シネマピア

この愛のために撃て

20110802picm.jpg フランスから世界の注目株へ躍り出た、フレッド・カヴァイエ監督がおくるノンストップの緊張感。デビュー作『すべて彼女のために』(08年)で脚光を浴び、その映画は『クラッシュ』(04年)のポール・ハギス監督、ラッセル・クロウの主演により、『スリーデイズ』のタイトルでハリウッドリメイクされ今秋、日本でも公開される。
今後ますますクローズアップされるだろうカヴァイエの新作は、前作でも扱った"愛のための疾走"というテーマをより深く追求し、撮影不可能とされたパリ中心地でのロケを実現させ、街の息吹をとらえつつ描いた追跡シーンは圧巻のひとこと。病院や警察署内の混沌とした状況はもちろん、雑踏の中で主人公の姿が見え隠れする絶妙な描写は観る者の目を引く。

20110802pic1.jpg パリ在住の看護助手のサミュエル(ジル・ルルーシュ)と妊娠中の妻ナディア(エレナ・アナヤ)は愛情にあふれた毎日を過ごしている。サミュエルの悩みといえば、ナディアののお腹の中にいる子が希望とは裏腹に女の子だったことぐらい。それでも彼はベビーの誕生を心待ちにし、身重の妻に何かと気を遣っていた。ところが、ある日帰宅すると、サミュエルは謎の侵入者に突然殴られ気を失ってしまう。携帯電話の音で目覚めると、電話の向こうから妻の泣き声とともに"お前が勤務している病院からあの患者を外へ連れ出せ"という脅迫の声が。タイムリミットは3時間。事態を察したサミュエルは従う他に道はないと腹をくくり、ひとり病院へ向かう----。

フランス映画で『この愛のために撃て』というタイトルだと、ラブ・ロマンスかと思ってしまうが、この作品そんな甘い内容ではない。妻が誘拐され、3時間以内にある男を連れて来いと言われたら、あなたならどうする? 警察に連絡をして助けてもらう? しかし、この危機的な事態に従うしか道はないと、ひとり病院へ向かってしまうサミュエルだった。連れて来いと言う相手は怪我はしていても切れ者の強盗犯、警備で警察は待機しているし、病院内にはたくさんの人の目もあり、こんな状態でどうやって連れ出すのか?
それはもうハラハラドキドキの連続、サスペンス映画の王道。さらに強盗犯を連れ出してしまうのだからサミュエル自身も警察に追われるハメになってしまうのは当たり前で、その追跡シーンでの不格好に逃げる姿は、逆に普通の人間の強さを感じさせる。人は愛する者のために、どれほど強くなれるのだろうか?
どれだけの愛がそこにあるのか? そんな主人公の男気を堪能あれ。その彼とは真逆な戦闘能力を備えた謎の敵、奴らの驚くべき事実が物語が進むにつれ明らかになったとき、絶体絶命のクライマックスが待ち受けている。この危機を果たしてどう乗り越えるのか!!

手に汗握るサスペンス、囚われている女性を男性が救う永遠の物語を、ぜひカップルでご覧あれ。そして二人の愛を確認してみてください!


監督:フレッド・カヴァイエ
脚本:フレッド・カヴァイエ/ギョーム・ルマン
出演:ジル・ルルーシュ/ロシュディ・ゼム/ジェラール・ランヴァン/エレナ・アナヤ
配給:ブロードメディア・スタジオ
公開: 8月6日(土)有楽町スバル座、ユーロスペース他全国順次公開
公式HP:http://www.konoai-ute.com/

©2010 LGM FILMS - GAUMONT - TF1 FILMS PRODUCTION - K.R. PRODUCTIONS















エンタメ シネマピア   記:  2011 / 08 / 02

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