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愛と死の間(はざま)で

いい映画というものは、特別に凝ったシチュエーションでなくても、派手なアクションなどなくても、多少ストーリー展開に無理があっても、たとえわかりにくい脚本であっても、荒削りで強引な演出であっても、役者の“演技”だけで充分に楽しめるものだ。いい演奏が心に響いてくるように、いい演技はそれだけで人を感動させるのだ。

主演のアンディ・ラウは、そうした力を確実に持った俳優である。『インファナル・アフェア』、『LOVERS』などの話題作への出演でその人気を不動のものとし、名だたる賞も数多く受賞している香港出身の世界的俳優である。また本作の主題歌も彼の歌唱によるもので、香港のポップス界を牽引する「香港四大天王」の一人としても位置づけられている。

アンディ・ラウ演じる外科医は、妻とのデートの約束もたびたび反故にするほどの多忙な日々をおくっていたが、ある日、その最愛の妻を交通事故で亡くしてしまう。打ちひしがれる彼だったが、彼女の心臓が別の人間の体内で息づいていることを知ることとなる。

ドナーカード(臓器提供意思表示カード)というものを私は持っていない。もし持っていたとしたら、迷わずにここに○印をつけるだろうーーー「3.私は臓器を提供しません」。脳死状態で臓器を取り出す手術を行うとき、死んでいるはずの提供者の目から涙がこぼれるのだという。脳死が本当に人の死なのかどうか確定されてもいないのに…殴られただけでも痛いのに、それ以上の痛み…メスを入れられて激痛を覚える可能性がある断末魔的状況に、自分も他人も置きたくはない。異なる生体組織に対して拒否反応が出るのは、二つと同じものがない生命体特有の“個性”を我々が持っているからであり、他人の体に割り込んでまで自分の分身を生かしておきたくはない。それに、たとえどんなにこの映画が感動的であったとしても、私は愛する人たちに自分の死を二度も味わってもらいたくはないのだ。

愛と死の間(はざま)で スペシャル・コクレターズ・エディション(DVD)
監督:ダニエル・ユー
出演:アンディ・ラウ/チャーリー・ヤン/シャーリーン・チョイ
ジャンル:洋画















エンタメ シネマピア   記:  2006 / 07 / 31

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