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何によって春の空気を感じるかは人それぞれであります。ぼくの場合は、ある奇祭に出陣する御輿を見ることで、春の空気を感じています。今回は、その奇祭、4月の第1週日曜に神奈川県川崎市の金山神社で行われる「かなまら祭り」を紹介します。
一体どんな奇祭なのか? 文章で説明するよりは写真を見ていただいたほうが早いと思います。「見ての通りの神輿」が町内を練り歩く祭りなのです。
男性器を象った御輿を担ぐ性祭は、「かなまら祭り」の他に、名古屋の小牧市で行われる「豊年祭」(3月15日)、新潟県板尾市で行われる「ほだれ祭り」(3月の第2日曜日)などがありますが、あまり広くは知られていませんし、ぼく自身が「かなまら祭り」の存在を知ったのは2002年頃。同年3月15日に「豊年祭」を見に行った直後のことでした。
一昨年、チェコに留学していた友人が現地の新聞で「かなまら祭り」の記事を見たと教えてくれました。国内では知られることのないわりに、遠い中欧でも紹介されるという知名度の落差には不思議なモノがあります。
紹介してきた3つの性祭は異なった特色があり、「豊年祭」では巫女さんが小型の御神体を抱えて町内を歩き、「ほだれ祭り」では初嫁たちが「初夜!初夜!」というかけ声が飛び交う中、男たちが担ぎ上げる御輿に跨ります。そして「かなまら祭り」では、女装した担ぎ手たちが「エリザベス御輿」と呼ばれるピンク色の御輿を「でっかいまら!かなまら!」のかけ声と共に担ぎ上げるのです。

祭りの主役である御輿は、船を象った「紀伊国屋御輿」、小振りな「かなまら御輿」、「エリザベス御輿」の三体。御霊入れの儀式を終えてから神社の鳥居に向かい、御輿についての説明と共に始まる恒例の実況を背に、町へ繰り出します。
「この黒い、勇ましい男根が…今、鳥居をくぐりました」というような熱い調子の実況は、「かなまら祭り」の見所のひとつであり、奇祭がエキサイティングする瞬間でもあります。
撮影した映像を見返すと、「紀伊国屋御輿」が鳥居をくぐり終えた瞬間、「でちゃったー!」という歓声が上がっていました。
テーマが「春」であるのに、「何故にかなまら祭り?」という疑問が出るかもしれませんが、開催日に着目です。
「かなまら祭り」は4月、それも第1週に開催されるため、年度によっては桜が満開になる時期に開催されることがあります。一昨年や去年は、まさに満開の時期に行われました。
神社の境内には沢山の桜が咲き、舞い散る花びらを背景に神輿が鳥居をくぐる様は「SF(少し不思議)」であり、その幻想的な光景には強く心を躍らされます。来年の早春は、そんな光景を見ながら春を感じてみませんか?
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記:鈴木真吾
特集:春待ちのころ…
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