インタビュー/記者会見

「大切にしてきたことは、きちんとした現実感」
ベストアルバム『tamuLAPIN』が3月26日(水)発売!
たむらぱんインタビュー!

TAMURAPAN_PH001.jpg“たむらぱん”とは、田村歩美(たむら あゆみ)のソロプロジェクトで、作詞・作曲・アレンジはもちろん、アートワークまで手掛けるマルチアーティスト。2002年より音楽活動を開始し、2003年3月には自主盤『たむらぱん』を発表。2007年からSNS“MySpace”においてみずから楽曲プロモーションを開始し、4カ月で24万回のストリーミングを達成。それがきっかけとなり2008年4月23日にメジャーデビューアルバム『ブタベスト』をリリース。その後9枚のシングルと6枚のアルバムを発表し、近年は『Dr.kyOn』、『HALFBY』、『Shing02』、『SNUFF』、『齋藤ネコ』などとのコラボレーションも実現させている。
また、クリエイター・田村歩美としても活動しており、渋谷PARCOでの絵の展示会、ロッテ「Fit's」をはじめとした数々のCM歌唱。そして『私立恵比寿中学』、『豊崎愛生』、『松平健』、『中川翔子』、『剛力彩芽』など多彩な面々への詩曲提供など、多岐にわたる活動でその才能を発揮している。
本日3月26日(水)にキャリア初のベストアルバムが発売。彼女の数多いレパートリーの中から厳選した2枚組の作品となり、初回盤付属のDVDには、本人セレクトによるPV集も収録。初回限定盤のジャケットは、個展を開催するなど絵の才能も高く評価される彼女が書き下ろしたイラストを使用。本人によるイラストのジャケット起用はメジャーデビュー以降初となる。
今回は、ベストアルバム『tamuLAPIN』の発売に合わせて、デビュー前から現在までの活動、そして本作の魅力について話を聞いた。

——まずは、デビュー前のお話しからうかがいます。
少女時代の田村さんは?
たむらぱん:少女時代ですか? う〜ん、普通に学校に行っていました。ひとつの趣味に没頭するとかはなかったかな?
——小学生の時にアマチュア無線の免許を取得されたとか?
たむらぱん:友達のお父さんが、アマチュア無線の免許を取るという話を聞いて、おもしろそうだなって。当時、トランシーバーが流行っていて、免許を取ったらトランシーバーを買ってもらえるんじゃないか、と。無線はやったこともなかったし。勉強して友達のお父さんと一緒に受験しました。勉強といっても意味がわからないので、ただ暗記するだけでしたけど。合格した後に無線機を買ってもらって、でも、交信するといっても、まだ、小学生だったので、世界と繋がるってことが恐くてできないでいるうちに、あれよあれよと携帯電話が普及し、結局使わなくなってしまって(笑)。
——その後、なにか趣味などは?
たむらぱん:中学からクロスカントリー部に。
——クロスカントリーですか?
たむらぱん:小学校の時には、授業でバレーやバスケをやっていたので、中学ではやったことのないスポーツを、と。学校にクロスカントリー部があったので、これだって思いました。
——練習はどこでするんですか?
たむらぱん:出身が岐阜県で、飛騨高山には冬は雪が降るので、地元の標高の高い山に合宿に行ったり、2年生からは北海道や新潟にも合宿へ。冬休みはもちろん春休みや夏休みも合宿に行きました。

TAMURAPAN_PH002.jpg——音楽にめざめたきっかけは?
たむらぱん:突然やりたいって思ったわけではなく、高校のころ文化祭などのイベントで「じゃあ〜、コピーバンドやる?」といった感じでした。
——それまで楽器の経験はあったのですか?
たむらぱん:小さいころにちょっとピアノは習っていて……。
——バンドではピアノを演奏されたと?
たむらぱん:いえ(笑)。バンドでは、歌う時もあれば観る時も。
——“観る時”ですか?
たむらぱん:友達とガッツリとバンドを組むという感じではなく、イベントの時に入れ替わり演奏する。なので歌ったりお客さんになったり。当時は楽器の演奏はしていなかったです。大学でもイベントがあれば参加していました。まだ、自分で曲を作ってミュージシャンになりたいって感覚ではなかったですね。
——学生時代はどんな音楽を聴かれていたんですか?
たむらぱん:主にJポップです。でも、高校になるとハードロックを聴くようになりました。バンドをやっている友達が多かったので教えてもらったりして、音楽の知識は豊富でした。
——ハードロックということですが、バンドではハードロックを歌われたんですか?
たむらぱん:人生で初めてカバーして歌った曲はMr.Bigでした。
——Mr.Bigですか! 叫んだりとか?
たむらぱん:その時の曲はバラードだったので、叫んだりはなかったんですよ(笑)。ロックバンドのプレイヤーも好きになったりと、今いろいろとアレンジする中でその時の知識が役だっていると思います。
——アレンジする時のピアノ以外の知識はバンドから?
たむらぱん:自分のわかっている音の範囲でイメージします。ギターパートは、ピアノを使ってエフェクターでギターの音色を出して。曲作りの中からドラマーの限界がわかりました(笑)。なにが同時に叩けないのかとか……。でも、基本そういったことは無視して欲しい音だけ入れて、後はプレイヤーに再現してもらっています。

TAMURAPAN_PH003a.jpg——その後に本格的に音楽を目指すようになったきっかけは?
たむらぱん:大学を卒業する時に、自分のやりたい仕事のイメージとして「自分が作ったもので、自分以外の人も楽しめる仕事がしたい」と。そう考えた時に、音楽って魅力的だなって。もともと文章を書くことも好きだったし、ビジュアル的なことにも興味がありましたから。
——“たむらぱん”という名前で活動を始められたのは?
たむらぱん:作り手と送り手を自分の中で分けたかったんです。今も作詞作曲や他のアーティストへの詩曲提供は本名で、自分でやる時には“たむらぱん“という名前を使います。表現者としての“たむらぱん“。自分であって自分じゃないってところが私の中で大切な部分だったり、表現する時に変身できるかな? みたいな。
——“たむらぱん”という名前にした理由は?
たむらぱん:そこは深い意味はほとんどなくて(笑)。田村の“ら”から繋がる言葉で意味合いもイイ感じでと考えて、フランス語のLAPIN(うさぎ)を選びました。名前をつけたことによって、今では気になる存在になりましたね(笑)。
——“MySpace”で楽曲のプロモーションをされたのは?
たむらぱん:大学卒業の時にデモテープを作りレコード会社に送ったりする中で、新人発掘を担当している方と知り合い、その人と一緒にインディーズで活動するようになりました。レコーディング(CD発売)やライブ活動などを続けたんですけど、そのサイクル以上のところにたどりつけなかったんです。音楽を始めたからには、きちんとプロとしてデビューすることは通過点だと思っていました。なにをすればそれが変わってプロになれるのかが、わからなかったんです。そんな時に“MySpace”の日本版が始まるというニュースがあって、それを表現の場所とすれば、たくさんの人に楽曲を聴いてもらえるじゃないかと。だだ待っているだけではダメだと思い、メッセージを送らせてもらったりと、いろいろとプロモーションもしました。それがデビューのきっかけになりました。

TAMURAPAN_PH004.jpg——メジャーデビューされて、現在までに9枚のシングルと6枚のアルバムを発売されました。
作品作りについてお話しをうかがいます。
作詞にあたってのコンセプトやテーマなどデビュー当時と現在で変わられたところは?
たむらぱん:デビューから今までをトータルで考えたら、変化したところはなかったかなと思っています。当初から大切にしてきたことは、きちんとした現実感。でも生々しくなくて、ちゃんとエンターテイメントとして非現実的な世界も描かれている。日常の風景を詞に落としこんだり、そこは意識をしているところ。最終的にはポジティブであるのが、自分の中のひとつのエンターテイメントのかたち。なんだかんだあって100%大丈夫はないけど、なんとなくそこに近づける感じかな。昔から大事にしていて、そこは今も変わらないですね。
——「ちょうどいいとこにいたい」といった感じですか?
たむらぱん:そうですね。
——「でんわ」では、前まで見かけた近所の人が、この頃一度も会わなくなったという……、私もそういった経験があってすごく気になりました。そういった、日常の風景のピックアップはどういったところから?
たむらぱん:メモったりは基本的にはしないんですけど、私の場合はリアルタイムなことより、思い出して書いていくことが多いですね。そのほうがちゃんと情報が整理されるんです。日常の風景を詞に落としこんでいく中で、まさに今みたいな感想を思ってくれたりとかあったりするんですけど、そこは理解してもらってもしなくてもどっちでも良いんです。なにか心にちょっとした刺激があるようなことは書きたいなと思っています。
——最新アルバムの「love and pain」の詞は興味深いですが?
たむらぱん:いちばん新しいアルバムは、それまでの作品の中では、ちょっと特殊な立ち位置のアルバムになりました。人をテーマに作ったアルバム。自分のイメージでしかないんですけど光と影のような表裏一体という存在感をだしたくて、“痛み”と“愛”も同じことなのかなって。

——次に曲作りやアレンジについて教えてください。
『おしごと』や『ファイト』では、曲調が2転、3転としますが、こういった曲の作り方とは?
たむらぱん:私の場合は、主旋律が曲のすべての軸になっていて、そこからアレンジをする感じ。これらの曲の場合もそういった詞メロができて、そこから徐々に形になっていきます。
——最初に骨格があるんですね。詞とメロディが同時に出来るんですか?
たむらぱん:そういう時がほとんどで、その部分がうまく出てきた時は早く形になりやすいですね。バラバラしたものだとまとまらない。そこが重要なポイントです。
——テンポだったり、曲調が急に変わったりしますが、その部分は?
たむらぱん:最初の詞メロがイメージできた時にテンポとか雰囲気とか景色も決まっている感じです。それを現実の音に変換していくんです。最初に詞メロのイメージがしっかりとできなかった曲は作品になっていないですね。

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たむらぱん 6th ALBUM 『love and pain』

——今年2月に行われた『love and pain TOUR』について教えてください。
ライブの前半がアルバム『love and pain』の収録順の全曲演奏でしたが……。
たむらぱん:最初から決めていました。このアルバムに関しては全曲やりたいと思っていたし、最後に入っている曲は最後にやりたかったという中で、曲順を動かすことができなくて、やっぱりアルバムの曲順がいちばんだからとそのままやることに。
——その後は一気に盛上がってという感じでしたが、反響はいかがでしたか?
たむらぱん:その豹変ぶりがすごく面白かったと。それって自分の作品作りにも似ているんですけど、その雰囲気がライブでも表現できたと思っています。途中からは難しいことはなしよって、その変わりっぷりがよかったかな。こういった曲順でライブをやったのは初めてでした。『love and pain』というアルバムだからできたことです。

——それでは、今回のベストアルバム『tamuLAPIN』についてお聞かせください。
アルバムの曲順は年代順に並んでいますが、Disc1、Disc2のセレクトの意図は?
たむらぱん:本当はDisc1、Disc2と明確に曲を分けたかったんです。明るい曲と暗い曲といった感じに。でも、私の曲は一曲の中でもその幅が大きくあったりするので、なかなか分けずらくて、Disc1はちょっと楽しげ、Disc2はちょっと悲しげといったように、漂うような、ふわっとしたセレクトになってます。
——年代順は最初から決められていたんですか?
たむらぱん:時期によって質感が様々なので、あまりバラバラと混在させたくなかったんです。
——私のイメージなんですけど、1〜3枚目まではポップでメロディアス、4〜5枚目は音数や曲の展開が多く、6枚目はシンプルでといった印象ですが……。
たむらぱん:そうですね。まさに6枚目は、音を排除していくことをメインに作ったアルバムです。言葉をいちばん大切に。なので音の雰囲気はそういった感じですね。前作では、いろいろな方とコラボしたりアレンジも足していくということをメインに制作をしたので、それを経て明確に残したい部分だけを入れたアルバムが6枚目。そこまでが入っていることがベスト盤として良かったのかなって。6枚目を作っている時には、まだベスト盤の話はなかったんですけど、6枚目までが入っていなかったらベスト盤を出すことはイヤだったかも。

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たむらぱん BEST ALBUM 『tamuLAPIN』/初回盤

——今回のベスト盤のジャケットは、自身の書き下ろしたイラストを使用されたということですが、アートに関する思いを教えてください。
たむらぱん:絵に関しては、まだ多くは発表していないんですけど、曲の世界と共通して「ありそうでなさそうで、でもあったらいいな」って感じのニュアンスを残していきたいなと。ジャケットでもそうなんですけど、ビジュアルのイメージはきちんと作っていきたい。
——曲を作っている時にビジュアルが浮かんだりとか?
たむらぱん:ビジュアルイメージは最終的にまとまってからですかね。その曲に対しての映像(景色)のイメージはありますけど。それはミュージックビデオを作るときなどには必ず反映されています。

——今回は初回限定盤には、DVDがセットとなり、ミュージックビデオが12曲収録されますが、ビデオ制作のイメージ作りは?
たむらぱん:実際の細かな動きなどは、監督が作りあげてくれるんですけど、メインとなる世界感や色合いや歌詞の状況に沿う沿わないといったところは、細かいけど大ざっぱなたとえで伝えます。あまり決めてしまうのも良くないと。スピード感は伝えたりします。
——スピード感ですか?
たむらぱん:風の速さとか。
——風の速さですか?
たむらぱん:そこは私と監督の信頼関係というか……。「ラフ」のミュージックビデオを制作する時には、画面の中に風を感じられるようにと。その風の質感が「首都高じゃなくて、第三京浜なんだ」と。
——難しいですね!
たむらぱん:監督には、そういうことをいって感じ取ってもらってます(笑)。

——最後に今後の活動について教えてください。
まずは、次回の“drawdraw music” TOURについて。
たむらぱん:ライブとして自分ひとりでツアーをまわるのは初めてなので、どうやってひとりでライブの表現をするか? それとあわせて絵の展示があるので、その空間作りなども大切になります。絵とともにひとつのライブとしての形を作っていきたいです。絵はこれから書き下ろすつもりです。
——ベスト盤が発売されて、一段落かと思われますが、今後の楽曲制作は?
たむらぱん:ベスト盤だからといって、まとめというイメージはなくて、どちらかというと通過点的な感じです。一休みという感覚もなく次の作品作りをします。前回と同じような作品を作っても面白くないので、6枚目とはまったく正反対なものを作っても面白いかなって。『love and pain TOUR』ライブの後半のような曲ばっかりという展開も。同じじゃないところを狙ってできたらいいですね。
——次回は「love and pain」とは、ガラッと違った作品になるんですね。
たむらぱん:はい! お楽しみに!

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たむらぱん BEST ALBUM 『tamuLAPIN』/初回盤


★たむらぱん BEST ALBUM 『tamuLAPIN』
2014年3月26日発売 
初回盤COZP-900-902 ¥3900+消費税
通常盤COCP-38479-80 ¥3000+消費税

【アルバム詳細】
http://www.asobist.com/news/n140219-02.php



★TAMURAPAN “drawdraw music” TOUR

6月7日(土)
東京:原宿 VACANT SOLD OUT!
開場16:00 開演17:00
6月8日(日)
東京:原宿 VACANT SOLD OUT!
開場16:00 開演17:00
6月15日(日)
京都:元・立誠小学校 講堂
開場16:00 開演17:00

追加公演
6月22日(日)
東京:六本木 Super Deluxe
開場17:00 開演18:00

チケット
¥4000(税込み) [全自由]
※4歳以上有料
※東京公演:ドリンク代別途必要
※絵の展示に関しましては開場時・ライブ終演後に、会場内でご覧いただけます。


絵の展示 無料観覧のお知らせ
6月8日(日) 原宿VACANT 10:00〜14:00
6月15日(日) 元・立誠小学校 木工室 10:00〜17:00
※上記日時にて、ライブチケットを持っていない方も、
会場内に展示している絵を自由にご覧いただく事が出来ます。
※入場は無料となります。
※ライブにご来場いただくには、チケットが必要になりますのでご注意ください。

■お問い合わせ
東京公演
京都公演
キョードー東京 0570-550-799
夢番地 06-6341-3525











エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2014 / 03 / 26

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