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【映画レビュー】神は見返りを求める

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「神は見返りを求め"ない"」のでは? 底辺YouTuberのOLと、彼女に密に思いを寄せ、動画制作を手伝うイベント会社員とのほのかなラブストーリー......のはずが?! 話題の映画・舞台・ドラマなどで名脇役として輝きを放つなか、昨年『マイ・ダディ』で映画初主演を果たしたムロツヨシが、本作で2作目の主演を果たす。また、底辺YouTuber役には映画『愛がなんだ』で主演を務めてその実力を業界に知らしめ、『やがて海へと届く』、『大河への道』、『ケイコ、目を澄ませて』と公開作品が相次ぐ岸井ゆきの。監督は『ヒメアノ〜ル』、『BLUE/ブルー』、『空白』といった話題作で人間の生々しい醜さを描く鬼才、吉田恵輔。本作でも、観る者の心を容赦なくえぐってえぐってえぐり続ける。

とある居酒屋の合コンで、イベント会社の社員・田母神(ムロツヨシ)は、OLとして会社員生活を送りながら、私生活ではYouTuberとして日々、動画をアップし続けているゆりちゃんと出会う。再生回数の少なさに悩んでいたゆりちゃんは、田母神に自身の番組のサポートをお願いすることに。ゆりちゃんにほのかな恋心を抱いていた田母神は、たまたま持ち合わせていた着ぐるみで番組に参加するなど、精一杯ゆりちゃんに協力していたのだが......。

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そうそう、これこれ。こういう作品が観たかったのだ。ストーリーの持って行き方も流れも役者の台詞も演技もすべてがリアルかつ自然。それでいて人間の狂気が、醜さが、汚さが、スクリーンのそこかしこで神々しいほどに光を放つ。その眩しさに圧倒され、圧倒され、圧倒され続ける。心が殴られ続ける。こういう作品が観たかったのだ。やっと、やっと出会えた。こんな稀有な作品に。是非、世界各地で各賞を総なめにしていただきたい。是非とも。

地道に努力して日銭を稼いで人生を送っていた者は、一転して自身の境遇が恵まれ始めると人が変わるのだという。私はしがない作詞家・映画ライターでしかないので、あちら側の「華やかな世界」の人たちとお仕事の現場でほんの一瞬接することはあれど、自分があちら側の住人になったことはまだない(なりたいという願望は長年持ち続けている。が、いつになることやら)。

だが、あちら側の人から不当な仕打ちを受けたことならたんまりとある。

例えば、当初は一緒にファミレスでお茶したりして同じこちら側の人だったはずの作曲家さんがいつしか売れだし、可愛い女の子のボーカリストとユニットを組みメジャーデビューし(そこまでは勿論いい。その人の出世を心から祝福したものだ)、その人が私に作詞依頼をくださり(ありがたいお話しです。誠にありがとうございます)、何作か作詞させていただいたのち、その人がWeb記事のインタビューで「作品のテーマであるタイトルはすべて自分が考えた」「歌詞の一部は自分が書いた」等々、事実とは異なることを答えられていたりとか(そうですその人は嘘をついておられるのです、タイトルも歌詞のすべても私が書いたものです! 何の予告もなく佐村河内されちゃってビックリしたわ〜。現在も記事訂正の交渉中です)。

そんな話題には事欠かないので、私には田母神の心情が痛いほどよくわかる。もし自分があちら側に行けたとしても、決して誰かを見下したりバカにしたりすることのないようにしよう。決して人の心を失わないようにしよう。と、本作を観て再度そう心に誓った次第だ。行けるかどうかわからないあちら側に思いを馳せながら。

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監督・脚本:吉田恵輔
出演:ムロツヨシ、岸井ゆきの、若葉竜也、吉村界人、淡梨、柳俊太郎
配給:パルコ
公開:6月24日(金)TOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイント 他全国公開!
公式サイト:kami-mikaeri.com 

© 2022 「神は見返りを求める」製作委員会

 


記:林田久美子  2022 / 04 / 08











エンタメ シネマピア   記:  2022 / 04 / 10

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