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昼食に注文した食堂特製冷凍庫の香りの天ぷらそばをぺろりとたいらげ、お茶を飲みつつこれからの行動を決める。観るところはたくさんあるが、とにかく雨が強い。近場で面白そうなところということで、県立美術館に決定。ところがこれが大ハズレ。兼六園の周りには金沢21世紀美術館をはじめ歴史博物館などいくらでもあるのに、なぜ県立美術館を選んでしまったのだろう。選んだ本人に分からないのだから、分かるわけがないけど、やはり情報不足だったかも。

支払いを済ませ外にでると、茶屋の主人が「これからどちらへ」と聞いた。声を揃えて「県立美術館」と言うと、「それなら兼六園の中を通って霞ヶ池の脇を通って」と説明し始めた。すると「ダメです、ダメです。とても憶えられません。とにかくこの道を真っ直ぐ行って信号があったら一番手前を左ですよね」とTakakoさん。ポカンと口を開けている茶屋の主人に「わたしたち一つしか憶えられない頭なんです」と説明し、雨の中をビショビショと歩いた。
道はUターンをするように兼六園に沿ってある。おまけに上り坂。「ねえ、やっぱ兼六園の中を通るべきだったかもね」「そうね」口数も少なくなる。やがて立派な県立美術館に到着。とにかくあまりにも贅沢な美術館だった。建物、空間、人の使い方。しかし少しも面白くなかった。見学している間に雨はさらに激しくなり、結局タクシーでホテルへ。
タクシーの運転手にどうして大きな交差点に横断歩道がなく、地下に潜るのかと尋ねたら、「雪国だからね、雪掻きが大変なんですよ、地下なら手間が省けるしね」聞いてみて納得。通りすがりの旅人には理解できない事情があるのだ。「大きなマンションがたくさん建っているでしょ、あれは、雪掻きが苦痛になった年寄りが、家を売ってマンションに住み替えているからね。雪が降ると、一家に一人雪掻きに参加しなければいけない決まりがあっから。昔はどの家にも若いもんがいたけど今は核家族だから」
そーなんだ。確かにマンションなら雪掻きに参加する必要はない。雪は容赦なく降るし、年寄りに雪掻きは大変だ。運転手は「こーんな高さまで積もるんだから」と手を高くあげた。金沢は雪の多い北国だったのだ。
金沢の街でもう一つ東京と違うと思ったことがある。それは造園。東京は緑というとサツキとかツツジを植えて真ん中にケヤキとかを植えてあるが、金沢は一味違う。たとえば、駐車場の入り口にまで植木屋さんがこだわりの造園を施してある。そこには季節のさまざまな木々がバランスを保って、いかにもお庭でございと在る。おそらく金沢に伝わる文化なのだろう。
この日、朝のテレビで北朝鮮がミサイルを発射したと報じていた。「やばいじゃん」とか言いながらもそのまま観光。緊張感のカケラもなく過ごしていた。ホテルに着き、Takakoさんの部屋でビールなど飲みながら、「この緊張感のなさは問題だね」とテレビの報道を見る。街は平穏。ただ、時折り石川県ニュースになると、漁業組合の人たちのコメントがある。漁にでている船の安否が気になるから、至急確認を急いでいると。本当にはた迷惑な実験だか脅しだかだ。
わたしには戦争というものが理解できない。これはおそらく幸せなことなんだろう。イラク、レバノン。テレビに映される映像は悲惨だ。しかし、どうしても実感できない。おそらく、東京にミサイルが打ち込まれるまでは実感できないのだろう。しかし、いったい、北朝鮮は何を考えているのだろうとは考えるが・・・。謎じゃ。でも、死なばもろともと道連れにされる可能性は大だと思う。あの世にジョンイルと一緒に行くのはヤダな。これがわたしの本心だ。
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