インタビュー/記者会見

映画『ゲット・ラウド』ジャパンプレミアに豪華ゲスト登場!
小林克也「冥土の土産になりました」
Char「世代の違う三人のギタリストが面白い!」

get01.jpg 去る8月29日(月)、映画『ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター』のジャパンプレミアが東京・六本木のビルボードライブ東京(東京ミッドタウン)で行なわれ、本作の字幕監修を手掛けた人気DJの小林克也、永遠のロック・ギタリストのChar、映画コメンテーターのLiLiCo、放送作家の鈴木おさむが登場し、作品の魅力について語った。

今回は私の大好きなジミー・ペイジ先生も参加のドキュメンタリー映画の紹介を、小林克也&Charが中心のコアなお話しメインとなりましたが、マニアには面白い内容になっておりますのでほぼノーカットで忠実にご紹介します。

get02_2.jpg LiLiCo:(会場のお客さんを眺めて)いいね〜、この雰囲気!
鈴木:いいですね〜、みなさんお酒を飲みながら……。
LiLiCo:飲みたーーい!
鈴木:それでは、まず感想からお願いします。
小林:涙が出ましたね。鳥肌もたちました。一番の鳥肌は、ヘッドリィ・グランジという家があって、そこでツェッペリンが……。
Char:それ、言っちゃっていいんですか?(笑)
小林:ジョン・ボーナムの“太鼓”は特別でフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドがドラム音をサンプリングしたりとか……。(ドラムの録音場所の種明かしをするシーンが……)
Char:ギタリストじゃないとわからない会話や考え方が凄く出ていて、まったく世代が違う三人ですが、いわゆるギター馬鹿がギターに魅せられて、それがなかったら自分の人生がどうなっていたかわからないという、非常に自分にフィードバックして観ました。ジミー・ペイジは、お兄ちゃんとして背伸びして見て来ました。エッジは、なんとなく自分の弟みたいな感じで、うちの弟もこうだったなって。ジャック・ホワイトは息子みたいな感じですね。知らないうちに歴史が出来てしまったんだなって思います。
鈴木:LiLiCoさん、映画という観点からはいかがですか?
LiLiCo:そうですね、映画としての音楽のドキュメンタリーって、どこかでわからなくなることが多いんですけど、この作品はずっと夢中になって観ることが出来ました。世代の違う三人のギタリストが、新しいギターの箱を開けた時の子供のような喜びようが最高だったり、良く出来たドキュメンタリーだと思いました。

get03.jpg get12.jpg 鈴木:
監督が『不都合な真実』(第79回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞作品)の製作をされているということもあり、音楽ばかりやってきた人じゃないってところが映画として良く出来ているということでしょうね。このギタリスト三人が揃うことって、凄いことなんですか?
小林:それは凄いことですよね。
鈴木:三人はけっこう不良だったりしますか?
Char:不良じゃないですね〜。ほとんどのギタリストが不良っぽいですけど……。特に歴史に残っていく人たちは志がはっきりしています。ベンチャーズから日本にエレキギターが普及して、ビートルズやストーンズやいろいろなグループが出て来たなかで、突然ジミー・ペイジ率いるレッド・ツェッペリンが出て来た。それまでのイギリスのポップスやアメリカの音楽と違うサウンドがラジオから流れて来たわけで、この映画を観て、なるほどジミー・ペイジはこういった考えで計画的犯行をもくろんでいたんだってわかりましたね。その部分が不良だったり、なにかに対しての反発が必ずそこにあって、それがギターに乗り移って出て来たってことですね。ジャック・ホワイト(ザ・ホワイト・ストライプス)を初めて見た時には、こいつはなにか隠してるなって、今風な感じだけじゃなく、なにかこいつら計画しているなって。U2にしても、マーケットに乗って来ただけのヤツらじゃないなって……。
鈴木:そういうことって気になりますね。
Char:もちろん!

get04.jpg get09.jpg 鈴木:
この三人のギターレベルって僕にはわからないんですけど、ギターが凄く上手いとかっていうレベルじゃないんですね?
Char:やっぱり、ジミー・ペイジが長く活動しているということで、オンタイムでブルースを聴いていたと思うんだけど、ジャック・ホワイトは僕の息子みたいな年齢だから、昔そういう音楽があったらしいというという感覚で逆行していく。その途中にジミー・ペイジがいたり、エッジがいたりするんじゃないかな? 男子って、これがないと生きていけないってものが必ずなにかあって、水を得た魚のようにギターというアイテムから自分の中にあるものを吐き出していくという感じで、上手いとか上手くないといったところではない。そういう意味でよくこの三人のキャラクターを集めたと思う。ここにエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックで出てきても面白くない。
鈴木:おー!
Char:昔は良かったよねって、あいつのこと憶えてる〜みたいな(笑)、まるっこいセッションで終わってしまう。
鈴木:僕はギターに詳しくないんですけど、セッションの始まる時の空気のとげとげしさっていうか……。
Char:一瞬あるでしょ!!
小林:あれは、打ち合わせなしでやったみたいですよ。だから、忘れてるでしょ……みんな結構いいかげんな……(笑)。
Char:ごめんごめん、あそこBmだったみないな〜(笑)。でも、ギターを持った瞬間“お前には負けない”っていう感じになっている。
小林:ギターの上手いヘタっていうのは、クセみたいなところがあって、そこが個性になりその人のものになる。CharのギターはCharになっているということだよね。手が早く動くとかではなくて……。

get05.jpg get10.jpg Char:三人ともギターに魂を乗っけているんで、こっちも引っかかって来る。僕が初めて観た海外アーティストは、71年かな? ツェッペリンが初来日した武道館のライブで、それまで動くアーティストっていうのは『エド・サリヴァン・ショー』とかでしか観たことがなかった。
小林:そーだよねー!
Char:ロック・バンドっていうものを観たことがない当時、高校一年生だったんですけど、かなりショックだった! 今まで自分がやって来た音楽ってなんだったんだろーって。理由はツェッペリンのステージが、もの凄く自由だったんから。
小林:あ〜っ!
Char:武道館でのライブがレコード通りではなく、凄く遊んでいる感じがして……。ステージの上で何かを表現しようとしている。当時それがなんなのか具体的にはわからなくて、その時の感覚がいまだにある。エッジとジャック・ホワイトの二人もツェッペリンに影響されている感じがあるよね。
よく、評論家がバンドをやるとストーンズ系かツェッペリン系のどちらかになるっていいますよね。ギタリストが中心でプロデュースしていくかフロントのヤツがあおってやっていくか……。後者の場合は、キース・リチャーズみたいにギターはヘタウマでいい。
小林:エッジが出て来た時はワンパターン・ギタリストって悪口を言われたりしたけど、彼はグループとともに成長した。
Char:その通り!! 彼自身も映画の中で俺はギタリストでいくのか、作曲家でいくのか悩んでいた。みんな悩んでいる。
小林:エッジにしても、上手く弾けないことを独特の弾き方で克服して、それが個性になった。
ストーンズのキースじゃないけど、ミック・ジャガーがソロをやっても上手くいかないのはキースのあのギターがないといけないってこと。だって、ミックはツッコミでしょ!(笑)。ミックがソロでやるときにジョー・サトリアーニとかツッコミのギターを使ってしまっては……キースがあれをやるからミックが引き立つし凄く見える。
Char:むずかしいねー、男子の世界だね!!
LiLiCo:そうですね〜。
小林:だけどCharね〜、僕はひとつ言いたいんだけど、この映画、ギターの映画にみえてギターの映画じゃないんですよ。音楽に限らずクリエイティブをするときに良いものを作ろうとして悩んだ経験のある人には絶対に観てほしい映画。救いがいっぱいある。

get06.jpg get11.jpg 鈴木:
僕もそう思いました。好きでやるって辛いこともいっぱいある。でも好きで始めて、そこを越えた人達の人生の物語は凄く格好イイと思いました。
LiLiCoさんは男としてこの三人はどうですか?
LiLiCo:なにかに夢中になるってことは、いくつになっても遅くないし、その道で成功しみんなに影響を与えることって本当に素晴らしいと思います。
Char:この映画を観るとわかるんですけど、ギターが弾けなかったヤツがギターに出会って弾けるようになっていく。あのジミー・ペイジだって最初から上手いわけじゃない。
小林:だから、さっき楽屋で話したけどオープニングのシーンはイイですよねー。絶対全員ショックを受けますよ。
Char:僕も子供のころ、ああゆうことをやろうと思いましたよ。ギターって高価で、お年玉の300年分くらい必要なものだった(場内笑)。絶対、手の届かないもので、それをね、オープニングのシーンで……これでいいのかぁ〜って!!
鈴木:編集も凄いんですよ!
小林:ジミー・ペイジがインタビューで、編集した作品を観て事実と違ってるって言ったくらい。そういう意味でもこれが映画だって感じさせる。
小林:映画の人に聞くけど、ジミー・ペイジとかギターをマイナスするとどうですか? おかしい人?(笑)
LiLiCo:心が二枚目みたいな……。
小林:うまいこというね!
Char:こういうドキュメンタリーを作ろうとしたとき、まずジミー・ペイジとか出て来ないですよね。
小林:インタビューも少ない。
Char:ジミー・ペイジ、大人になってきたんじゃないですか?
ギターのヤツってだいたいギター持った瞬間、年齢が13歳〜19歳くらいで止まっちゃいますからね〜。

鈴木:
盛り上がっていますけど、そろそろお時間ということで、みなさん最後にひと言お願いします。
LiLiCo:今日は聞き役でしたけど、この三人の熱い男たちに恋して、楽しんでください!
Char:60年代のジミ・ヘンドリックスとかクリームとかだったり古いもののアーカイブだと面白いんですけど、今時のドキュメンタリーってつまらないんですよ。でも、この三世代のギタリストが集まるってところにこの映画の面白さがあります。
小林:今年、70歳の大台に乗ったことで"冥土の土産"を探すようになって、この映画はいい冥土の土産になりました。最近、神聖かまってちゃんを観たんですけど、こいつらクレイジーで、これもいい冥土の土産になったね。
鈴木:小林克也さんに冥土の土産と言わせたこの映画、ぜひみなさんご覧になってください。Tシャツとかもコラボして作ってます!

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監督:デイヴィス・グッゲンハイム
出演:ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)/ジ・エッジ(U2)/ジャック・ホワイト(ザ・ホワイト・ストライプス)
配給:アスミック・エース/FUJI ROCK FESTIVAL SPECIAL PRESENTS
公開:9月9日(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
公式HP:http://getloud.asmik-ace.co.jp/
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エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2011 / 08 / 31

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