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ある日、旅行会社から送られてきたパンフレットをなにげなく見ていると、突然目に飛び込んできたのが金沢フリー19,980円という文字だった。
20,000円で20円のおつり。しかも朝食付き、バストイレ付き、セミダブルベッド、シングルルーム、パソコン接続無料、大浴場には露天風呂、ジャグジー、スチームサウナ付き、それで3泊4日。素晴らしい!「フリーツアーの玉手箱やあー」なのだ。
わたしの持論としては、どんなに高価な旅でも名所旧跡や風景は変わらない。それなら安くて自由で楽しい仲間と行くのが一番と考えている。最初に、そのツアーの特徴と出発地などなどを考慮し、次にツアーに適した人をピックアップ、電話をする。わたしが格安と思う旅は、誰もが格安と思うはず。なぜって今までも、3泊4日で北海道も九州も30,000円ぽっきり。2人で1部屋、1日2食付き、ほとんどすべてを見て回るという格安ツアー愛好家だからだ。しかしその体験から、もう引きずりまわされる旅はそろそろ終わりにしようと考えていたが、フリーということは自由ということなのだから、ツアーでいいのだ。バンザーイ。
今回の金沢は往復バス。しかも、出発地は川越。ということは、川越でいいという人を探さなければいけない。そこで暇人ビギナーのTakakoさんを誘った。Takakoさんは東京都民だが、川越へのアクセスはいい。しかも、ホテルはシングルルームだ。誰もがこういう旅を歓迎するとは限らないが、Takakoさんなら絶対歓迎だと思った。案の定行きましょうということになり、白浜に続き珍道中?をすることに決まった。
バスは20分遅れて到着。座席表に従い席につく。参加者の半分は一人参加らしく、ちょうどいい人数だ。ツアーとはいっても行きと帰りと宿だけが一緒で、連帯感などまったくない。
「このバス変わっているわね、旅行に行くのにすごい静かね」とTakakoさん。言われてみればシーンとしている。参加者はたぶん50代か60代。
天気は曇りで、一番楽しみにしていた北アルプスや立山の景色は楽しめなかった。左に白馬が見えるはず、黒姫山が見えるはず、右に妙高が見えるはず・・・なのにすべての山が雲隠れ。雲隠れという言葉の語源は、このように大きな山がまるごとまったく無いかのようになることなのかと、帰宅してから広辞苑で調べてしまったほどである。広辞苑によると、雲隠れの語源は山ではなく月が雲に隠れることのようだが、山がまるごと無くなる方がショックだ。あの素晴らしい山々は何処へ?
時々、激しい雨の中を走ったが、北陸自動車道に入ったら、晴れ間も覗く天気になった。サービスエリアは混雑を避けてか、チョーローカル。昼食を調達する予定が、お弁当など売っていない。自動販売機で焼きおにぎりから揚げセットを買うも、延々時間がかかり、出てきた物はアッチッチと常識はずれの熱さだった。レストランはあっても休憩時間が15分と短いため、食事をするには無理がある。これからは、この失敗は繰り返さないつもり。
午後2時半ころ金沢市内に入り、金箔の工芸店に寄り、金箔入りのお茶をサービスされ、キンキラキンの黄金の茶室を拝見。思ったよりシックだ。今回のツアーでお店立寄りはこの一軒だけ。実に良心的。その後、バスはホテルへ。オープンして6年目の真新しいビジネスホテル。金沢駅西口の大規模に再開発されている地域にあるマンテンホテル。これが素晴らしい満点ホテルだった。
部屋は6畳くらいで、ベッドは大きく、バストイレのある洗面所は素晴らしく清潔で広さもちょうどいい。
さっそくトイレにすわると歓迎の水。まだなのになあと思いつつ用をたし、ウォシュレットを使用するとまた水。まだ流してないのになあと思いつつ衣服を整え水を流す。こんなに水を使っていいのだろうかと後ろめたい気分。地球さんごめんなさい。でも、わたしのせいではありません。水が出てきちゃうんですから。
向いの部屋がTakakoさんの部屋。30分後に街に繰り出す約束だ。
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