インタビュー/記者会見

映画『U-31(ゆーさんじゅういち)』
主人公・河野(馬場良馬)の先輩役、
根本正勝、中村誠治郎にインタビュー!
根本「誤摩化しの効かない場所に進んでいく覚悟」
中村「演技自体が20代とは変わってきました」

U-31_0801_001.jpg2016年にジェフユナイテッド市原・千葉は25周年を迎え、これを記念した映画『U-31(ゆーさんじゅういち)』を制作。原作は、大人気サッカー漫画「GIANT KILLING」の原作者である綱本将也により「モーニング」にて連載されたサッカー漫画「U-31」。主演を務めるのは数多くの映画、舞台、ミュージカルで活躍中の馬場良馬(スーパー戦隊シリーズ「特命戦隊ゴーバスターズ」)。また、ライバル選手役に中村優一(「仮面ライダー電王」)。その他、業界でも有名なサッカー好きである、大杉漣、勝村政信、谷村美月らが脇を固める。
4月に行われた「島ぜんぶでおーきな祭 第8回沖縄国際映画祭」でワールドプレミア上映され大盛況だった本作が、いよいよ8月27日(土)より劇場にて公開!当サイトでは3週に渡って、主演の馬場良馬を始め、中村優一、根本正勝、中村誠治郎、谷健二監督のインタビューを連載していく。初回となる今回は河野(馬場良馬)の先輩を演じた、根本正勝(笠原隆輔役)と中村誠治郎(成田剛士役)に本作の話とユニット『Ash(アッシュ)』の音楽活動について話を聞いた。

<STORY>
河野敦彦、31歳。職業・プロサッカー選手。強豪チームにクビを言い渡され、古巣の弱小チーム・ジェム千葉に戻ってきた彼は、そこで再起を賭けることにした。移籍の条件は、背番号『10』を付けること。しかし、待っていたのは、「元・日本代表」というかつての栄光をネタにしようとする経営側の考えと、全盛期を過ぎたにも関わらず背番号『10』をもらった彼に対する、若手選手たちの冷やかな視線だった。それでも、河野は黙々と練習を続ける。やがてそんな彼の姿に、ひとり、またひとりと影響を受けるようになっていく ......これは「戦う」ことを選択したひとりの男の、静かな、しかし内なる熱い思いを描いた魂の物語である ――。

U-31_0801_002.jpg尾崎●主人公・河野は、31歳の全盛期を過ぎた人生の岐路に立たされたサッカー選手ですが、根本さん、中村さんは、それぞれのチームの先輩という設定で、演じるにおいて心がけたことは?
根本▲作品全体に渡って、河野の良き先輩という部分が描かれています。僕自身もふたりの関係性が大好きです。河野は、そろそろ引退という葛藤の中、古巣のチームに戻って来ることによって、自分(笠原)も刺激を受けて、もう一度輝きたいという思いがあります。河野を諭しながらも自分にも言い聞かせている部分もあり、そこに笠原の人間らしさを感じています。そういった気持ちを考えながら演じました。
中村▲30歳という年齢は、サッカー選手に限らず様々な人が人生において考える年齢だと思うんです。この作品での成田は、河野のことを羨ましいと思っています。成田には妻子がいて、河野のようには挑戦できない。そのもどかしさのような感じも含めて演じました。

U-31_0801_003.jpg尾崎●主人公・河野は31歳で大きなターニングポイントを迎えますが、役者としての30代というのは、おふたりにとってはいかがですか?
根本▲役者として30代は、まだまだという部分と、もう中堅どころといった立場もあります。上の世代の先輩方と共演した時には、30代なんてまだまだだよって言われることもあります。でも、自分が20代の時には30代ってすごく大人に見えていました。自分が30代になって思うことは、30代で勝負できた役者が40代以降の世代を担っているんだと。僕らの世界も避けては通れない道ということもあり、今回の作品は自分の人生とリンクする部分が多かった。誤摩化しの効かない場所に進んでいく覚悟みたいなものを30歳になった時に感じました。役者人生を続けるなら、納得のいく芝居を追いかけようと深く考えるようになりました。
中村▲29歳から30歳になる時に「このままで、良いんだろうか?」と、悩みました。しかし、30歳を越えて、逆にふっきれたというか、仕事に対する取り組み方が変わりました。20代も楽しんで演じていましたが、30代はもっと楽しい。体力的には劣ってきますが、アクションシーンなど今までの経験から力の抜きどころが分かってきました。演技自体が20代とは変わり役に対する責任感も強くなりました。

U-31_0801_004.jpg尾崎●おふたりは、ユニット『Ash(アッシュ)』として、音楽活動もされていますが、そのきっかけについて教えてください。
根本▲俳優活動をしていたことが『Ash』結成のきっかけでした。当時、ふたりが出演していた舞台『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 舞一夜』でのことですが、舞台のプロデューサーから「音楽に興味はないの?」という会話から始まり「僕ら音楽大好きです!」と盛上がり「ふたりで1曲、やってみる?」といった感じで、とんとん拍子に話が進んでいきました。
中村▲イベントの合間の休憩時間の会話でしたね。
根本▲まさか、そこから現実になるとはというくらいの雑談でした。
尾崎●それまでは、音楽活動などは?
中村▲僕は、学生時代からバンド活動をしていました。でも、ほんとうに音楽をやることになるとは思っていませんでした。

U-31_0801_005.jpg尾崎●その曲というのは?
根本▲「With You」というタイトルでシングルCDを作成しました。
中村▲その時の舞台のテーマソングを担当された、シャ乱Q・たいせいさんに作曲をしていただき、作詞は僕たちふたりで担当しました。その後、1stアルバム、2ndアルバムと出す中で、自分たちで、作詞作曲を手がけていくようになりました。
根本▲今年で、結成8年になります。最初はミニ・アルバムでしたが、ほぼ毎年アルバムを発売して、昨年は始めてフル・アルバム『W』を作りました。その中の曲「vision」が、今回の『U-31』の挿入歌です。

尾崎●毎年のようにアルバム発売といった音楽活動と役者と精力的に活動されていますが、曲作りは何時されていますか?
中村▲仕事が終わってから作曲をしたり、休憩時間に作詞をしたりしています。
根本▲舞台と重なった時などは「ワーッ!!!」って、パニックになることもあるんですけど、出来上がって作品になると、その時の大変さはあまり憶えていないんです(笑)。
中村▲二足の草鞋ということで辛い部分もありますが、ライブやCDが完成した時に全てが報われます。
根本▲毎年、ライブもあり、今年は9月に千葉を皮切りに、横浜、大阪、京都、東京で2日間と5都市で行ないます。
中村▲映画公開後、すぐのタイミングなので、映画を観ていただいてライブも観ていただければ嬉しいです。

U-31_0801_006.jpg尾崎●谷監督の短編映画『23時59分59秒』にも出演されていますよね。
根本▲僕らの音楽活動を、そのまま生かした作品になっています。今作のサッカー映画の内容もそうですが、この短編映画のように、2人組のひとりだけがデビューするという内容もリアルにある話です。「その時、どう選択するのか?」美談では済まされないこともありますよね。
中村▲劇中で、歌っていた「大切な人」も自分たちの曲でした。いつもは2人で歌う曲を、映画の物語に合わせて、根本さんがボーカルで僕はギターだけだったので不思議な感じでした。本当に路上でライブを演っているような演出で、カメラが引きで撮っていました。
根本▲最後に歌っている曲は「Supple」です。



尾崎●谷健二監督の印象は?
根本▲谷監督の言葉には嘘偽りがないんです。熱く伝えるというよりも淡々と伝える。ふらっと来て(笑)、「実はさあ、そこのセリフはこっちの方が良くないかな?」といった感じで、こちらの確認をとります。完成披露試写会の舞台挨拶の時もお客さんのために盛り上げようという感じを出さないところが、逆に信頼できる人だなって思います。
尾崎●馬場さんから「営業トーク覚えてくださいっ!!」と、谷監督にレッドカードが出されていましたね。
中村▲根本さんの話にもありましたが柔軟な方なんだなって。監督自身の考えを提示していただけるし、こちらが提案したことについても良ければ受け入ていただけます。物腰が柔らかい方なので僕は演じやすいです。現場では谷監督は、まったく褒めたり怒ったりしないですよ(笑)。
根本▲「今の演技、最高だね!!」なんて絶対ないです(笑)。「まあまあまあ、はいOK」みたいな感じです。
中村▲「本当に大丈夫ですか?」って、聞いたこともありました(笑)。

U-31_0801_007.jpg尾崎●おふたりの今後の活動について教えてください。
根本▲『U-31』が夏に公開ということもあり、挿入歌を引っさげてツアーを回りたいです。ふたり一緒の舞台『若様組まいる』も8月にあります。この夏は、舞台、映画、ツアーとグイグイっと行きます!!
中村▲ここです!このタイミングです。みなさん応援ヨロシクです!!

尾崎●最後に、メッセージをお願いします。
根本▲本作は、サッカーをテーマにしていますが、人間の葛藤というものを描いた物語です。その部分を観ていただきたいです。
中村▲人それぞれ生き方って違うんだなって。今、悩んでいる人、悩んだ経験のある人、どの年代の人でも楽しんでいただける作品です。


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出演:馬場良馬 中村優一 根本正勝 中村誠治郎 谷村美月 勝村政信 大杉漣
監督:谷健二
製作:大澤渡 宇都木基至 菅野征太郎
プロデューサー:麻生英輔 坂岡功士 石山孝紀 赤間俊秀
脚本:佐東みどり
撮影:吉田新時
音楽:洞澤徹
原作:綱本将也 漫画:吉原基貴「U-31」(講談社『モーニング』刊)
主題歌:「原色」ストレイテナー(ユニバーサルミュージック)
配給:トキメディアワークス
配給協力:アークエンタテインメント
公式HP:u-31.amebaownd.com
公開:8月27日(土)よりシネマート新宿・心斎橋 他、全国順次ロードショー

©2016 綱本将也・吉原基貴/講談社/「U-31」製作委員会

 













エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2016 / 08 / 01

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