シネマピア

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生

5pkiseki_001.jpg 5パーセントの視力しかない青年が、「5ツ星ホテルで働きたい」との夢を叶えるために一世一代の大芝居を打つ……実話をもとに、青年自身が書き上げた原作により映画化されたこのハートフルな感動作は、本国ドイツで記録的大ヒット! 果たして青年は、無事に夢を叶えることができるのか?!

網膜剥離により、視力の95パーセントを失った青年、通称サリー。だが、幼いころからのホテルマンへの夢を捨てきれず、来る日も来る日も一流ホテルへ願書を送り続ける日々。もちろん、視力に問題のある彼を雇うホテルはない。「諦めろ」と父も母も反対するなか、サリーが取った行動とは……。

最初は小さな嘘がだんだんと大きくなり、転がり続けて雪だるまのように膨れ上がって自らも周囲も巻き込んで悲惨な運命を辿る物語といえば『太陽がいっぱい』『リプリー』が有名だ。そもそも私たち人類は「嘘をついてはいけない」と幼少期から教え込まれて大きくなってきた。嘘の結果がどうであれ、嘘をつくという行為自体が善悪でいうなら悪なのだ。だから、それらの作品の悲惨な結末は当然といえば当然の話だ。

5pkiseki_002.jpg だが同じ嘘でも、本作の嘘は結果的に本人も周囲も幸福にしてしまう。嘘をつくという行為だけを取ってみれば悪なのだが、それが最終的には善をもたらしてしまう。その結論に至るまでにはサリーの血がにじむような努力があるからなのだが、それにしても、だ。仮にサリーがバカ真面目に本当のことしか言わない人生を生きていたとしたら、この幸せは訪れなかっただろう。誰にも迷惑をかけないのは良いことだ。確かにそのとおりだ。だがそのかわり、誰にも大きな幸福をもたらさず、もちろん自身も小さく縮こまった人生を送るにとどまっただろう。果たしてそれは、本当に「良い」ことだったのだろうか? 小善と大善、どちらを取るのか? 他人の人生を左右する局面でその問いに答えなければいけないのなら、もちろん、他人を傷つけずに誠実に生きる選択をすべきだろう。だが、自分の人生なら? それが自分の人生そのものともいえる夢に関わることだとしたら? そしてその夢がただの夢物語でなく、自分自身が確かな才能を持ち合わせているのだとしたら? 他人に1ミリたりとも迷惑をかけないために夢を諦める……それは本当に「良い」ことなのだろうか? それは本当に自分の人生なのだろうか? 自分が主役の人生といえるのだろうか?

シリアスな題材ながら、全編でちょうどいい塩梅でコミカルさをまぶしてある本作。随所随所でユーモアを交えながら、大切なことを問いかけてくる本作。鑑賞後の温かな爽やかな気持ちとともに、人生というものを深く考えさせられる逸品だ。

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原作:MEIN BLIND DATE MIT DEM LEBEN(サリヤ・カハヴァッテ著)
監督:マルク・ローテムント(『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々』)
脚本: オリヴァー・ツィーゲンバルク
出演:コスティア・ウルマン、ヤコブ・マッチェンツ、アンナ・マリア・ミューエ、ヨハン・フォン・ビューロー、ニラム・ファルーク、アレクサンダー・ヘルト(『シンドラーのリスト』、『ヒトラー〜最期の12日間〜』)、キダ・コドル・ラマダン(『アウトサイダー』、『スリーブラザーズ&ベビー』)
配給:キノフィルムズ/木下グループ
公式HP:5p-kiseki.com
公開:2018年1月13日(土)、新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほかにてロードショー

© ZIEGLER FILM GMBH & CO. KG, SEVENPICTURES FILM GMBH, STUDIOCANAL FILM GMBH
 














エンタメ シネマピア   記:  2018 / 01 / 04

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