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【映画レビュー】グリーンランド ー地球最後の2日間ー

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世界崩壊まであと2日!? 巨大隕石が地球を襲う! その時、ひとりの人間に何ができるのか……? コロナの影響により、本国アメリカでは劇場公開は叶わず配信公開となったが、それ以外の世界28ヶ国で軒並み初登場No.1を記録。『エンド・オブ・ホワイトハウス』を始めとする「エンド・オブ」シリーズ、『300 スリーハンドレッド』、『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラーが製作にも携わり、ひとりの無名な父親として未曾有の困難に立ち向かう。

建築技師のジョンは、妻のアリソンと1人息子のネイサンとともに、彗星群“クラーク”を見ることを楽しみにしていた。人類史上、最も地球に接近するというその彗星群は、地球の大気圏で燃え尽きて美しい天体ショーになるという。だが突然、ジョンのスマートフォンに見慣れぬ相手からの着信が鳴り響き……。

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トム・クルーズやブラッド・ピットほか、俳優業で成功したスター俳優たちの中には、映画出演のみならず出資という形で製作にも関わるようになるタイプがいる。本作主演のジェラルド・バトラーもそのひとりで、最近の出演作の多くは彼自身が製作者に名を連ねている。本作もそうだ。

だが、どの作品でもだいたい最後には勝利を収めるジェラルド・バトラーが主演だからと言って、一般人にも関わらず彼ひとり無双状態で隕石も何もかも打ち負かして地球を救うぞ〜! やったー! なSFアクション・ファンタジーには仕上がっていない。いつもの屈強なジェラルド・バトラーが目当ての人にとっては少し残念かもしれないが、本作での彼は少しお腹の出かかった、そこらへんにいくらでもいる普通の中年の父親だ。聖人でもヒーローでも何でもなく、なんなら人として少しダークなこともやらかしちゃっているオッサンだ。私は個人的には映画を観て何かしら裏切られたいタイプだが、その点、本作は軽々とその期待を裏切ってくれている。たとえ自分が出資していようが、自身を単なるヒーローの枠に収めることなく、どんな役であろうと進んでそこに身を置き、その役に徹する。彼こそまさしく俳優の鑑だろう。

設定は紛れもなくメテオ・ディザスターなのだが、その主眼はあくまでも人間の本質を描くことに終始している。リアリティにとことんこだわり、実際にこうした事態が起こった場合のディテールを、これでもかこれでもかとえぐり出していく。政府の対応や、極限状態でひとりひとりの人間が起こしてしまう言動や、普段、ツルンと何気ない顔をしているその下に隠れていた浅ましさをも。自分の命を賭してまでも他人を救おうとする名もなき英雄たちをも。そしてその逆の、人間の暗黒面をも。

人類全体にとっての困難という意味では、本作におけるディザスターも、我々が現在、実際に直面している新型コロナウイルスによるパンデミックも同義だ。現実のコロナ禍で体験している様々な出来事が、本作のシーンに重なる。隕石をコロナに置き換えて観るかのように、ただの絵空事ではない、あたかも実体験かのように本作が心に刺さってくる。まだまだ終焉の見えないこのコロナ禍において何か映画を観るとしたら、迷わず選んでいただきたい作品だ。

ちなみに私の座右の銘のひとつは「言ってみるもんだ」だが、本作ほどそれを再認識させられた映画もない。感染対策をバッチリ施した上で、ぜひ劇場の大画面でご覧いただきたい。

監督:リック・ローマン・ウォー(『エンド・オブ・ステイツ』、『ブラッド・スローン』、『オーバードライヴ』)
脚本:クリス・スパーリング(『リミット』、『追憶の森』)
出演:ジェラルド・バトラー、モリーナ・バッカリン(『デッドプール』、『デッドプール2』、TVシリーズ『HOMELAND』)、ロジャー・デイル・フロイド(ネット配信シリーズ『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』、『ドクター・スリープ』)、スコット・グレン(『ボーン・アルティメイタム』、『トレーニング デイ』、『羊たちの沈黙』)
配給:ポニーキャニオン
公開:6月4日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー
公式サイト:greenland-movie.jp 

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記:林田久美子  2021 / 05 / 07











エンタメ シネマピア   記:  2021 / 05 / 10

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