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映画『ベクシル─2077日本鎖国─』監督インタビュー

8/1にスイスで行われたロカルノ国際映画祭でオープニング上映され、既に世界75ヶ国での公開が決まっている『ベクシル─2077日本鎖国─』。3Dライブアニメという最先端の映像表現で、ヨーロッパ最大の野外シアターに集まった面々の度肝を抜き、世界にベクシル旋風を巻き起こしたことでも話題となった。そんな本作を熱い情熱で牽引した曽利文彦監督が、作品への思いを語る。

映画『ベクシル─2077日本鎖国─』メイン画像

Q: 日本が鎖国してしまうという特殊な設定ですね。

監督: ハリウッド映画では、主人公のアメリカ人が日本にやってくる作品はありますよね。でも日本人の目から見ると少し違和感があったりするんですね。だから逆に、外国人が主人公で日本にやってくるという作品を日本人が作るという逆のスタイルをやってみたかったんです。世界中の人たちに見ていただきたいので。
ハリウッド作品の多くは、「アメリカがイチバンです」っていう作品ですよね。だから、自分自身も日本バンザイのコンテンツを作ってみたかったんです。ただ、日本人は自分で自分のことを「日本最強です」とは言わないだろうと。日本人の美徳って、自国が最強だと誇るのではなく、奥ゆかしさや恥の文化、謙虚さ、優しさ、自己犠牲とか…それが国民性だと思うんです。俺が俺が、という感じで作るのではなく、無国籍間のなかで日本が際立つという作りのほうが面白いですし。


Q: 約70年後という、割と近い未来が舞台ですが。

監督: 60年後は自分が生きていられるギリギリの際だな、と思って。自分で見れるかもしれないところは自分で確かめられるから、自分がいないかもしれない2067年(70年後)から話をスタートさせたんです。
自分が子どもの頃の30年後の未来っていうと、車が空を飛んでたりして(笑)、とんでもない時代がくるだろうみたいな。たかだか30年でそんなことが起こるわけもないのに、そう思ってる人が結構いたかもしれない。でも今の時代ってテクノロジーの頭打ちもありますし、70年後って予測できない未来ではない。そこがすごくリアリティがある。すごく変わっていくだろうというものと、あまり変わらないだろうというものの予測がある程度つくんですね。それにのっとってデザインをしていったりというのはありました。


Q: 主要キャラクター3人のうち2人が女性ということで、女性の存在がクローズアップされている印象を受けたのですが。

監督: 男性が作る女性主人公って美化しちゃうので、女性がものすごく強いって部分を前面に打ちだしてますね。女性から見ると少し違うのかもしれませんが、男性から見た女性の強さとかドライなところはベクシルにこめましたね。逆にレオンというキャラクターは自分にとって生々しい存在だったりするんです。外見は非常に屈強で力強いんですが、内面は脆くてナイーブで優柔不断だったりする。その象徴がレオンですね。自分はジェームズ・キャメロン(『タイタニック』で監督はCGアニメーターとして参加)の影響が強いんですね。『ターミネーター』『エイリアン2』では強い女性が主人公。身体能力的には女性はか弱いけれど、内面的には強いというのが、映画のモチーフとしてすごく面白いですね。


Q: 本作製作のきっかけをお教えください。

監督: 『アップルシード』という映画をプロデュースしたとき、3Dライブアニメというものを推し進めていこうと思ったんです。南カリフォルニア大学(USC)の映画学科にいたときに、日本のアニメをCGで描くというのが自分の研究テーマでしたし。日本に帰ってきて、それを推し進めて継承していくために、自分で監督をして作りたかったんです。そのためのベストなストーリーというのが本作なんです。



 ・監督・脚本:曽利文彦
 ・声の出演:黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子
 ・公開:8月18日(土)全国ロードショー
 ・公式サイト http://www.vexille.jp/
 ・配給:松竹
 ・ジャンル:邦画

(c)2007「ベクシル」製作委員会
記:林田久美子2007/07/13

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