シネマピア

ゲド戦記

20070713153517picm.jpg「心を何にたとえよう」---印象的なフレーズだ。主題歌を歌う手嶌葵の歌声は、まるで私たちの心の穢れを取り払うかのように染み渡る。
均衡が壊れつつある世界、アースシーを旅する大賢人ハイタカ(ゲド)は、「影」に追われるアレン王子の窮地を救う。アレンもまた、災いの力に脅かされていた。そんななか、アレンは顔に火傷の跡のある少女、テルーと出会う。

監督を務めるのは宮崎吾郎。父はご存知、スタジオジブリの宮崎駿だ。吾郎にとって、これが初の監督作品になる。ル=グウィン原作の小説をもとに製作された本作で、吾郎はその手腕をいかんなく発揮させ、「内なる影との戦い」を描き出した。安定したジブリ節は健在で、ジェットコースターのような映像の動きにも目を見張るものがある。特に、人が変わったようなアレンの表情は狂気に満ちており、現代の異常な犯罪事件を起こしてしまう若者たちの、心の暗部を垣間見るかのようだ。

主題歌の作詞も吾郎の手によるものである。「心を何にたとえよう/空を舞うような悲しさを」と、全編に渡って“悲しみ”が支配している。ありきたりのメッセージソングやプラス思考の応援ソングと違い、人間がこの世で生きていくうえでどうしても生じてくる“悲しみ”というものを淡々と綴っている。プロデューサーから吾郎に渡された作詞の参考資料は、萩原朔太郎の詩『こころ』。「こころをばなににたとへん/こころはあぢさゐの花/ももいろに咲く日はあれど/うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて。」との萩原の詩に、オマージュとして見事に昇華された作品である。

手嶌の歌声がまたいい。決して飾ることなく、奇をてらわず、牧歌的な要素を携えたその声は、大地の香りをも連想させる、なんともふくよかなものだ。外面ばかりを気にし、チャラチャラとヒットチャートを賑わす浮かれたアーティスト気取りの歌姫もどきよりも、ずっとずっと私たちの心の内面に響いてくる。

原作:アーシュラ・K・ル=グウィン
監督:宮崎吾郎
脚本:宮崎吾郎
出演:岡田准一/手嶌葵/田中裕子
ジャンル:邦画
公式サイト:http://www.ghibli.jp/ged/















エンタメ シネマピア   記:  2006 / 07 / 23

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