記事年月日 |
2007/10/12 |
作者名 |
奥田英朗 |
ジャンル |
小説 |
出版 |
講談社文庫 |
|
独特な読後感。
読み出し、チョイ面倒っちかったりもする。
特異な雰囲気になじんだころには、先を急いで読みたくなっている。
ひどい便秘が解消されるまでのイキサツ。言えば尾篭な話に、なんということか作者は心理療法の過程を被せ、スピリチュアルなフィールドを絵解きしてみせる。
心理療法の過程を物語りに仕立てた作品が、ともすれば傾きがちな薬臭さやジメッとしたムードは、これっぽちもない。
それどころか、物語にファンタジーを与えるためのお膳立てとしての役割を担わせるという離れ業!
ふと気にかかる表題の意味がすっかり解き明かされるころには、気にかかっていたことが「どうでもよくなっている」。つまり、ひっくるめて感じ取る態勢に知らずといるのだ。
読み終えて気づく。
読み進めていくことで主題になっているセラピーに誘導され、作中のセラピーが終了すると同時に読み手にもヒーリングが与えられている。
読むと身体が軽くなるという不思議な作品。
「ウランバーナ」はサンスクリット語なんだとか…
便秘症でない人も必読!!!
|