「My screen」 窓のくもりガラスにうかぶ影 死んだ人のすがた 果たされなかったあこがれの残りかす 欲望の破片 愛のうつろな変形 子供の練習曲のような あじけない時間のなかのほのめき 冬の日だまりの一輪の花の輝き ひとの声やじぶんの声の記憶のなかの断片 こころの動きがかたちをとろうともがいているけはい あるいは降りかかる雨 街路樹の単調なそよぎ
有働薫著『冬の集積』より 詩学社刊