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「ノニャ料理って?

マラッカ海峡に面したシンガポールでは、様々な民族の料理が昧わえますが、シンガポール独特のものといえばノニャ料理(Nonya food)です。

ノニャ料理は、およそ400年以上もの歴史があります。マラッカ海峡に移り佳むようになった中国人がマレー系と中国系の料理を混合して、これに、インド、タイ、インドネシア風のものも加わって香りも味も中国のものとや異なる、独自の料理が生まれました。

マラッカ海峡付近に移り住むようになった中国人女性をノニャと呼んでいたので、それがそのまま料理の名前になったそうです。
ノニャは「マダム」というような意味のインドネシア語です。マレー人には、イスラム教徒が多く、豚を食べませんが、ノニャ料理には豚肉の料理もありました。

【サムバル】
ノニャ料理を教えてくれたのは、ホテルのノニャ料理専門店のコックさんです。
「ノニヤ料理は決して高級なものではなく、各家庭の台所から生みだされたもの」だと教えてくれました。お金持ちでも、貧しい人でも、いつもおいしい料理が食べられるということに特色があるといいのですが、その秘密は、「サムバル(sambal)」にあります。
サムバルは香辛料、香味野菜、そして発酵調味料を混合して作った一種の「和え衣」で、野菜や魚介類とあえて食べます。サムバルを上手に作リさえすれば、安い食材しか買えない人でも、十分おいしい食事ができるというのです。和え物自体をサムバルというときもあるようです。

ノニャ料理は、材料に合わせて多種多様なサムバルを使います。
香辛料の調合は重要な料理の手順になります。どの家庭の台所にもハーブ類をすり潰すための石製の擂り器が置いてあり、主婦たちは、朝のうちにその日に使う食材に含わせてサムバルを調合しておきます。サムバルはマレーシアやインドネシァでも作られますが、ノニャ料理のサムバルは、刺激が少ない比較的やわらかい風味のものです。それは、唐辛子をひかえめにして、味噌、醤油、蝦の醗酵ペーストやタマリンド(豆科の植物)の酸味を用いたりするからです。
また化学調味料(旨味調味料)もよく使います。旨味成分を糖みつ、デンプンなどを主原料として発酵法によって工業的に製造された化学調味料は、宗教的にブタや動物性の食材を避けている人にとっては、画期的な味の革命だったようです。

インドの混合香辛料のガラム・マサラ(カレー粉)も使われます。
シンガポールの裏町のインド人の市場では、何種類もの混合香辛料ペーストを、日本の味噌屋のように大きな容器にやま形に盛りつけて売っている香辛料屋さんを見かけました。客の好みに合わせて混合香辛料のペーストを作ってくってくれます。
コックさんがご馳走してくれたノニャ料理は、「米飯、スープ、ココナツミルク入りホワイトソースをかけたローストチキン、イカのサムバル和え、インゲンのサムバル和え、米粉とコナッッミルクの蒸しカステラ」でした。これに薬昧として、唐辛子とブラッカン(発酵蝦ペースト、カピ、蝦醤)、魚醤、ライムがそえてありました。これらはご飯にかけて食べるためのものです。

キャベツ、ニワトリの骨、豚の皮つき足などを煮こんで作ったスープには、少し酸味がつけてありましたが、酸っぱいスープは体の不要な脂肪をとりのぞいてくれると説明してくれました。そして食後に飲むと体によいからといって、干龍眼を煎じたものと、香辛料の入ったお茶を勧められました。




サムバルの基本

トウガラシ、バウン・メラ(シャロット、小タマネギ )、レモングラス(レモンの香りをもつイネ科の植物)、ガランガー(ショウガに似ている)、ターメリック、大豆の醗酵ペースト、タマリンド(マメ科の植物)、トマトピューレ、塩、コショウ、化学調昧料などです。サムバルを美味しくつくることで、いつでも、客が何人来ても、ありあわせの材料で充分おいしいご馳走もできるのです。ご飯にかけるだけでもおいしく食べられるサムバルは経済的な万能薬昧とも言えます。

食べるときは、おかずを米飯と混ぜ含わせてから口に入れるため、料理人は各料理が混合された時の昧と香りのハーモニーを考えてサムバルを調合するのです。
ノニャ料理を上手に作れる人は、香りの名ブレンダーでもあるわけです。





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