うららの愛Camera

ライカM9(二子玉川店特別限定モデル)
レンズはSummilux-M 35mm F1.4 ASPHERICALとNoctilux-Mを2本
写真家・稲垣雅彦

2012 / 10 / 10

urara121009_01.jpg今回は「Gallery EM」にて、第1回写真展「SURF AND BEACH」開催中の稲垣雅彦さんにライカM9とライカレンズの魅力についてお話をうかがいました。

うらら:カメラとの出会いを教えてください!
稲垣:3年前になりますが、デジタルカメラでライカM8に続いてM9が発売された時に、ライカ二子玉川店特別限定モデルを購入しました。通常のM9との違いは、軍艦部のロゴマークが赤ではなく黒ということと、貼り革部分がリザード革になっているところです。10台限定でした。そういえば、先日、ライカMの発表がありましたね。
うらら:街に貼ってあるライカのポスターを見かけました。
稲垣:ライカM9の凄さは、3年前(2009年9月)に、この大きさのボディの中にフルサイズセンサーが、すでに搭載されていたことです。他社のフルサイズセンサー搭載カメラのボディサイズと比べるとよくわかります。そして、私がこのカメラに惚れたいちばんの特長はコダックのCCDを使用していることです。昔からコダクロームなど、コダックのフィルムを使っていたので、コダックのCCDを通して撮影をするだけで私のイメージを膨らませてくれます。
うらら:質感が違いますか?
稲垣:質感は他のカメラとは、まったく違いますね。遠近感など、奥行きというか立体感があります。もうひとつが、ローパスフィルター(モアレを防ぐために細かい模様をぼかすフィルター)がないことですね。
うらら:ローパスフィルターですか……。
稲垣:今年、ニコンからD800Eがローパスフィルターがないタイプとして登場しましたね。フィルターがないので、画質がシャープになる反面、ジャギーが出やすくなるというリスクもあります。しかし、素晴らしい画質が得られることも確かです。

urara121009_02.jpgうらら:その他の魅力は?
稲垣:M7以前のフィルム時代のレンズが使えることも魅力ですね。50年前のレンズも楽しむことができます。また、オート機能はなく、ほとんどが単焦点のレンズであり、AF(オートフォーカス)やAE(自動露出)など、カメラが考える写真ではなく、自分の意志で意図した撮影ができる道具としてのカメラだということです。
うらら:この巻き上げレバーは?(下写真参照)
稲垣:M9はデジタルカメラなので巻き上げレバーは、本来ついてないんですけど、撮影する時にブレないよう後から付けました。サードパーティー製品として購入できます。

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ライカMデジタルシリーズ用に開発された巻上げレバー型のグリップ
うらら:お気に入りのレンズを教えてください!
稲垣:ズミルックスのセカンドモデルです。(Summilux-M 35mm F1.4 ASPHERICAL)これが、ズミルックス第2世代前期の匠の職人が手で磨いたといわれるレンズ。次の世代のレンズは表記がASPH.となっていますけど、フルネームでASPHERICALと書かれているものが手磨き非球面といわれているモデルです。このレンズをオーバーホールにだしている時にサードモデルのレンズを使いましたが、やはり描写が違いました。セカンドモデルの方が柔らかい描写になります。6年前に購入しましたが、今では入手不可能な絶滅危惧種レンズといってもいいでしょう。今ではかなり高額で取引されているようです。
本体は消耗品ですが、レンズは資産になります。レンズは新しい機種が出ても使えますから。

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Summilux-M 35mm F1.4 ASPHERICAL(左)Noctilux-M 50mm F1.2(右)
うらら:その他のレンズは?
稲垣:Noctilux-M 50mm f1.2です。世界初の非球面採用の写真撮影用レンズとして発売されました。レンズ構成は4群6枚のガウスタイプ。ノクチルックスは「夜」を意味するラテン語系の接頭語であるNoctiとラテン語のLux「光」を掛け合わせたと言われています。モノクロバライタで焼いた時の写りは最高です。当時としてはこの明るさのレンズは驚異的だったようです。その後、f1.0が登場して、3年前にNoctilux-M 50mm f0.95が登場します。今回のもう一本がこのf0.95のレンズですが、このF値を0.5明るくするために50年近くかかっています。ライカは良質なガラスブロックを持っており、その中からさらに上質なものがNoctiluxに使用されるようです。発売当時4〜5本しか入ってこなかった中の1本です。この初期ロットのものは、その後製造工程が変わり大変貴重だといわれています。私のNoctilux-M 50mm F1.2は1967年に発売されたレンズですが、レンズにキズもなくコーティングも綺麗な状態で残っていることにロマンを感じます。
うらら:生まれてないです〜。
稲垣:基本的にデジタルの時代に開発されたレンズはデジタルで、アナログはアナログでと思っていますが、このASPHERICALのレンズはM9と相性が良いです。また、Noctilux-M 50mm F1.2は、本来、デジタルには合わないですが、DGSM(デジタルゼラチンシルバーモノクロプリント=「SURF AND BEACH」は、この方法でプリント)の場合はカラーをモノクロに変換してプリントするので、その方法だと柔らかくとても良い感じに仕上がります。Noctilux-M 50mm f0.95は、開放で撮影した方が良いと思われていますけど、F5.6〜F8に絞ってもとても良いですね。ただ、重いのが難点です。

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Noctilux-M 50mm f0.95(左)
うらら:ガラスの塊ですからね。本当に重たいレンズですね!
稲垣:明るいレンズなので、昼間は使いづらいです。だから、夜のレンズといわれています。夕方から陽が落ちはじめたころに、しっとりとした感じの写真が撮れます。
うらら:最後にひとことお願いします。
稲垣:ミクシィでM8のコミュを立ち上げてから、プロのカメラマンさんも含め、たくさんの方々とのかけがえのない出会いがありました。その中で、写真家の田村彰英氏のもとで修行。共に東京銀塩写真クラブを立ち上げました。今年の初めに卒業させていただき、気の合う写真&カメラ仲間と東京フォトソサイエティを立ち上げ楽しく活動しています。永嶋勝美氏のDGSMのワークショップの参加を経て、写真集「SURF AND BEACH」の上梓、今回の写真展、そして発売予定の電子書籍へとつながっています。また「LeicaとコダクロームとM9と」というブログでカメラと写真について書いています。ライカのM8、M9にこだわらず幅広い方々に見ていただけるブログに育ってきたことが、とても嬉しいですね。

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バニアンストリート
LeicaM9 Digital Camera Leica Noctilux-M 50mm f0.95
 

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シンガー
LeicaM9 Digital Camera Leica Noctilux-M 50mm f0.95 1/350 F2.8 ISO160

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Ferrari
LeicaM8 Digital Camera Leica Noctilux-M 50mm f0.95 1/180 ISO640


urara121009_12.jpgプロフィール
AAA CORPORATION 所属
写真家 稲垣雅彦
東京生まれ
HP:http://www.leica-m-digital.com/photo/index.html

TOKYO PHOTO SOCIETYにて活動中
2012年6月東京国際ブックフェアに写真集
「SURF AND BEACH」を出展
2012年7月
「SURF AND BEACH」を上梓

IMA ONLINE
http://imaonline.jp/ud/photobook/501613096a8d1e5cd9000003
2012年9月
Gallery EM nishiazabuにてDGSM Printによる世界初の個展
個展情報
http://imaonline.jp/ud/exhibition/5019f6d86a8d1e19b2000001

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