大阪三大商店街と呼ばれる巨大商店街がある。「千林商店街」(大阪市旭区)、「天神橋筋商店街」(同・北区)、「駒川商店街「(同・東住吉区)は、その規模や店舗数はもちろん、溢れんばかりのパワーでも群を抜いている。
商店街は全国どこにでもある。しかし大型店舗を構える量販店や大手スーパーの進出、あるいは後継ぎがいないなどの理由で廃業する店舗が相次ぎ、とかく「元気がない」といわれる商店街が多い中、この三大商店街はますます元気で衰えを知らない。


私が知る限り、商店街というものはほぼ一直線に伸びているスタイルが一般的だ。しかし千林商店街は、右へ左へゆるやかに蛇行している。通路はアーケードでしっかり覆われているので、長大な店舗の中を歩いているような錯覚を覚える。あっちこっちの店先では、お客さんと店員がやり取りする声が響く。これこそが大手スーパーや量販店にはない対面販売ならではの光景だろう。
千林にはかつて商店街に隣接して大手スーパーが出店していた。安売り競争になれば組織力にモノを言わせたスーパーに軍配が上がるものと思われたが、生き残ったのは商店街だった。スーパーはやがて業績不振で撤退したという。
そんな元気いっぱいの千林商店街では、全国でも珍しいオリジナルのテーマソング(唄・デュークエイセス)があって、商店街を歩いていると突如として大音量で流れ出す。アーケードじゅうに響く軽快なリズムに合わせて、おばちゃんたちの買い物のリズムも軽快になる。京阪電車「千林」駅の改札を抜けたら、いきなり商店街に出ることができるのが便利だ。


天神橋商店街は江戸時代に日本の物流で重要な地位にあった「天満青物市場」を起源とし、大阪天満宮の参道に店が集まって次第に発達し現在の姿になった。名前が示すとおり天神橋を起点に北へ延びる商店街で、三大商店街のうち最長の全長2.6Kmにおよぶ。この長さは全国一でもある。
天神橋筋1丁目から7丁目まで地名にならって「一番街(1丁目)」「二番街(2丁目)」と呼ばれ、天神橋筋に並行して延びている。店舗数はじつに600を超えるといわれていて、古書店・雑貨屋・洋品店・お好み焼き屋など下町の風情が昔の面影を残している。通路の幅が広く、クルマが楽々とすれ違うことができるほどの余裕がある。もっとも商店街の中にクルマは走っていないのでご安心を。夏の天神祭では多くの人出で賑わう日本一の商店街だ。


一口に「駒川商店街」と呼ばれるが、じつは11の商店会が連なって構成されている。東西200m、南北750mというから三大商店街の中では全長が最も短い。地下鉄「駒川中野」駅がある北側の入り口に立つと、一直線に南側の入口まで見通せるほどだ。駒川商店街の公式ホームページによると、総店舗数は201ということだから、規模でいえば天神橋の3分の1。しかし空き店舗がほとんど見当たらず、業種も多岐にわたる。庶民派の活気溢れる商店街という点では、三大商店街の名に恥じないパワーを誇る。
かつて駒川商店街を北と南から挟むように大手スーパーが出店していた。しかし千林と同じく商店街のパワーが圧倒し、大手スーパーは相次いで撤退して行った。競合する地域には、脅威となるような大手スーパーは見当たらない。
北側に地下鉄谷町線「駒川中野」駅、南側に近鉄南大阪線「針中野駅」があり、交通の便がすこぶる良い。毎年夏には、年ごとにテーマを決めて「駒川まつり」が2夜にわたって行われる。いつもの商店街とは一味も二味も違う商店街を楽しめるイベントで、5万人もの人出で賑わう。いまや地域を代表する夏の風物詩として定着し、楽しみにしている人も多いという。
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