|
ツインベッドの部屋に一人で連泊だったカッパドキア。溜まっていた洗濯物もきれいになり、懐中電灯のおかげで出入りもスムース。朝食を済ませたら、首都アンカラへ向かう。前日大発生したゲリラ(下痢等)部隊は、生野菜を控えることで落ち着いたようだ。でも、もしも野菜についていた少量の水が原因だとしたら、やはり水って恐い。腹痛などの症状がなかったのは不幸中の幸いだったが、いきなりもよおしてしまうのはちょっとタチが悪い。
一人参加のオジサンは、おもらししたらしく、大慌てでおみやげ屋のおじさんと交渉して先にホテルに帰ったが、若いオネエサン添乗員になんと説明したのかな。興味津々その4に加えておこう。わたしたちがホテルに帰ると、さっぱりした顔で「やー、まいったよ」とだけ言っていたっけ。このオジサン、トルコは3回目だけど、カッパドキアが抜けてるから参加したと言っていたのにね。
アンカラまでは約300kmを移動しなければならない。カッパドキアの奇岩群に別れを告げると、後は国道?をひた走る。前も後もトラック。交通量は非常に多いが、流れはスムースだ。通路側の席から道路前方が見えるが、トルコの道路の白線はヨレヨレと微妙によたっていて、そのために上り下りの激しい坂道に見える。しかし、坂などではなく平坦な道だった。
途中、トゥズ湖で一休み。この湖は塩湖である。湖岸は真っ白な塩で覆われていてかなり不思議な湖だった。おみやげ屋で味見をしたが、美味しい塩だった。トルコはどこに行っても野良犬、野良猫天国。吠えたり人を避けたりはせず、むしろ寄ってくるが、ここでねずみをくわえて草むらに入っていった犬を見た。犬まで素朴かつワイルド。

アンカラでの最初の訪問はアタチュルク廟。アタチュルクとはトルコの父という意味だそうで、第一次世界大戦に敗戦し、セーヴル条約で滅亡の危機にさらされたトルコを奇跡的に救ったというムスタファ・ケマル・パシャが眠る。とにかく大勢の見物客で溢れていた。
たまたま、衛兵の交代式を見学。容姿端麗の男子を揃えているのだとか。一緒に写真も撮れるらしく、次々に写真を撮っているが、衛兵は少しも動かず。ピースなどとVサインをしてくれたりはしない。
次に訪れたのはアナトリア文明博物館。ここは素晴らしい博物館だった。
人類最古の集落と言われるチャタル・ホユックの家屋は紀元前6500年位のもの。わーお!である。人類史上初めて鉄器を発明したヒッタイトの出土品も数多く展示され、飽きることがない。とにかく世界史の1ページ目から20ページ?目位までが、手入れの行き届いた素晴らしい展示品になって並んでいた。
その上、この博物館は隊商宿だった建物。とにかく圧倒的にかっこいい。隊商宿マニアとしてはドキドキしてしまう。
アンカラのホテルは街なかの大通りに面したイチカレホテル。割当てられた部屋はチョー狭い。そこにTakakoさんと相部屋の日である。これは先に眠ったモン勝ちだわねと密かに思う。たぶんお互いに。部屋には小さなベランダが付いていて、スモーカーにはアリガタイが、なにしろ街なか。アンカラの舞台裏を覗いたような気分で一服。隣のビルからもひらりと飛び移れそうな感じ。しっかり戸締りをしなければ、アブナイアブナイ。だってわたしたち元女の子ですもん。

カッパドキアで買ったトラサンのワインをここで飲むつもり。が、オープナーがない。そこで街に繰り出し買うことに。簡単に考えてスーパーに行ったが、売ってない。では、酒屋にと移動。しかし、ここでトラブル。「Do you have wine opener?」(ワインオープナーはありますか?)これが通じない。酒屋のお兄さんはさっと棚に並んだワインに手をかける。ノーノーで仕切りなおし。今度は「Can I get wine opener?」とアメリカ英語に変更。しかし、今度は二人で棚のワインをとる。ノーノーと言うと、開けて渡す真似をする。業を煮やしたTakakoさん、「栓抜きよ、せ・ん・ぬ・き!ぐるぐるしてるの」と指で螺旋を描く。
仕方ない、いきさつを話すしかないということで、「カッパドキアで美味しいワインを買ったけど、オープナーがないから開けられないのよ」と言うと一斉に「ワーオ」と天を仰いだ。そして、奥から栓抜きを持ってきて見せびらかすので、「それそれ。いくら?」というと「売れない」と。「じゃ、貸して、明日の朝返すから」と言うと、「ダメ」と言う。一つしかないのだそうだ。
帰り道、2軒の酒屋に寄り、いきさつから言うと、みんな大笑いするが、ワインを持ってくれば開けてあげるよとか、ホテルで開けてもらえばいいさとか言うだけで、購入することはできない。新聞スタンドのおじさんにまで聞いた。スタンドのおじさんは英語が分からなかったが、すぐに英語が分かる人が寄ってきて対応してくれる。すごく親切。うなぎ屋みたいにいいにおいをさせて肉を焼いているおじさんは、帰り道でもまだ肉を焼いていた。お客はいないので、焼いた肉はどうしているのだろう。にこにこと手を振っていた。
こうして街の見物はおおいに楽しめたが、ほぼ諦めてホテルに戻ると、ツアー仲間のYoshiharaさんが「わたし持ってます」と貸してくれた。そして無事ワインが飲めたのでした。
教訓、酒飲みは栓抜きを持参するべし。でも、楽しかったな、アンカラの人たちは。
|