人生の中でこんなに暇な毎日はなかったの。年金生活ってとにかく暇なの。今さら何かを始めようという気にもならないし」家族は真面目なご主人だけ。愛人騒動もないだろう。生活不安もない。子供たちは独立し、何も起きない生活なのだ。人生ってムズカシイ。働かなくちゃ生きていけないというのは、もしかしたら小さなシアワセかも。

ちなみに、朝、駅まで送ってくれたご主人は、スミコさんが旅行に行くのがうれしいのだそうだ。思い通りに台所が使えるし、好物のお蕎麦を食べて小言も言われないから「朝から鼻歌を歌っていたわよ」ということだ。どうやらあまりにも平穏な日常の、ちょっとした変化に協力できたようである。
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