インタビュー/記者会見

『劔岳 点の記』監督、キャストら記者会見!

090618_01.jpg 新田次郎の小説を実写化し、実際の雪山での壮絶な撮影でも話題となっている『劔岳 点の記』。記者会見で監督とキャストらが撮影秘話などを語りました。

090618_02.jpg 木村大作監督:この映画は100年前(明治40年)の測量隊や日本山岳会と、現代の撮影隊が完全にシンクロした映画だと思っています。誰もがそれぞれ、この映画に何かを感じ取っていただける、そんな自信があります。応援よろしくお願いいたします。


Q:撮影中、どんなことが大変でしたか?
浅野忠信:撮影のために、山へ3〜4時間かけて登りまして、同じ時間降るんですが、それが毎日続くのは本当に大変でしたね。20日間休みなしだったもので。救いだったのは、山小屋へ帰れるということ。山小屋の方たちが本当にあたたかくて、料理もおいしいですし。

香川照之:辛かったことを語れと言われたら、一週間は語れます(笑)。思い出に残っているのは、9時間歩いて2カットしか撮れなかったこと。カメラが回っていないところで、これだけの努力をするということ。それこそが映画なんだ、ということですね。朝4時に出てひたすら歩いて、もう着くんじゃないか?と思ったときに山岳会員の方に「何分の何まで来ましたか?」って聞いたんです。そしたら「10分の2ですちゃ」って(笑)。それから、朝から豪雨で、撮影十何日目で初めての休みの日に、監督が「100%撮影はありません!」って言ってたのに、雲海に夕焼けが広がって、「撮影だ!」って。そしたら、そこに何十年も住んでる山小屋の方が「今日は10年に1回の夕焼けです」と。それは最高の喜びですね。

090618_04.jpg Q:諦めたくなったことはありますか?
浅野:毎日ですね(笑)。いろんなことを諦めてました。

司会(笠井信輔アナウンサー):その9時間で2カットの日、浅野さんはどう思われましたか?

浅野:いつになったら着くんだろう?とか、果たしてここは人が歩いていいのか?と思いながら歩いてましたね。その代わり、着いたときはメチャメチャ嬉しいですよね。着いてすぐにお弁当を食べたんですけど、すごくおいしかったです。毎日同じメニューなんですが、初めて食べたんじゃないかって思うくらいおいしくて(笑)。皆も笑顔だし、景色も綺麗だし。すると監督が遠くから「撮るぞー!」って。あ、撮影に来てたんだ……って、すっかり忘れてるくらい。それなのに、9時間かけて歩いてきたのに監督が「んー、こりゃあまりよくないねー、使えないなーこれは」って(笑)。
司会:そのときに、俳優さんに悪いなーって思われるんですか?

090618_03.jpg 監督:当時の山岳隊たちはその場所へ行ったんですから。彼らが行ったところには行く、100年前に負けてどうすめんだ、という。この映画は目的の場所に行くこと自体が目的であって、撮影なんてことは考えてなかった(笑)。

松田龍平:僕がいちばん年が若かったのですが、監督が全部先頭を切って動いてくれてたので、負けられないなと思っていました。

小澤征悦:(山に登らない役ですが)心の中では登っていました。でも、話を聞いてると登らなくてよかったと思ってます(笑)。

仲村トオル:雨の日に、自分の顎からしたたってるのが雨なのか汗なのか涙なのかわからない状態で登ってました。そのときに、先に山に入っていた香川くんから頼まれた高級赤ワインをリュックで背負ってまして。この道を歩くと知っていてあいつは俺にこれを……! 二十年来の友情関係にひびが入りそうになりました。

090618_05.jpg Q:浅野さんと香川さんとは、一緒にいる時間が長い撮影だったようですが
浅野:そうですね、彼はどうでもいいところで全裸になってたりしましたね(笑)。

香川:浅野さんからは武士を感じますね。いつも刀を持ってる方だな、と。山を歩くときも必ず浅野さんを先頭にして歩いていました。こんなに頼れる年下の男もいないな、と。

浅野:今後は香川さんとコンビで行ける刑事ものとかをやりたいですね(笑)。


香川:ぜひよろしくお願いします。ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズとか。

司会:今回、宿は山小屋ですよね。
090619_08.jpg
監督:山小屋というのはキャパがもともと少ないので、俳優さんのマネージャや付き人もついてきていないです。自分の荷物は自分でね。

司会:え、ついてきてないんですか。

監督:そう、ふもとで待機。

Q:この1本で監督はやめにするとおっしゃられていましたが。
監督:47都道府県キャンペーンを回って、いろいろな方から感想をいただくうち……人間て弱いんですね、だんだん欲が出てきて、もう1本くらいいいかな、と(笑)。来年はギャラでないんで、もしかしたら。宮崎駿さんも引退宣言のあとに何本もやっているから、そういう前例もあるし、と。

090618_06.jpg Q:監督とのやりとりで、何か思われたことはありますか。
香川:危険な箇所に立たされながら撮影させられたことですね。雪庇(せっぴ)の上とか(笑)。そこでも「もっと前へ行けよ!」とか言われて。ある種の特撮ですよね(笑)。

仲村:天気とかツキまくりですごい映画が撮れてて「これだけ運がいいと、私はこの作品が終わったら死にますね」っておっしゃってて。僕が「でも、次回作の構想があるんじゃないですか」と聞いたら「実は南極が……」って。それ聞いたときに、その口をふさぎたくなったというか、自分の耳をふさぎたくなったというか(笑)。

監督:木村大作
原作:新田次郎『劔岳 点の記』
脚本:木村大作・菊池淳夫・宮村敏正
出演:浅野忠信、香川照之、松田龍平、宮崎あおい、仲村トオル、小澤征悦、井川比佐志、國村隼、夏八木勲、役所広司
公開:6月20日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://www.tsurugidake.jp/
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VIVA ASOBIST vol.51 木村大作 映画史に残る名キャメラマン、監督へ!:
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配給:東映
ジャンル:邦画

(c)2009 『劔岳 点の記』製作委員会











エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2009 / 06 / 19

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