シネマピア

天国からのエール

20110926picm.jpg 高校時代にバンドをやった経験があるものなら、誰しも練習場所を確保する大変さを経験したことがあるだろう……。現に私も家の近所で電源のあるガレージなど、練習に使えそうな場所を探して歩き回った記憶がある。上京したとき、主要な駅近辺にバンドの練習スタジオが数多くあることにビックリしたものだ。地方には圧倒的にスタジオの数が少ない。また、スタジオ代という費用もかかる。将来ミュージシャンになりたい! そんな夢をもった高校生たちが練習場所を探し、右往左往することになる。
もし私の街に、“ニイニイ”がいたら、私の人生も変わっていたかも知れない。

沖縄で小さな弁当屋を営む陽は、弁当を買いに来る高校生たちが放課後にバンドの練習をする場所がないことを知り、弁当屋のガレージをスタジオにすることに。陽には、音楽が好きな彼らを支えてやりたいと思う、ある理由があった。ことあるごとに本気で自分たちを叱ってくれる陽を、高校生たちはいつしか“ニイニイ”と呼んで慕い、練習に熱中するのだが、そんなある日、陽が病に倒れて……。

この作品は、「美ら海水族館」で有名な沖縄県本部町で弁当屋「あじさい弁当」を営んでいた仲宗根陽(なかそねひかる)さんが、夢を持つ高校生たちを応援したい一心で作り上げた、すべてが無料の音楽スタジオ「あじさい音楽村」の実話をもとに映画化されたもの。昨年秋に「あじさい音楽村」でのオールロケにより撮影されており、よりリアル感が出ている。

●あじさい音楽村の十か条は
1. あいさつしましょう!
2. 赤点は絶対ダメです!!
3. 機材の取り扱いに注意!
4. 線を越えない!
5. イベント全員協力!
6. 後輩には優しくおしえましょう!
7. 9時以降の音出しやめましょう!
8. 勉強andバイト優先しよう!
9. カギの管理はリーダーがしっかり!
10. 人の痛みのわかる人間になれ!


20110926pic1.jpg ……この当たり前のことがなかなか、変に格好をつけてしまう高校生には、なんとも難しい。そんな彼らのことを見て見ぬ振りをしてやり過ごしてしまう今の世の中で、こんなにも真剣に若者たちに全身でぶつかっていく大人がいるのだろうか……。この作品には人と人の絆が丁寧に描かれている。夢を追う若者と大人の絆、それを支える奥さんや母親との家族の絆、そしてバンドを通しての高校生たちの絆。真剣に正面から向かい合うからこそ、ぶつかりあって、この真実の絆が生まれて来るのであろう。

練習場所をなくした高校生が、陽の「夢を簡単にあきらめるのかー」の声に彼らは「こんな街にしたのはあんたたち大人だ」と言われる。この言葉は、大人の我々の心にズシンと来る。そんな世の中にしたのは我々なのだから。しかし、彼はそこから失われたものを取り戻していく。高校生が陽のことを“ニイニイ”といって慕うのはタダでバンドの練習ができるからではない。叱るときは徹底して叱るそのパワーと理解できるまで話し合うその気持ちがあるからだ。地域社会の繋がりが希薄となった現代で我々は“ニイニイ”になれるのだろうか…。

この実際の「あじさい音楽村」からは数々のアーティストが輩出されている。主題歌を歌う「ステレオポニー」も当地にある本部高校の卒業生だ。今も多くの若者がこのスタジオで練習をしている……。この作品は、ぜひ、夢を追いかけている高校生、また、それを支える大人たちに観ていただきたい。


原案:『僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL 』(リンダパブリッシャーズ刊)
監督:熊澤誓人
脚本:尾崎将也/うえのきみこ
出演:阿部寛/ミムラ/桜庭ななみ/矢野聖人/森崎ウィン/野村周平
主題歌:『ありがとう 』ステレオポニー(ソニー・ミュージックレコーズ)
配給:アスミック・エース
公開:10月1日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
公式HP:http://yell-movie.com/
あそびすと記者会見:阿部寛、ミムラ、桜庭ななみ登場!

©2011 『天国からのエール』製作委員会















エンタメ シネマピア   記:  2011 / 09 / 26

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