シネマピア

グレイトフルデッド

greatfuldead001.jpg孤独な人間を観察することが趣味の“孤独ウォッチャー女”。人生に失望し、今まさに孤独死を迎えようとしている“頑固一徹爺さん”。そんな2人が繰り広げる、超高齢化社会という重たい背景を吹き飛ばすような、破壊力満点のブラックコメディが、海外の映画祭を巡り、ようやく日本で公開を迎える。女から歪んだ愛を向けられてしまった爺さんに待ち受けていたのは、監禁、逆強姦!?
主演は、オーディションで大抜擢されたナチュラル・ボーン・アクトレス、瀧内公美。相対する孤独死寸前の爺さん役には、笹野高史。数々の老人役をこなした笹野が「一瞬、躊躇した」というほど、かつてない爺さんを熱演。その他に、キム・コッピ、矢部太郎、酒井若菜、木下ほうか(本作プロデューサーも務める)、松田賢二、板尾創路らが脇を固める。
監督は、海外で注目された『地球でたったふたり 』(07)や『世界最後の日々』(12)、『メタルカ -METALCA-』(14)など、意欲的に作品を撮り続けるブラジル生まれの内田英治。

greatfuldead002.jpg孤独な幼少時代を過ごしてきた20歳の女・ナミ(瀧内公美)。彼女の趣味“孤独ウォッチング”は、孤独を抱えている人を見つけては観察するというもの。
ある日、孤独死寸前の老人・塩見三十郎(笹野高史)を見つける。塩見は家族と疎遠になり、孤独に打ちのめされていた。ナミは塩見の生活を監視しては優越感に浸る。だがその楽しみは、若くて美しい女、スヨン(キム・コッピ)の登場によって崩されてしまう。スヨンは、自らが信じるキリスト教の聖書を通じ、次第に彼の生活を明るいものに変えていく。
<信仰>という救いとともに、生きる希望を手に入れて、見違えるほど生命力を取り戻していった塩見の幸せそうな表情を目にしたナミは、怒りに打ち震える。
「あれは私のだ! 私のなんだからーっ!」
ナミは、塩見を独占するために衝撃的な行動に出るのだった……。

greatfuldead003.jpgSNSなどで趣味は「人間観察」というプロフィールを見かけるようになったが、その中でも、孤独な人間を観察することを限定とした“孤独ウォッチャー”は、ヤバクて面白い発想だ。この趣味は、今後、広まって行くかもしれないぞ。
幼少時代に裕福ではあるが、両親から無視され屈折して育った、不安定な精神状態の女・ナミ。心が平穏な時には、明るくてキュートなのだが、いったん心が崩れてしまうと、その残酷性が一気に吹き出してしまう。瀧内のその両極端な演技がこの作品の見どころのひとつでもある。監督が「ギラギラして、何かやってやるという野心がみなぎっていた。なんか野獣というか、野良犬みたいな」と、オーディションで彼女に決めた理由を語ったように、瀧内の演技は、本作が映画初出演とは思えないほどの狂気に満ちた体当たりの演技だ。いや、逆に初出演だから出来たのかもしれない。役づくりがまったくわからない彼女は、監督から参考にと『青春の殺人者 』、『ミザリー 』、『フルメタル・ジャケット 』を薦められたという。

greatfuldead004.jpgその彼女の狂気に巻き込まれていく爺さんは、笹野が「こんなにガツンと一発食らったような刺激的で面白い爺さんは初めてだ」と語ったほど、今までにない爺さんなのだ。『冷たい熱帯魚 』の村田幸雄役のでんでんの演技もそうであったが、ふだん演じている“人の良い爺さん”役とのギャップが観るものを引きつけていく。拗ねた孤独な老人から明るい老人へ、そして最後には狂気に満ちた戦う老人へと変貌する演技に注目してほしい。

物語全体の暴力シーンはとにかく痛い! 金槌、画鋲、モップ、包丁、瓶、塩などと、そのシーンは観ていて全身が痛くてたまらない。ホラー全開の展開になっていく後半、この結末は、果たして?
ラストのオチが「そういうことだったのかぁ?」と、すべてを納得させるエンディングになっている。
考えさせられるテーマでもあり、全体的にかなり激しく痛いシーンの多い映画ではあるが、コメディ要素もあり、決してバッドエンディングではない。マイノリティなタイプの作品ではありつつ、サスペンスやブラックコメディ、そしてホラー好きにはもちろん、ヒットチャートに入ってくる作品に少々飽きた方には、お薦めの作品である。


監督:内田英治
脚本:内田英治/平谷悦郎
出演:瀧内公美/笹野高史
キム・コッピ/矢部太郎/酒井若菜/木下ほうか/松田賢二
主題歌:「Paradise」 Heartbeat(ハービー)
配給・制作:アークエンタテインメント
制作協力:杜方
製作:「グレイトフルデッド」製作委員会
公式HP:http://greatfuldead-movie.com/
公開:11月1日(土)より新宿ミラノほか全国順次ロードショー

©2013「グレイトフルデッド」製作委員会















エンタメ シネマピア   記:  2014 / 10 / 15

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