|
一昨年あたりから新聞広告が出始めた「上高地10,000円」ツアー。1泊して10,000円なんてどんなツアーなのだろうと気になって仕方がなかった。内容を吟味すると、旅行会社によってだいぶ中身が違う。1泊朝食付き、夕食はオプションというのもあれば、1泊朝夕2食付きというのもある。泊まる場所もさまざまだ。
今回参加したツアーは阪急交通社の「上高地と軽井沢・志賀高原ドライブ 2日間」というツアー。しかも朝夕2食付き。これは参加しなけりゃいかんがねてな具合で友人のスミコさんに声をかける。遊びの相談はすぐに決まるのがわたしとスミコさんの仲、「行きましょ、行きましょ」といつもどおり1分もかからない。
これを申し込んだのが旅行日の10日ほど前。そのときは上高地と志賀高原の位置関係がよく理解できていなかった。その後、地図で探すとかなり離れている。なんだかなあと思いつつも、行ってみれば分かるだろうとお気楽に構える。当日はスミコさんのご主人のキン様に集合場所まで送っていただき、コンビニでお弁当なども買い込みルンルン気分で出発した。
この日、天気は上々、窓際席のわたしは日差しを避けるのに一苦労したほどだった。バスは中央高速をひた走り、談合坂、諏訪湖で休憩したあと、上高地を目指した。このバスツアーは満席。みんな考えることは同じで、お得感にはしゃぎぎみ。夏休みということもあり、いつもの中高年ツアーとはちょっと違い、子どもからお年寄りまで、年齢層はバラバラだ。

いつも旅行を計画した段階では、頭の中は「晴れた空〜そよぐ風〜」という想定だが、現実はちょっと違う。この日、バスが山道を登りはじめると、待ち構えたようにどしゃぶりの雨。かと思うと一転し日差しが。その度に一喜一憂しながら上高地名所の大正池に到着した。なんとか雨もあがり、河童橋目指して歩き始める。晴れていれば焼岳、穂高岳の美しい山を満喫できるはずなのだが、この日は、雲の間から「ちょっとだけよー」という具合。

それでも、梓川のほとりを歩くコースは、高山植物の宝庫。草花好きの人たちは、何度歩いても楽しいコースだろう。田代池までは雨がぱらつくも我慢の範囲内だった。しかし、田代橋あたりから、どんどん雨脚が強くなり、おまけに雷まで。こうなると景色を見る余裕などない。命を守るのに必死である。靴の中は水浸しになり、衣服もぐしょぐしょ。逃げ場はどこにもなく、雷に打たれないように早足でバスターミナルを目指すしかなかった。後で知ったことだが、当日の8月22日は近畿地方で大雨の被害もでた、いわくつきの大気不安定の太鼓判が押されていた日だったのだ。
あまりの雨に管理人が案内板にシートを被せて歩いていた。すると、そのどしゃぶりの中、スミコさんが管理人になにやら話し掛けた。50mほど前を歩いていたわたしは、立ち止まり「何を聞いたの?」と尋ねた。するとスミコさん「河童橋はこの道でいいの?って」いいに決まっていますよ、一本道なんだし。スミコさんはどこへ行っても必ず管理人に声をかける。それは彼女のポリシーなのだ。「交流を深めるのは、大事なことよ」という考えに反対する気はないが、どしゃぶりの中、大忙しの人にずぶ濡れで声をかけるのは反対だ。
バスターミナルに近づいたころ、スミコさんは「先にバスに戻るけどあなたは河童橋に行きなさい」と言ってさっさと道を曲がってしまった。ぐしょぬれの衣服を誰もいないうちに着替えたいのだそうだ。ところが、バスターミナルにお目当てのバスはいない。バスターミナルには出発すれすれになるまでバスは入れず、順番に入るため、道路にずらりと並んで待機しているのだという。ずぶ濡れの人たちが溢れるようにいる休憩所で、スミコさんとバスを待って過ごした。ちなみにスミコさんもバスには戻れず、暇だからとばっちりメイクを施した晴れやかな笑顔とともに、有料トイレ前で遭遇したのだった。「あなたは集合する際に有料トイレの前で添乗員に名乗るって知らなかったでしょ、きっと聞いてないと思ったから、ここで待っていたの」
スルドイ!その通りです。まったく聞いておりませんでした。わたしも結構観察されているんですねえ。スミコさん、しっかり者ですね、意外と。
しかし、どーしていつもかんじんなところが雨なんだろ。これって運がないってこと?今まで旅行の相手が雨女だと思っていたけど、相手が代わっても雨ということは・・・わたしが雨女なのかも。
|