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朝8時朝食。この約束から1日が始まる。それまでは個室で自由。ドイツワールドカップは準決勝の強豪が凌ぎをけずっているわけで、早朝からテレビ観戦。個室って素晴らしい。もしもツインで、相手が眠っていたら、朝の4時からテレビをつけるなどできないことだ。窓も開け新鮮な空気を入れ、誰に遠慮することもなくたばこを吸う。
きっかり8時にコンコンとノック、食堂へ。エレベーターに乗ると、ビジネスマンが数人乗っていた。スーツを着てカバンを持ち、どことなくきりりとしている。いかにもこれから重要な交渉が待っているという感じ。1階に着く直前、一人のビジネスマンが「あっ!」と声を上げた。一斉に彼に注目。「いけねー、スリッパだ!」足元を見ると、白いメッシュに紺の縁取りの部屋に備え付けのスリッパ。いでたちがきちんとしている分マヌケ度がアップ。ピンと張り詰めていた空気が一気に緩む。「お先に」と笑いながらエレベーターを降りると、ビジネスマンはテレながら再び部屋へ戻って行った。
朝食は洋食、和食のいずれかを選ぶ。この日は洋食。サラダ、フルーツ、コーヒーなどの飲み物は、和洋食共通、お代わり自由のバイキング。食事の内容はとても良い。スクランブルエッグ、ハムステーキ、ポテト、パンのプレートにトマトかオレンジのフレッシュジュースが洋食。サラダは数種類から自由にアレンジ。大満足。
食後ラウンジで東尋坊と永平寺へのアクセスを相談していると、おじさんが「芦原温泉でバスのフリー切符を買って、両方行けるよ。2000円で」と教えてくれた。「わたしは昨日新幹線で来て、両方見てきたから」「新幹線?新幹線なんて通ってないでしょ」「東京からは新幹線が一番早いんだよ。米原で乗り換えて」へぇー、そうなんだー。帰宅してから地図を見た。金沢を基点に考えていたが、東尋坊も永平寺も福井県。確かに米原からは想像を越えて近いのだ。
おじさんのアリガタイアドバイスでとりあえず芦原温泉駅を目指す。普通電車は出たばかりで、1時間も待たなければいけない。ここは特急電車で行こうということになり、乗車券950円、特急券1150円の往復を購入。10分の待ち時間で出発。芦原温泉駅には1時間ほどで着いた。
京福バスの東尋坊・永平寺○得2日フリー乗車券を購入。正規の運賃は3,300円とか。いろいろ割引券も付いているので、絶対にお得・・・らしい。
東尋坊は観光地独特のみやげ物屋兼休憩所がずらりと並ぶ道を歩きやっと行き着く。この日、梅雨の間の貴重な晴天に恵まれ、観光船でのクルーズも割引券で200円のお得を満喫。しかし、東尋坊は思ったより小振りの岩場だった。確かに独特な岩で落差もある。海が凪いでいたこともあるかも知れないけど、岩場のスケールからすると、イマイチだと思った。
しかし、自殺の名所という点ではコンパクトにダイブできるというのは頷ける。命の電話が2ヶ所に設置されていて、思いとどまるようなメッセージもある。

見学の後、一番海に近い店先でサザエのつぼ焼きをつまみに生ビールを飲む。真昼のビール、これが旅の醍醐味なのだ。だって旅なんだもーんである。ゆっくり、海風に吹かれて過ぎ行く人々を観察。日本人て真面目だねえ。これが感想。皆、せっせと船着場に行き、せっせと帰る。ビールを飲む人はわたしたちだけ。
なんともミスマッチなカップルや、新婚さんかもねというカップル。団体さんもたくさんいたけど、ほとんどの人が見学のみ。観光地は不景気そうだった。
またバスに乗り、芦原温泉へ戻り、バスの切符売り場のおばさんお薦めのお蕎麦屋へ行くが、すぐ近くと説明されたのに店が見つからない。100mほど離れた場所で丁度車を降りた地元のおじさんに「すいませーん、お蕎麦屋さんがこの辺にあるはずなんですけどー、どこですかー」と訊ねると「ないよー、蕎麦屋なんてー」だって。ヤバイじゃん。けっこう歩いたぞ。
ウロウロしていたら、わたしたちの声を聞いたのか、おばさんが現れて、「蕎麦屋に行きたいの」といって教えてくれた。大きな声も役に立つのだ。しかし、お店は休み。仕方なく駅前食堂でお蕎麦を食べる。わたしは、天ざる。しかし、永平寺行きのバスの時間が迫るのに、お蕎麦が来ない。「手打ちで打っているのかな」「天ぷらを頼んだからいけないのかな」などと時間を見つつ気を揉む。とうとう我慢できなくなり、「バスの時間までに済ませたいんですけど大丈夫?」というと、「バスに乗るんだって」とおかみさん。「大丈夫だよ」とおやじさん。間もなく出来て、よかったよかったなのだが、「うちは注文聞いてから天ぷらあげるんですよ」とおかみさんに睨まれてしまった。スンマセン、時間もないのに天ぷらなど頼んだりして。
越前蕎麦って有名なのよね。それを駅前食堂で食べなきゃならなかったのはチト残念でした。
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