ikkieの音楽総研

第91回 洋楽編 KTタンストール――ふと立ち寄ったCD店での大きな出逢い

2013 / 11 / 12

今回はいつもの音楽総研とはちょっと毛色の違うアーティストを紹介しますね。2004年デビューのスコットランド人アーティスト、KT(ケイティ)タンストール です!

CDをお店で買う時って、基本的には目当ての物があったうえでお店に行く人が多いんじゃないでしょうか。最近はCDを買わない人も多いみたいだけど、ちょっとコレクターっぽいところがある人だと、特に目当てがなくても、気になっていたやつを見つけたら買ったりもするよね。俺はそういうことをよくやるんだけど、その場合、基本的には知っているアーティストのCDを買います。知らないのを買って気に入らないと嫌だし。でも、たまにお店でかかってたまったく知らないアーティストを気に入って、CDを買うこともあるんだよね。ケイティはまさにそれ。それまで曲はおろか、名前も聞いたことがなかった。飲みに行った帰りにふらっと入ったCDショップでかかっていたケイティの曲が気に入って、「これ誰ですか?」と、その場で買っちゃった。

KT Tunstall.jpg日本盤がまだ出ていなかったらしく、輸入盤を買ったから解説が付いていなくて、どんなアーティストなのかまったくわからなかった。ジャケットやクレジットから20代ぐらいでなかなか美人、ケイティ自身が全曲の作詞作曲をしている、ぐらいのことはわかったけど。ホームページを探してみても、当時は英語版しかなかったし、かろうじてそのCDがデビューアルバムだっていうことと、スコットランド人で中国の血も入っているらしいってことがわかっただけ。でもまあ、それほど情報がないのもまたいいんだよね。今後どんどん有名になっていくのを見ているのも楽しいし、有名にならなくても、自分のお気に入りのアーティストが増えるわけだから。ケイティは前者。……でも、日本以外では、かな?

デビューアルバムの売り上げは世界中で400万枚を超え、イギリスでは05年のもっともヒットした女性アーティストになったらしいし、グラミー賞にノミネートされたり、『Suddenly I See 』が映画『プラダを着た悪魔』に使用されたりもしている。でも、俺が知らないだけかもしれないけど、日本ではそれほど盛り上がってない気がするなあ。女性ファンが多いとは聞いたことがあるし、ロックファンの中では知られた存在で、何度か日本でもライヴをやっているんだけど、認知度はまだまだ低いと思う。もったいない……。


大ヒットシングル『Suddenly I See』
映画『プラダを着た悪魔』に使われました

ケイティの楽曲はちょっとミステリアスな雰囲気があって、メロディにはちょっとジャズっぽさもある。それでも、全体的にはアコースティックギターを軸にしたフォークロックっぽいアーシーさが印象的で、てっきりアメリカ人だと思ってたらスコットランド人でびっくり。まあ、それでなおさらミステリアスな雰囲気に合点がいったんだけど……って、共感出来ない? アメリカの広大な自然ではなく、スコットランドの深い森とイメージしてみてください。女性にしては低めのキーで、少しハスキーだけど、女性らしい柔らかな歌声が良くてね。たまに出すドスのきいた声もカッコいいし。俺は女性のキンキンしたハイトーンが苦手なので、ケイティの歌声はどストライクでした。

そんな感じでお気に入りになったケイティだけど、残念ながらライヴは未経験。それでYouTubeなんかでライヴ映像を探してみて驚いた。小柄な彼女が野郎どもを従えてロックしている映像も魅力的だったけど、それよりもループペダルを使って一人きりで演奏している映像が凄くてね。簡単に説明すると、まずマイクに向かって手拍子をサンプリングして、それをループさせて再生しながら、今度はギターのボディを叩く。さらにその二つを重ねて再生、今度は自分の歌や、ギターのカッティングをサンプリング……といくつも音を重ねて伴奏をその場で作って、それをバックにギターを弾きながら歌うんだよね。決して真新しい手法じゃないし、他にもこういうことをやっている人はいるけど、どちらかというと楽器だけをループさせていたり、飛び道具っぽく部分的に使ったりする人が多くて、ケイティほどがっつりやってる人はあんまりいない。でね、これはリズムが悪かったり、音程が少しでも悪かったら演奏が成り立たないのよ。とんでもないテクニックが必要なわけではないけど、ちゃんとした技術があってこそ。そして当然、上手いだけでもダメだし、確かな技術とセンスを持ったアーティストだと改めて惚れ直したよ。


『Black Horse And The Cherry Tree』
ループを少しずつ加えていくのがよくわかると思います

実は今年の6月にニューアルバム が出たんだけど、ここ日本では大ヒットには至ってないみたい。もう少し話題になっても良さそうな気がします。来日公演のアナウンスもないし……。もし来日してくれたら、小さめの会場で観られそうじゃない? こういう音楽は大き過ぎる会場で観たくないし、期待してます。売れ過ぎず、売れなさ過ぎずで日本でも人気が出ますように……って、そんなこと言ったらケイティに怒られそう。




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