|
さて、興味津々その3(その1、ウズベキスタン航空、その2、パムッカレ)のカッパドキアへ向かう朝、旅行カバンをドアの前に出し、朝食をとるためにレストランに行く。先に食事をしていたTakakoさん「懐中電灯持った?」と。「あ!忘れた!カバンの中だ」「早く取ってらっしゃいよ」「だけどカバンはもう集めちゃったかも」「でも、間に合うかもしれないじゃない」ということで、駆け足で部屋に行くと、ドアの前のカバンがない。あーあ。
今日はカイマルクの地下都市の見学が予定に入っている。そのために小さな懐中電灯を買ってカバンに入れてあったのだ。案内書にも書いてあったし、出発前の電話確認でも懐中電灯を用意するように言われていた。ホテルの部屋の前でカバンがないと嘆いていたら、ツアー仲間が「カバンはもうバスに積み込むために玄関脇に並んでいたよ」と教えてくれた。しかし、あのセキュリティを突破して、外に並んでいるカバンを開けるには、説明するだけの語学力が必要。うーん、自分にあのいかついオニイサンを説得するだけの語学力があるだろうかと心配しつつも、当たって砕けろだーと玄関に向かった。
ダメモトと思っていたせいか、すんなり分かってもらえた。「ついてきて」とドロボーではないアピールもして、カバンを開けると彼は「OK」と言って元のセキュリティ係に戻っていった。冷や汗もんである。こんなに苦労して持ち出した懐中電灯どんな活躍をしたと思う?

カッパドキアまでは、またまた約230kmの移動。雄大なトルコの大地を羊の群れなどを眺めながら走る。途中、キャラバンサライ(隊商宿)を見学するために下車。いやすごい!ホントにすごい!と感激。ドラクエそっくりじゃん。あたしキャラバンサライの辺りで苦労したのよね、ドラクエで。あ、失礼。個人遊戯にひたっちゃって。実はわたしゲーム大好き人間なんです。でも、キャラバンサライってなんだか夢があると思いませんか。中央アジアの砂漠地帯を駱駝に荷物を乗せて遠路はるばる・・・。あー、シルクロードね、ここに泊まったのねとキョロキョロ。当時使われていた鍋などもありました。展示というより、放り投げてあるように。
隣の広場では、その日かなり大きな市が開かれていて、少しだけ見学。とにかく時間がないのです。めったに出会えない地元だけの市なのだから、見学時間を延長してくれたらいいのにと思いつつ、入り口付近をウロウロ。え、市ってこんなになんでも売っていいの?とびっくり。大小さまざまな石の隣でみかん。その隣でバッテリーや自動車部品。その隣で洋服。奥のほうでは羊や鶏の肉という具合。そのどれもこれもが自力で調達してきたり、手作りのものばかり。馬車で荷物を運び込むおじさんやトラックで運び込むおじさんなど。新旧ばらばら。いや、いいものを見学できました。
カッパドキアに近づくと、あの独特な岩があちこちに現れる。カッパドキアは大地が熔けてる最中なのだとか。石灰分が多いため雨に熔けた岩がはっきりと熔けて流れた跡を残している。ということは、酸性雨が降る今日この頃、熔ける速度も早くなっているのだろう。やがて、この景色は見られなくなるのかも知れない。

カイマルク地下都市は、キリスト教徒が隠れ住んだ蟻の巣のような岩窟住居だ。中は地下へ地下へ、横へ横へときりなく続く。本当はここで懐中電灯の出番のはずだった。が、なんとか歩ける明るさはある。懐中電灯を点けるよりも、屈んだ姿勢で狭い通路を歩く方が大変で、結局点けずにバッグに仕舞っておいた。朝の苦労はなんだったのという釈然としない気分。洞窟の中は教会もあれば炊事場もある。縦に貫く空気取りや井戸までも。ふーんという感じ。
キリスト教徒たちは、1年中この地下都市で暮らしていたわけではなく、迫害警報が出たときだけ、一時的にこの地下都市に逃げ込んで生活していたとのことだが、カイマルクの場合、その数20,000人。もう一つのデリンクユ地下都市は40,000人とか。いやはやですな。攻めてきた敵も忽然と姿を消した数万人が、地下で生活していたとは考えなかったんだろうな。入り口は小さくてただの岩穴。カモフラージュもしていただろうから見つかるわけがない。当時はおみやげ屋もなかったしね。
昔の暮らしって、いろんな知恵が等身大で納得できるから、わたしならこうするなとか、敵を欺くにはこうしようとかアイデアが溢れてくるけど、今の生活はまったくお手上げ。ちっとも楽しくない。電気製品にしても、携帯電話にしても、パソコンにしても、ヒーヒー言いながら覚えるわけで、便利は認めるけどこんな生活を望んでいるのだろうかと疑問に思う。
この後、お約束の絨毯工房に立ち寄り、達者なお笑い芸人のような日本語の解説を聞き、チャイをサービスされて、いざ販売というときには湧くようにオニイサンたちが現れセールス。わたしは買う気などないから、Takakoさんを指して「あの人なら買うわよ、きっと」とアドバイス。早々にトイレはどこか聞いて外に逃げ出した。外はちょっとしたトルコ庭園?になっていた。そして、昔の井戸を見て思った。井戸ってどうしてみんな同じなんだろうって。日本の井戸と同じだったから。
今夜のホテルはペリッシア。2度目の連泊ということで今回はわたしが一人部屋。鍵を受け取り部屋に向かう。しかし、省エネもやりすぎると不便この上ない。窓のないホテルの廊下に電気がないとこうなりますという実験でもされているようなモルモット気分。センサーにかかると一旦は電気が点くが、これがすぐ消えてしまうのだ。センサーがどこについていたのか分からないが、わたしの部屋は一番奥だったため、センサーに見つけてもらっても部屋に着く前に消えてしまう。ドアの前に立つころには闇。鍵など開けられない。手探りで鍵穴を探すが、鍵が入っていかない。オーマイゴットである。そこで、そうだ!あたしって懐中電灯を持っていたんだっけと気づき、無事入室。懐中電灯が必要なのはホテルだったんだ!と納得したのでありました。
|