VIVA ASOBIST

vol.07:相澤正夫
走る、走る!サッカーボールひとつ追いかけて...

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【プロフィール】
IT関連出版・コンテンツサービス会社常務

サッカーチーム「KIYOSE」:over40,
スーパーシニアのゼネラルマネージャー

vol.07_01.jpg 心と身体の一体感
シンプルな立ち位置


10月30日、10:10、キックオフ。元八王子・大柳グランドでサッカーの試合が始まった。

相澤正夫さんがゼネラルマネージャー&選手として率いるのは、スーパーシニアチーム「KIYOSE」。対戦相手は同じくスーパーシニア「TAMA」。いずれも東京・多摩シニアサッカー連盟に所属している。

「さー、勝ちに行くよ!!」
相澤さんがゲキを飛ばしてメンバーを送り出す。相澤さんは脇・肋骨と膝を痛めているので、とりあえず前半はベンチで様子見。場合によってはセカンドハーフから出場しようと思っている。
「50歳以上であること」が連盟のスーパーシニアへの参加資格規定。
vol.07_02.jpg リーグには現在元八王子、三鷹、青梅、昭島、国分寺、東久留米、西東京など、10のスーパーシニアチームが市単位で登録。毎年4月から6月の春の選手権・カップ戦と9月から翌2月までのリーグ戦で各チームが凌ぎをけずっている。

東京都清瀬市の代表チーム・「KIYOSE」には40歳以上が参加規定のシニアチーム・over40sと合せ45名が選手登録。シニア、スーパーシニアの両チームを相澤さんが束ねているというわけだ。

残念ながら本日はスーパーの最年長選手・68歳は欠席。昭和25年生まれの相澤さんが最年長ということになる。1回戦、対「TAMA」はフレンドリーマッチ・練習戦といえど、2回戦目のウォーミングアップと思えば「リキ」が入る。

ユニフォームを脱いだら皆、お腹のでっぱりが少なからず気になるフツウのオジサンなのだが、どうして審判の笛が鳴ったとたん、走るわ、走るわ。またまた、走る。「どこからそんな元気が出るの?」ぐらい元気。ボールを追いかける真剣な顔にはいずれも「サッカー大好き」がにじみ出ている。

25分ハーフで1時間の試合が終わると、選手たちは首といわず腕といわず、びっしょりの汗。アゴの先からも汗が滴り落ちる。「KIYOSE」は善戦するも2?0で敗戦。うーん、残念!

vol.07_03.jpg 高校生の時サッカー部を立ち上げた。30代から40代にかけては、息子らが小学生だったころには課外活動のサッカークラブの指導を買ってで、中学に進めば部活動のコーチを務めた。
40歳の時、こどもたちの練習を助けたり、試合の応援にかけつけるお父さんたちに声をかけて「お父さんチーム」を編成し都の大会に出場した。それが「KIYOSE」の誕生になった。つまり相澤さんは「KIYOSE」の生みの親、ということになる。
以来16年間、リーグとの連絡調整、チームのスケジュール管理やグランドの確保など「KIYOSE」の運営に携ってきた。

お昼休みをはさんで13:40に2回戦目、キックオフ。今度は相澤さんも背番号「9」で出場。
対戦相手は「AKIKAWA」。なかなかに手ごわい。シニアリーグでは「スライダータックル」「ショルダーチャージは禁止。「ノー・チャージ、ノー・ファール」が原則。そうしないと怪我人が出たりするからだ。
ところがリーグ本戦とあって両チームが熱くなる中、相手チームに厳しく禁止されているはずのチャージが続出。飛ばされて宙に体が舞い、まともに背中から落ちて腰を抑えながら1名戦線離脱。足を引きずってベンチに下がるを余儀なくされた選手1名、「KIYOSE」は2名の選手が負傷という痛手を負ってしまった。

「ちょっとこたえましたねー」

後で相澤さんから聞いた話によると、当該の審判は携帯すべき審判グッズ?さえ携えていなかった。当然出すべきイエローカードもレッドカードも、持ち合わせていなかったので出せなかったのだという。「ちゃんと有資格の審判だったのかなー」相澤さんは首をかしげる。

vol.07_04.jpg リーグ戦のような公式戦にはきちんと認定を受けたレフレーが審判に当たることになっている。地域戦では4級以上。都大会クラスでは3級以上の資格取得者と決められている。
東京都サッカー協会主催の研修会を受講した後、ペーパーテストと実地試験に合格で4級取得。3級を取得するには4級取得の上、地域に戻って実績を重ね、その報告書を提出するとともに体力テスト、ルール確認テストなどをクリアしなければならない。
しかも一度取得すればよいというのではなく、毎年更新のための試験に通らなけれなばならない。何を隠そう、相澤さんは3級の資格保持者なのだ。

2名の負傷者を出し、2試合目の前半で「体力を使い果たしちゃった」「もう足がブルブルしてダメ」の出場パスが2名アリで、肋骨と膝の故障がいまひとつの相澤さんだが、胸と膝にサポーターをつけてのフル出場となった。(上の写真はその雄姿)

vol.07_05.jpg 思い切り体を動かす、無心にボールを追いかける。「その現実感がたまらない」。
勝敗は二つに一つ。言い訳も理屈もはさむ余地はない。決められた空間の中でメンバーがうまくプレーできるために互いに気を配ることはあっても、居場所・守るべきポジションは明確だから、常に「立ち位置」がはっきりしている。「心と体の動きにずれのない一体感が気持ちがいい」。そのシンプルな心身の動きがサッカーの魅力なのだと相澤さん。

対AKIKAWA戦で背中から落ちた選手は腎臓を傷つけてしまい「当分安静」のドクターストップがかかったと後に報告があった。足を引きずってリタイヤした選手は「捻挫」だった。

「そんな大きな負傷をしてこりないんですか?」
「それが、こりないんですねー。みんなちゃんと戻ってくるんです」

相澤さんもそうだが、肋骨を折ったり膝を痛めたりしても、少しよくなるともう、プレイしたくてウズウズ。一旦その魅力に取り付かれると、そうは抜けられないのだと言う。

一進一退の攻防の末、3対2でKIYOSEは敗戦。闘い終わって日が暮れて。最後の試合に出場した両チームメンバー全員でグランド整備をして帰るのが決まり。

「残念だったけど、いい試合ができました」

額の汗をぬぐいながら笑顔になる。

vol.07_06.jpg あらーっ?!これから一旦家に帰って車を置いて、地元のどこそこで「残念会」。その算段はもう前以て決めてあるようですよ。

シンプルな心身の動きで日ごろのモヤモヤを思い切り吹き飛ばした後。きっとビールのお味もシンプルで心地よい美酒となることだろう。

スーパーシニア「KIYOSE」チームの選手面々。
どうして、チャーミングでステキなオジサンたち。
見ているほうも元気がもらえるようだった。











読み物 VIVA ASOBIST   記:  2005 / 08 / 01

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