インタビュー/記者会見

「最後まで絶対このパワーで弾き続けるぞっ」
DVD『THE LIVE』が2月5日(水)発売!
ピアニスト・清塚信也インタビュー!

kiyozuka_01.jpg年間120本以上にわたるコンサート活動と平行して、ドラマ『のだめカンタービレ』や映画『神童』で吹き替え演奏をつとめ、映画『さよならドビュッシー』(監督:利重剛、2013年1月公開)では待望の俳優デビューを飾り、ますますエンターテイナーとしての魅力を発揮している清塚信也。彼のライブDVD『THE LIVE』が2月5日(水)に発売された。
2013年11月に開催された【K'z Piano Show 2013笑得るクラシック】の中から、ファイナルを飾った東京オペラシティの公演を完全収録。
『月光』を始めとしたクラシックの名曲から、このツアーの為に書き下ろした新曲『vision』『日々』、本公演最大の見せ場でもある『ガーシュウィン・メドレー』など、ピアニスト&エンターテイナーとしての魅力を凝縮。映画『さよならドビュッシー』の中で演奏して以降問い合わせの多い『月の光』も収録。
DVD『THE LIVE』の発売に合わせて、今までの活動や本作の魅力について話を聞いた。

――ピアノを始められたきっかけは?

清塚:母が音楽が大好きで、小さいころヴァイオリンやピアノを弾きたかったようです。ただ、祖母が音楽に価値観を見いだせる人ではなかったようで「そういうことを職業にするのはどうなの?」って、習わせてもらえなかった。その思いがあって、自分の子供には音楽を習わせようと、姉にはヴァイオリン、僕にはピアノをと考えていたようです。まだピアノを習い始める前のことですが、姉の音楽教室に母につれられて一緒に行っている間に、ソルフェージュが自然にできるようになっていた。楽器を習い始めていない3〜4歳のころに、すでにディクテーション(聞き取り)ができたんですよ。母は、もともと姉が本命だったみたいなんですけど、僕にも本格的に「できそうだから、やらせるぞ!」って。
注※ソルフェージュ=楽譜を読むことを中心とした基礎訓練(音符の読み書き、リズム感、聴音力、音感など)

kiyozuka_02.jpg――中村紘子さんに習われたとうかがいましたが……。

清塚:母の憧れもあって、ピアニストなら中村紘子さんと決めていたようです。面識はなかったのですが、母がいきなり電話をかけたんですよ。そのころ全日本学生音楽コンクール全国大会中学校の部で第1位をいただいたこともあって、紘子先生もちょっと振り向いてくれたんです。それから、少しずつレッスンをしていただけることに。紘子先生から学んだことは、舞台上で華やかに見える弾き方。ピアノコンチェルトでは、オーケストラとの調和の取り方。また、どういった演奏が観客が喜ぶのか。「ここはフォルテひとつだけれど、もっと強くすると観客が沸くよ」、「ここはテンポを退いた方が……」など、より実践的な演奏方法をたくさん教えていただきました。聴衆ありきの演奏方法ですね。
「技術的なことは自分でやってきなさい。上手く弾けることは当たり前よ」って。それより下のレベルでレッスンに来たらすぐに辞めさせるからと言われていました。怖かったですよ。

――18歳でロシアに留学されたと……。

清塚:ロシア滞在の2年間で、上手くなることも大事だけど、自分をどう売り込んでいくかということが大切なんだと学びました。
留学は、出世街道の一環として見られがちなんですけど、逃げ道でもあるんです。一般社会のように新卒で即就職みたいなことは音楽家には、ほとんどないんですよ。人気は徐々に出て来るものですし、デビューも卒業したからって、すぐにできるものではない。音楽家として食べていくには時間がかかるし、それには演奏が上手いだけじゃダメなんです。人気商売ですからね。そういうことから、卒業して、これからどうしようかなって迷った時に、留学って都合が良いんです。時間もあるし、勉強を続ける名目でね。
一方では、自己満足に陥ってしまう危険もある。海外で暮らすことは大変なので、生活しているだけで、「自分はがんばっている」と思ってしまう。でも、実際はキャリアとしては、ストップしていることも。
現地の音楽にふれて勉強になることも多いけど、それが即ピアニストになれる道というわけではない。ロシアの作曲家について詳しくなったからといって、そんなことは聴衆には伝わらないでしょ。その危機感から、僕はこれからピアニストとして生きていくには、マーケティングはどこにするべきなのか?と。どうすべきかと考えるようになりました。

kiyozuka_03.jpg清塚:マネージメントを考えた時に、まずは、みんなに知っていただかないことには、コンサートを開き、自分の演奏を聴いてもらうことは無理だなと。それから、映画やテレビ、ラジオなど音楽が一緒になれそうな媒体で活動して認知度を高めようと考えたんです。様々なところに出向きましたね。門前払いを食らうこともありました。そんな中、『神童』という映画の萩生田宏治監督と出会いました。こういった場面ではピアニストはどういうことを考えるのか?など、リアリティを追求するための相談を監督から受けるようになり、だんだんと親しくなって、主演の松山ケンイチくんの吹き替え演奏も任せていただけることに。
映画に携りピアノを弾くことは楽しかったですね。僕は、中学のころから映画が大好きで、いつか関われたらなと思ってもいました。だから意識せずに、どこかで準備をしていたみたいで、その世界にすんなり入っていくことができました。カメラが回っているからといって、緊張することもなかったですね。表情は映らないでしょ。どちらかというと、松山くんへのアドバイス、ピアニストとしての演技指導というところに重点をおいていましたので、自分の録音は、いつも通りに弾けばいいやって。アドバイスの点では松山くんは、クラシックに関してはゼロからのスタートで、スタッフの方もクラシックに精通されている方はいなかったので自由にやらせていただけたこともあり、いい経験になりましたね。

――どういったところをアドバイスされましたか?

清塚:ピアニストが演奏する仕草ですね。これっていちばん重要じゃないですか。いろいろなピアニストが登場する作品を観ていていつも、どうしてもわざとらしい気がしていたので、どうしてか考えてみました。経験のない人が、ピアノを弾く動作をすると、上から叩き付ける感じになってしまう。ピアノの鍵盤は、上から下に弾く動作と思っているみたいなんでね。この動作はピアニストは絶対しない。むしろ、鍵盤に置いた手を上にあげる仕草の方が多いんです。じゃないとミスタッチしますよね。距離が遠いと目測を誤る可能性が高いでしょ。松山くんには、決めのところでは下から上に跳ね上げるようにアドバイスしました。それだけで全く違いますね。手元は僕の吹き替えがありますから、それ以外のシーンで思いっきり手を振りあげる練習をしました。
僕自身も演奏の指導ではなく、演奏演技の指導という新しい指導の形を憶えました。ピアノを弾けない人にとっては、ピアニストの常識は通用しないんです。その映画での指導が、人づてに伝わり『のだめカンタービレ』のお話をいただきました。
現場としては映画とほとんど変わらなかったんですけど、ドラマは時間がタイトでしたね。撮りながら放送といった感じで。スピードが勝負。映画での経験を活かしながら進めたのですが、弾き間違えるシーンは苦労しましたね。どれくらい間違えるのか? どうやって間違えたらテレビ的に映えるのか? とか。
『のだめ』は、原作が漫画なので実際には、音大生にはありえない間違え方をしないといけないんです。どのくらいのさじ加減が良いのか、一晩中かかってプロデューサを交えて考えました。その結果、僕はリアリティばっかりじゃなくて、時にはありえない演出も必要だということを学びましたね。コメディはとても面白かった。

kiyozuka_04.jpg――その後、舞台『ジョルジュ』に出演と……。

清塚:『ジョルジュ』に関しては演技というよりは、ショパンらしいたたずまいでピアノを弾くという感じで、セリフはなかった。以前舞台の音楽監督を任された時は、シェイクスピアの古典を演技している横で、ピアニストが生演奏するという演出をしたのですが、そういった舞台にも携っていたし、個人的にもよく観に行っていたんです。役者の友達も多いですし、こちらもすんなりと入っていくことができました。

――映画『さよならドビュッシー』では、岬洋介役として俳優デビューされましたが……。

清塚:演技はほとんど経験がなかったので、オーディションでは、その場で実演し、利重剛監督にOKをいただきました。
監督からは、素の感じでといわれたんですけど、カメラも回っているし、ストーリーもあるから難しいかなと最初は思っていたんですけど、橋本愛ちゃんのピアノの演奏演技指導をレッスン室でしていましたので、カメラが回っても、その延長といった感じで演技ができました。映画を観ていただくとわかるんですけど、ワンカットがすごく長いんです。本職がピアニストなので、手元と顔を一緒に写せる。吹き替えの場合は物理的に画面を切りかえないといけないけどその必要がないので、もっと長回しよう、と監督が。愛ちゃんが部屋に入ってきて、ピアノを演奏している僕を見つけて、カメラが寄ってずっと長回しで演奏を撮るという登場シーンでした。
僕がアドバイスをするシーンも長回し。コンクールの楽屋から舞台まで、先生と生徒の会話のシーンで緊張している愛ちゃんを励ましたり……。セリフや台本はあるんですけど、動きによっては言葉や動きが足りなかったりもするので、アドリブも必要でした。レッスンのシーンに関しては監督の脚本だったこともあり、監督から「本当に教えてるように会話してください」と、自由に演技させていただきました。自分のシーンが終わったら次のシーンまで、愛ちゃんが弾くシーンをモニタで監修して「今、ちょっとズレたから」などと指示をし、「出番です」って声がかかれば、演技に戻り、映画好きにはたまらない仕事でしたね。戸田恵子さんだったり、憧れの女優さんとの演技も、ピアニストの演技指導をしながらの役だったので、緊張しないで演技ができました。「ピアニスト役だから良かったんじゃないか」って友人の俳優さんたちに言われることもありました。だから、次回はピアニストではない役をやりたいですね。今、役者としてのトレーニングもしています。

kiyozuka_05.jpg――それでは、今回発売のDVDについてお聞かせください。コンサートの前半はピアノの名曲を揃えられていますが……。

清塚:コンサートははじめてですというような、いわゆる、一見さんを大切にしたいんです。もちろん、元々のクラシックファンの方も大事にしたいんですけど。
クラシックを聴いたことがないという人に、どこかでは聴いたことはあるけど、よくは知らないといった曲をコンサートで聴くことで、それを入口にしてクラシックに親しんでいただきたい。そういう思いでプログラミングしています。また、ただ演奏するだけではなく、その曲が出来たエピソードなど、隠された作曲家の思いとか、そういうことはご存じない方が多いので、そういったこともセットにしてお届けする。それが僕のスタイル。

――リストの手の大きさの話しなどは興味深かったですね。

清塚:そうなんですよ、彼は手が大きいのですが、あの手の大きさは、速いパッセージ、細かい動きの多いショパンの曲を弾くには逆に邪魔なんですよ。
人ってちょっとでも情報を得ると心が開きますよね。そういったことを知っていただくことで、クラシックを「なるほどなぁ〜」って感じで聴いてほしい。
後半はオリジナルで始まって僕のアレンジの作品が続くんですけど、そこは、すごく純粋な感じで音楽を聴いてほしい。

――クラシックをアレンジすることはできないのでしょうか?

清塚:クラシックのアレンジをするくらいだったら、自分で作曲をしますね。
オリジナルにアレンジをするんだったら、ショパンの意味があるのかな?って。クラシックは伝統の重みといったところがあります。落語みたいなものですね。同じ話でも演じる人によって面白さが違うと。よく知っている人には、この後、あのオチが来るぞ!って、そこが楽しみだったりもしますよね。クラシックもそういう違いを楽しむことができるんです。やっぱり、伝統を大切にしたいので、オリジナルじゃないと純粋に表現できないですね。

kiyozuka_06.jpg――DVDを拝見して、とても手が綺麗といった印象でしたが……。

清塚:吹き替えをしていることもあって、よく「お手入れをされていますか?」って聞かれますけど、まったくしていないんです。僕はそういった手入れが嫌いなんです(笑)。
バッティングセンターに行った後などは、手にタコができていたりするんですよ。傷もけっこうあります。でも、日常生活では酷使はしていないので、そのせいかな?

――リストの超絶技巧練習曲第4番ニ短調『マゼッパ』を演奏されているシーンは迫力がありますね。

清塚:リストでは当時の超絶技巧を今でいったらこれくらいといった感じで表現したいという考えから、あの速さになりました。当時はまだ迷信深い時代ということもあって「悪魔に身を売って手に入れた技術」ではないかと噂されたくらいのテクニック。200年前のその驚きを再現してみました。200年前の作品を生で届けることができるのは音楽だけだと思うんですよね。そこが醍醐味でもあります。
このDVDを観られた方が、生で演奏を観てみたいと思っていただけたら、嬉しいですね。

――演奏を観てパワーに圧倒されました。

清塚:手が小さいといったハンディキャップがありますが、僕はパワーはあるんです! 精神的、体力的にタフです。ショパンの『英雄ポロネーズ』とリストの超絶技巧練習曲第4番ニ短調『マゼッパ』を演奏した後はヘトヘトですね。夏場などは1キロくらい体重が減ります。瞬発力よりも持続力が大切。その後は、最後まで絶対このパワーで弾き続けるぞっていう精神力しかない。どちらかというとスポーツとしての精神力だと思っています。サッカーや野球を今でもやっていて、そこで培った精神力かなと。体を動かすことも大好き。いつも、車にバットを積んでいます。バッティングセンターでは、120キロから始めて140キロまで。2時間は打ちますね。

kiyozuka_07.jpg――ジョージ・ガーシュウィンのメドレーでは?

清塚:ガーシュウィンは『のだめカンタービレ』で有名になった曲。クラシックというにはジャズよりで、でもジャズかといえばクラシックといった不思議な感じ。『ラプソディ・イン・ブルー』をメインに『サマー・タイム』、『アイ・ガット・リズム』などを演奏しています。ミュージカルや映画音楽を手がけた第一人者でもあり、クラシックとポップスを結びつけた人といってもいいかもしれません。彼はアメリカ音楽の父。ピアニストということもあり、ピアノを魅せるシーンも多い。演奏するピアニストにとっては、見せ場の多い美味しい曲でもありますね。メロディーがキャッチーなところも気に入っているので、今はコンサートのメインとして演奏しています。

――今後はどのような活動を?

清塚:いろいろとやりたいですね。芝居は音楽とは関係ない場面でも演じてみたい。作曲家として映画やドラマの音楽にも携りたい。映画の全編音楽監督は、まだ経験がないんです。舞台の演出も挑戦してみたいですね。コントを取り入れた笑いを誘うピアノの舞台とか……例えば、ショパンやリストの関係は、笑えるエピソードがいっぱいあるんですよ。
今回のDVDは演奏シーンのライブ映像でしたけど、今後はコントが入っていて、お笑いのコーナーにも置いてもらえるようなDVDを発売したいですね。
もちろん、作曲をしてオリジナルCDも発表したいです。けれど、オリジナルは難しい。コンサートでもオリジナルだけでは、なかなかお客さんに喜んでいただけない。オリジナル曲の信頼性が必要になってくる。映画音楽やドラマのテーマ曲、CM音楽など、信頼を築きあげてからですね。曲は、かなり作っています。今後にご期待ください。


kiyozuka_08.jpgDVD『THE LIVE』
2014年2月5日(水)発売
COBO-6524 ¥3,800+tax

【収録内容】

1.オープニング
2.ベートーヴェン:月光〜第1楽章〜
3.ドビュッシー:月の光  
4.ドビュッシー:アラベスク第1番 
5.ショパン:ノクターン第2番
6.ショパン:幻想即興曲
7.ショパン:小犬のワルツ
8.リスト:愛の夢
9.ショパン:英雄ポロネーズ
10.リスト:超絶技巧練習曲第4番ニ短調「マゼッパ」

11.清塚信也:vision
12.清塚信也:日々 ★アスカコーポレーション企業CM曲
13.Four Seasons Medley(清塚信也編)
・松任谷由実:春よ、来い
・久石譲:summer
・コズマ:枯葉
・坂本龍一:戦場のメリークリスマス
14.ポンセ:間奏曲
15.ベートーヴェン:熱情 〜第3楽章〜
16.ガーシュウィン(清塚信也編):ガーシュウィン・メドレー

<アンコール>
17.モーツァルト(清塚信也編):トルコ行進曲
18.清塚信也グランドメドレー(清塚信也編)

★特典映像 
 清塚本人による「幻想即興曲」(ショパン)、「マゼッパ」(リスト)のワンポイントレッスンを収録

<清塚信也『THE LIVE』特典情報>
封入特典:プレゼント応募アンケート
清塚信也『THE LIVE』に封入されているアンケートにご回答頂くと、下記プレゼントが抽選で当たります!
A賞:清塚信也『THE LIVE』発売記念プレミアムイベント 東京・愛知にて開催決定!
各会場15組30名様をご招待
B賞:清塚信也 新曲『vision』サイン入り直筆楽譜(※)を30名様にプレゼント
※詳細は、コロムビアHPにて随時更新
http://columbia.jp/kiyozuka/

■コンサート情報

清塚信也★DVDリリース記念スペシャルコンサート 
2014年3月20日(木)開演:19:00
【追加公演】清塚信也★DVDリリース記念スペシャルコンサート 
〈ガチクラ!「ショパンVSリスト」〉
2014年3月20日(木)開演14:00
銀座ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)TEL 03-3572-3171(代)

■清塚信也OFFICIAL WEB SITE:http://shinya-kiyozuka.com/











エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2014 / 02 / 05

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