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テルマ

thelma_001b.jpg 少女の身に起こる、不可解な現象。一体、少女は何者なのか......。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の監督、ラース・フォン・トリアーの甥であるヨアキム・トリアー監督による、悲しくも美しく、そして神々しい北欧ホラー。アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の外国語映画賞のノルウェー代表作品に選出されたほか、トロント国際映画祭等の映画祭や各賞への多くのノミネート、受賞などを果たした話題作。

生まれ育ったノルウェーの田舎町から、ノルウェーの首都、オスロの大学へ通うために1人暮らしを始めた少女、テルマ。敬虔で厳格なクリスチャンの両親のもとに育ったテルマの目には、都会での生活すべてが新鮮に映っていた。毎日のようにかかってくる両親からの近況伺いの電話が煩わしいながらも、充実した大学生活を送るテルマだったが、ある日、テルマの体に異変が起きる......。

thelma_002b.jpg 抑圧されたリビドーにより、形を変えて噴出する超常現象の数々。同ジャンルとしては『キャリー』(1976)がその金字塔だが、その歴史的名作にも引けを取らないオリジナリティと存在感を見せつけてくれるのが本作だ。現に、アメリカでのリメイク(監督は『ラースと、その彼女』クレイグ・ギレスピー)が早くも決定するなど、その確かな作品力が着実に認められている。

聖書のメタファーを散りばめた、数々の印象的な伏線。沈黙で彩られた、壮大かつ荘厳な映像シーン。台詞ですべてを語らせることなく、表情や仕草や大胆なカットワークが雄弁に登場人物の心情を物語る。監督のヨアキム・トリアーは、ラース・フォン・トリアーの系譜を血縁的にも精神的にも確実に受け継いだと断言できるだろう。

神の御名に背くことがあるまいと、必死に娘を押さえつける両親。両親を愛していながらも、自らを統御できずにいる思春期の娘。だが、時代は変わる。神の意志の解釈もまた、変わる。当時の神の言葉が、一字一句違えることなく現代に適用されるわけではない。神の意志を守るはずだった行動が神の意志に背き、神を否定したかのような行動が結果的には神の意志を体現する。それはテルマだけではなく、我々にも当てはまることがあるのではないか? こうした逆説的な示唆を含め、それぞれのシーンが意図するところを鑑賞後に余すところなく答え合わせしたくなる、印象的な作品。観終わってからゆうに1週間は、その意味を反芻し、自らに問い、味わい返せる深い深い作品だ。

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監督:ヨアキム・トリアー
脚本:エスキル・フォクト、ヨアキム・トリアー
出演:エイリ・ハーボー、カヤ・ウィルキンス、ヘンリク・ラファエルソン、エレン・ドリト・ピーターセン
配給: ギャガ・プラス
公開: 10月20日(土)YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
公式HP:http://gaga.ne.jp/thelma

©PaalAudestad/Motlys
 














エンタメ シネマピア   記:  2018 / 10 / 18

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