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有働薫のQui est-ce, Madame?


前略 有働薫さま

返事が遅れて申し訳ありません。あまりにもこの小説の読み方が違いすぎて、わたし の理解を超えていると感じました。それは何故だろう、いったい何が違うんだという 思いでいっぱいです。

神、キリスト・・・。えっ?そうなんですか?と正直なところうろたえています。 わたしはかなり安直にこの『閉ざされた庭』を読み終えました。そして違和感も感じ ずに、作者の意図も読み取ったと思っていたのに、これこそ「紙の電撃」です。(プ リントしています)

わたしは勉強の嫌いな子どもでした。本はかなり読みましたが、すべて自己流。文学 部に進んだわけでもなく、文学とは?などと考えたこともありません。それは必然的 に知識の無さにつながり、教養の低さにもつながるのだと思います。

小説の中にちりばめられたエンターテイメント。一部の教養のある人たちだけが理解 できる仕掛け。そういうものがあるのかもしれないと、多少は頭をかすめたのですが、 無知ゆえに理解できずに通りすぎてしまったのかもしれません。

フランス文学であるなら、ベースになるものとして、キリストはやはり大きな存在な のでしょう。しかしながら、わたしにはその背景を読み取ることはできなかったとい うことです。単に若者が自立していく心の試練を書いた小説ということで終らず、さ らに踏み込まれるとお手上げです。お願い、あと10年、時間をくださいと言わなけれ ば、おそらく対等に話ができません。

でも、わたしは神様から選ばれた特別な少年の話だとしたら、つまらない小説だと思 います。どこにでもいる少年、自分と重なる少年だからこそ、初めて自立へのバイブ ルになり得る小説なのかなと思います。

同じ次元で話ができないということは、辛いことですね。ゴメンナサイ。

 
From Mariko
 




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