インタビュー／記者会見

『裏通りの飲み食い処がおしえるやさいのおつまみ』（池田書店）
著者・やまさききよえの出版を祝う会！
WEBでスクロールして見ていたものが書籍に!!

中目黒の裏通りにあるちいさな飲み食い処『のひのひ』。そのお店で出している季節ごとのやさいのおかずに注目したやまさききよえさんが、少しずつ写真に撮りため、ブログにて公開を始めたのが2011年。それから１年が経った2012年8月に催された企画展『晴れのひ雨のひやさいのおかず展』を取材した際、会場でやまさきさんは「この展示を観ていただいて、それが出版につながればいいなと思っています」とコメントしていたが、それから1年、その想いが伝わっての『裏通りの飲み食い処がおしえるやさいのおつまみ』（やまさききよえ著・池田書店）の発行となった。その出版を祝う会が行なわれたのが9月23日（月・祝）、会場はもちろん都内目黒区の『のひのひ』。
今回はその会場にて、著者のやまさききよえさん、プロデュース＆スタイリングの川崎万里さん、カメラの中村うららさん、編集の川瀬佐千子さん、アートディレクション・デザインの高橋敦さん、奥田桜子さんに、書籍出版までのエピソードなどを聞いた。

▲左からやまさききよえさん、川崎万里さん、中村うららさん ■著者／やまさききよえさん
10年ほど前に料理の絵本を出版したことがありました。友人が絵を描き、私が料理を担当。当時としては新しい試みでしたね。今回が個人としては初めての出版になります。
箱庭の川崎さんの薦めで、本を作ることを前提に、まずはブログで素材を撮り貯めようということになりました。私と川崎さんの知り合いで、ボランティアの形でスタッフを集めました。まあ、言ってしまえば飲み仲間ですね（笑）。本のタイトルが“おつまみの本”ということで、つながったのかなって（笑）。
ブログを始めて1年が経ったころ、デザイナーの高橋さんから「なにか形にしたいね」って提案があり、小冊子を作ることに。営業ツールにもなるし、みんなに紙になった状態を見てもらいたかったという思いもありました。
料理関係の編集者を川崎さんに紹介していただき、小冊子をお渡ししたり、お店の料理を食べていただいたりしていました。その中で、お店を気に入っていただいた、麹の本を何冊も出版されている、おのみささんから「池田書店の担当の方がこの企画に合うんじゃないかな？」ってことから、池田書店の宇川さんを紹介していただきました。宇川さんから「企画会議にすぐに出します！」と……。資料が揃っていることもあって、短い期間で出版できることになりました。秋から始めたブログだったので、秋に出版したいねというスタッフの思いもあり、9月に出版することになりました。

本が出版された日には「あ〜形になったなぁ〜」って感激しましたね。ブログから丸2年たち、画面上でスクロールして見ていたものが、動かないものに変わるってことは特別な思いがありましたね。質感もあり、思ったより分厚いなって（笑）。余裕のあるページ作りをしたはずが、けっこう盛りだくさんな感じになりました。もう少し小出しにしていけば良かったかな？またネタを集めておいしいものを発信したいと思っています。
今は本屋さんに営業中ですね。著者として「いいとこに置いてください!!」って、たくさんの本屋さんに突撃しています。本屋さんから営業ツールのアドバイスなどいただいたりも……。みなさんに知ってもらうことが、今の私の仕事です。
ブログは一時お休みをさせていただいて、この先どういった形にしていくかは検討中です。スタッフみんなと話し合って決めていきたいと思っています。お楽しみに！

■プロデュース＆スタイリング／川崎万里さん
1年前に小冊子を作ってみなさんに見ていただいて、やまさきさんの料理の雰囲気が伝わったと思っています。とても好感をもっていただいて、小冊子を作った効果が、今回の出版につながったと。デザイナーの奥田さんからイラストを入れたいという話があり、のひのひのスタッフでもあるcamiyama emiさんに頼みました。ブログからのすべてのスタッフが変わらずに、すべてをやまさきさんの知人（飲み仲間！）で制作できたたところがこの本の良さになっているかな。料理は、材料が少なくて簡単だけど、ちゃんと作っている。やまさきさんのひととなりが見えてくる、お店でやっている雰囲気が伝わってくる魅力的なものに仕上がりました。

■カメラ／中村うららさん
表紙の撮影は、慎重にみんなで相談しました。4案4カットを撮影してその中から今回の表紙を選びました。素敵な表紙ができてよかったです。中面では今まで撮りためた写真を使っていただけてうれしかったですね。

▲左から川瀬佐千子さん、高橋敦さん、奥田桜子さん ■編集／川瀬佐千子さん
『裏通りの飲み食い処がおしえるやさいのおつまみ』の魅力は、読んでいると、印刷された紙の本でありながら、やまさきさんの声が聞こえてくるような、料理の匂いのするような、お店の雰囲気が漂うような、そんな本であることです。そして、それが伝わるように、構成はいちばんこだわりました。そんな誌面を楽しんでもらって、作って味わってもらって、お店に来れる方は、ぜひ一度、ここでやまさきさんの作る料理とお店の雰囲気を味わってください。

■アートディレクション・デザイン／高橋敦さん、奥田桜子さん（ロングスケールデザイン）
●高橋敦さん
ブログでやっていたことに加えて、レシピが増えているということと、前回の小冊子を作った時よりもデザイン、写真、編集すべてにかなり力が入ったものになっています。レシピ以外のところでも見て楽しい、空気感を感じていただけるんじゃないかなと。イラストが入ったり、あそびごごろがちりばめてあるので、そのあたりを見ていただければうれしいです。
●奥田桜子さん
うれしいです！本になるにタイミングで、タイトルが“やさいのおつまみ”に変わったので、お店っぽい感じや、夜っぽい感じを表紙デザインで表現しました。中面は小冊子のイメージを活かしながら新しい部分も追加して作りました。見どころは、レシピを季節ごとにわけて掲載しているところです。野菜の旬にあわせて楽しめる紙面作りは、とても見やすいと思います。

『裏通りの飲み食い処がおしえるやさいのおつまみ』
やまさききよえ（著）（池田書店）
1260円
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飲み食い処『のひのひ』
153-0051
目黒区上目黒3-16-4 長岡ビル3F
Tel＋Fax　03-6412-8680
営業時間17:00〜24:00
日曜休み　祭日不定休み
http://nohinohi.exblog.jp/