VIVA ASOBIST

vol.17:柴田勝憲
夢は軽トラ全国行脚。旅は「蜂つれ」花を求め。

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【プロフィール】
会社員
養蜂家

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埼玉県越谷市。いかにもだだっ広い関東平野を思わせる、見渡す限り広がる田畑の真ん中にポツンと梅の木に周りを囲まれた畑がある。養蜂家・柴田勝憲さんの畑だ。
vol.17_01.jpg 畑の土手が一面、ホトケノザやオオイヌフグリの草花ジュウタンを敷き詰めたよう。ちらほらとほころんできた梅花があたりに香りを漂わせる頃、柴田さんの「蜂」たちもにわかに動きが活発になり始める。
なぜ養蜂?と尋ねると「さあ、暇だったから」
いまだにお国なまりのぬけないシャイな柴田さんが言う。
生まれ故郷青森県から埼玉県に移り住んで18年にもなるだろうか。水道工事などを請け負う会社の社員として黙々と働いてきた。
移り住んできて間もないある日、柴田さんはものすごい形相で帰宅した。奥さんの明子さん曰く「顔の形が変わるくらい」。
「蜂に刺されたんだー」
明子さんは、なんかおかしい?!とは思いつつ、その時は「ふーん???」ですませた。しばらくして忘れた頃、また「ボコボコ」で帰ってきた。言い訳の歯切れがしごく悪い。「ははーん、なんかやらかしてるな」とは思ったがもう少し泳がしておく。
3回目にはさすがの明子さんも黙ってはいなかった。ギューッと絞る。
「蜂、飼ってんだー」「???!!!」
すでにその時点で柴田さんの蜂箱は数箱になっていた。
水道工事の仕事は天候次第。雨が降れば当然ながらOFFになる。そういう時柴田さんは家にいても窮屈なので、しばしば近くの江戸川の土手を何思うでもなく歩いた。ある時、雨に濡れそぼる土手っぺりにズラリと並んでいる蜂箱を見かけた柴田さんは持ち主らしき人になんの気なしに声をかけた。
「それ、ひとつ譲ってもらえるだろうか」
「いいよ、置くとこあるんなら」
子どもが縁日で綿あめか水ヨウヨウでも買うように、柴田さんは蜂箱を一つ、買ってしまった。「それをどうする」見通しもさしてないのに、しかも7万円という大枚をはたいてである。

vol.17_02.jpg さあ、それからが大変。蜂箱を譲ってくれた元の持ち主を師匠に柴田勝憲「日曜養蜂奮闘記」のはじまりである。
「一日見ていても退屈しないしなあ」「可愛がってさ、蜂が集めてきた蜜をしぼらないでいればさ、働き蜂がどんどん増えていくのさ」愛情を傾けて手をかければ、それだけ答えが返ってくる。
もともと農業など自然相手の仕事に憧れていたこともあり、柴田さんの原風景のどこかに故郷青森の自然や養蜂の有様が写りこんでいたのかもしれない。養蜂について勉強・研究したり、自分なりに考えついた方法をためしてみたり、夢中になって養蜂に取り組むうちに、気がつけば18年が過ぎ、元来皮膚が弱いはずだったのが、一つ二つ蜂に刺されても腫れもしなくなった。
vol.17_03.jpg 今では蜂箱は分蜂を重ねて95箱に増えた。こつこつと積み上げてきた柴田さん独自の製法によるハチミツは類まれな高純度・高品質なことでその道の研究家、問屋筋や養蜂家仲間などの間ではちょっと知られてもいる。
vol.17_04.jpg 休みのたびに蜂を連れてクローバーの花ジュウタンや菜の花・ラベンダー畑、近くの梨園へ採蜜にでかける。5月には蜂箱を軽トラックに積んでリンゴの花の最盛期を迎える弘前へ行く。6月はアカシア、その次はトチ。
柴田さんはいずれ水道工事の仕事を辞めてしまって、蜂箱と一緒に季節季節の花を求めて全国を回りたいと思っている。











読み物 VIVA ASOBIST   記:  2006 / 06 / 01

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