温泉を堪能した翌日、パナハッチェルという町へ向かった。町外れにあるアティトラン湖と、その対岸に佇む富士山似のフォルムが美しいサン・ペドロ火山を拝むためだ。
おんぼろバスに揺られること2時間半。車窓の風景はずっと、山や畑の緑、ときどき町や村の茶色。あくまでのどかな風景にだんだんと眠気を覚え、アクビをしつつぼんやりと窓を眺めていた。
バスは徐々に山を登り、パナハッチェルの手前にある県都ソロラの町の入り口に差し掛かった。するとそのとき、視界をヒューッと赤い人影が流れていった。

おっと随分派手な衣装、お祭でもあるのかな? 新しい発見で一気に眠気は吹っ飛んだ。
そしていつお祭の現場に遭遇してもいいように愛用のデジタルカメラを取り出した。
再び、ヒュー。おぉ、今度は青いおっさんだ!

町の中心部へと向かうにつれてカラフルな衣装のおっさんの数は増えていく。そして中央広場に到着すると、そこにはど派手なおっさんがウヨウヨ! でも、お祭など特別な行事が開催されている様子もない。どうやらこれが彼らの日常スタイルらしいのだ。
おっさん衣装の主流は、細かい刺繍を隅から隅までビッチリあしらったカラフルで目がチカチカする上下と、腰にグルグルと巻きつけた毛布まがいの大判の布。変り種としては、リアルな鳥の刺繍がたくさんついている半ズボンや、紅白シマシマ短パン。色もデザインも斬新・大胆、やれるだけやったるで! 的な勢いを痛いほど感じる。
誰も彼も見ているだけでおめでたい。言ってみれば、ギャグマンガの世界(言っていいのかな?)! こんなの着ていたら落ち込んでなんていられないだろうなぁ。


女性はというと、花柄の刺繍ブラウスを着て、紺が基本の縦じまの布を巻きつけ、ビーズや刺繍のベルトで留めている。確かに女性衣装も手が込んでいて美しい。
でも、インパクトで言ったら断然男衣装が勝っていた。
民族衣装といえば、女性ものの方が凝っているイメージがあったけどここは逆。まるでオスの羽根が美しいクジャクのよう。男の美意識の高さは格別、ソロラでメンズエステの店を展開したら流行るかも?! 
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