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【映画レビュー】ザ・メニュー

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有名な高級レストランで提供されたのは、美味しいディナーだけではなかった……?! 不気味なカリスマシェフ役には、『シンドラーのリスト』『007 スカイフォール』『キングスマン ファースト・エージェント』で知られるイギリスの重鎮俳優、レイフ・ファインズ。また、キーとなる「招かれざる客」を、Netflixでの配信ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』でブレイクしたアニャ・テイラー=ジョイが演じる。フルコースとともに提供される恐怖が、客たちを次々と追い詰めていく……。虚飾と欺瞞で彩られた、ダーク・コメディの扉が開かれる!

アメリカ北西部・太平洋沖の小島にただすむ高級レストラン、ホーソン。今日の客は、料理オタクの青年(ニコラス・ホルト)とその彼女(アニャ・テイラー=ジョイ)、料理評論家と編集者、映画スターとそのアシスタント、裕福な熟年カップル、若いIT長者3人組、といった面々。客たちは意気揚々と“予約の取れない店”ホーソン行きの船に乗り込む。今宵この店で提供されるのは、極上の惨状であることも知らずに……。

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料理というものは、食べる前から、見ているだけでも心が踊らされる。高級レストランや巷で流行りのスイーツ等、色とりどりの美しい盛り付けの料理もさることながら、よく庶民の食卓に並ぶような全面茶色づくしで彩りはさほどない料理(あぁ、よく私が作る料理のことか)であっても、その美味しさを頭で想像するだけでそれはそれは楽しくなる。だって、料理って美味しいものだから。人間が持つ五感のうちの味覚でもって、我々を楽しませてくれるものだから。そして何より、口に入るものはすべて、我々の生命を維持するものだから。

本作でも、まるで芸術作品のような料理の数々がスクリーンでその美しさを競う。だが本作は、それら極上の料理がどのように出来上がっていくのか、その舞台裏は……を描いた作品では全くない。物語が進むにつれ、およそレストランで起こるだなんて想像もつかない数々のショッキングな出来事が客たちを襲う。なぜ自分たちがこんな目に遭わなければいけないのか、予約も取れない有名店に入店できるほどの“社会の上澄み”にいるはずの自分たちが、なぜこんな目に? だが、料理の提供が進むにつれ、その理由が徐々に明らかになっていく。客たちは重大な理由があって今日、この店にいるのだ。生命を維持するはずの料理が、客たちの生命を脅かしていく。

とある登場人物は、究極の料理を実現したいがゆえにこの惨状を展開していく。だが、この惨状そのものが、料理への冒涜をも内包している。なぜなら、料理は食べるためにあるのだから。食べて美味しいと感じることこそが料理が料理たりうる所以なのだから。“食べる”以外で使われてしまう料理は、果たして料理と言えるのだろうか。最大の矛盾が、本作を更に不気味なものにしていく。

料理がそんな扱いを受けているこの映画は、料理好きの観客からブーイングされてしまうかもしれない。が、食材は恐らく撮影後にスタッフたちが美味しく召し上がったことだろう。ダークコメディタッチのスリラーという奇想天外な面白さに免じて、そこはどうか許していただきたい。


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監督:マーク・マイロッド「メディア王〜華麗なる一族〜」(TVシリーズ)
脚本:セス・リース&ウィル・トレイシー
出演:レイフ・ファインズ、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト、ホン・チャウ、ジャネット・マクティア、ジョン・レグイザモ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公開:11月18日(金)全国ロードショー
公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp 

© 2022 20th Century Studios. All rights reserved.

 


記:林田久美子  2022 / 11 / 08











エンタメ シネマピア   記:  2022 / 11 / 10

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