インタビュー/記者会見

ロマンポルノ誕生45周年記念イベント!
初代女王の白川和子を始め、隆盛期を代表する風祭ゆき、
新作から芦那すみれ、間宮夕貴、井端珠里、冨手麻妙、飛鳥凛が登場。

nikkatsu1611_001.jpg日活株式会社が1971年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」が、11月20日の封切り第1弾から45周年を迎えた。これを記念し、新作製作とクラシック作品の活性化をあわせた横断的なロマンポルノ・リブート・プロジェクトがスタート。新作製作では、一定のルールの中で撮影するというロマンポルノの特質を引き継ぎ、日本映画界の第一線で活躍する塩田明彦監督、白石和彌監督、園子温監督、中田秀夫監督、行定勲監督ら5人の監督が、同じ製作条件の中で完全オリジナル作品を撮りおろした。
この度、日活ロマンポルノ第1弾として公開され、社会現象にもなった『団地妻 昼下りの情事』を45年目の同日11月20日に上映する記念イベントが都内新宿区の新宿武蔵野館で行われ、ゲストには『団地妻 昼下りの情事』の主演を務めたロマンポルノの女王・白川和子、ロマンポルノの隆盛期を代表する女優・風祭ゆき、さらに今回の新作ロマンポルノ作品に出演された主演女優陣の芦那すみれ(11/26公開、行定勲監督『ジムノペディに乱れる』より)、間宮夕貴(12/17公開、塩田明彦監督『風に濡れた女』より)、井端珠里(2017/1/14公開、白石和彌監督『牝猫たち』より)、冨手麻妙(2017/1/28公開 園子温監督『アンチポルノ』より)、飛鳥凛(2017/2/11公開、中田秀夫監督『ホワイトリリー』より)が登場。

nikkatsu1611_006.jpgMC:まずは、ひとこと挨拶をお願いします。
白川:「団地妻」でデビューしました白川和子です。みなさんお若いですけど、45年後にはこうなります(笑)。
風祭:大先輩の白川さんと約10年後にデビューした私と45年後にデビューしたみなさんとご一緒できて幸せです。
芦那:みなさん真昼から少しセクシーな気分でお越しいただいたと思いますが、みなさんと楽しい時間ができればと思っています。
間宮:今日はお足の元が良い中いらしていただきありがとうございます。(会場笑)
井端:今日はレジェンドの女優お二人と気鋭の女優陣と一緒の舞台に登壇できて光栄です。
冨手:記念すべき日に大先輩方とリブート・プロジェクトで共に戦ってきた仲間たちと登壇できて嬉しいです。
飛鳥:ロマンポルノ誕生45周年、素敵なみなさんとイベントができて幸せに思います。

nikkatsu1611_002.jpgMC:白川さん、風祭さん、今のお気持ちを教えてください。
白川:45年ってあっという間だったと思います。11月20日の今日が「団地妻」の封切りの日。45年前は大変な中で撮影をしました。当時はダーティフィルムと言われていましたが、映画の灯は消したくないという撮影所のみんなの願いから、私は負けるわけにはいかないと。一滴から始まって大河になるんだという思いで45年を振り返りました。私の原点は『団地妻 昼下りの情事』。当時はつらいことが多かったですが、大島渚監督に「がんばれ」と背中を叩いてもらいました。今日まで女優として仕事ができることを嬉しく思います。

nikkatsu1611_003.jpg風祭:私は白川さんの「団地妻」から9年後にデビューしました。その間に世の中も大きく変わりまして、ロマンポルノという映画が認知させていた時代でした。でも動く映像では私には無理だなと大島監督に断りにいったところ「役者なんて肉体労働者なんだよ。体操だと思ってやればいいんだから。役者なんだから主役をやらないでどうするの?」と言われ決心しました。この経験があって今の私があります。こうやって新しい後輩ができたことも嬉しく思います。

nikkatsu1611_004.jpgMC:今回は、日本映画界の第一線で活躍する監督の完全オリジナルの新作ですが、各監督の演出や印象、エピソードなどをお聞かせください。
芦那:(行定勲監督『ジムノペディに乱れる』)立食い蕎麦屋でのシーンで、足しか見えないんですけど、監督から足に表情が欲しいと言われました。細かなディテールにこだわる監督で、その小さな動作の積み重ねで良い映像が作られるんだなと思いました。

nikkatsu1611_005.jpg間宮:(塩田明彦監督『風に濡れた女』)今回の作品は直感で撮影する今までの監督の作品とは違った撮り方でした。気温10度の山の中でのヌードシーンでは、私を気遣ってテンションが上がった監督が「俺も脱ぐ!」とTシャツになったんですが、寒かったので10分後には密かに服を着てました(笑)。喋ると白い息が出るくらい寒い所で監督だけが熱かったです(笑)。

nikkatsu1611_007.jpg井端:(白石和彌監督『牝猫たち』)白石監督はあまり演出をしないんです(笑)。好きなようにやらせていただきましたが、俳優は欲しがりですから、良いか悪いかを言って欲しいんです。屋上のシーンで初めて監督から「珠里ちゃんイイヨー!」って言われた時は涙が出そうになりました。風が強くて相手役の声が良く聞こえないこともありました。

nikkatsu1611_008.jpg冨手:(園子温監督『アンチポルノ』)初めて園さんと出会った時に「お前脱げるか?」と聞かれて、私は気合いが入っていましたので「園さんの作品で脱ぎたいです!」って言いました。それから園さんの作品に何本か出させていただいた1年後くらいに「お前の主演作を書いたぞ!」ってご機嫌に言われました。でも急に薗さんがお父さん心なのか「お母さん心配しない?」ってことになったんですけど、この作品で自分の人生を切り開きたいという思いを伝えたところ「じゃ〜やろう!」って。役者に対しての愛情が人一倍強い監督だなって思いました。

nikkatsu1611_009.jpg飛鳥:(中田秀夫監督『ホワイトリリー』)最初は監督の雰囲気が恐くて緊張してしまって、どうしようって思ったんです。でもお芝居に関して親身になってくださって、リハーサルでうまくできずに私が泣いてしまった時には「大丈夫だから一緒にがんばろう」って言ってくださいました。その後は大好きな監督と安心して良い作品が作れました。

nikkatsu1611_010.jpgMC:白川さん、風祭さん、今回のそれぞれの新しい作品の現場はいかがでしたか?
白川:女優さんたちがあっぱれだと思いました。45年経つとこんなふうに変わるんだと。みなさん堂々としていました。
風祭:みなさんオーディションで選ばれた女優さんで、自分から出演したいと思うことに凄いなって感じました。今、映画をやりたいと「ロマンポルノ」をリブートしようという若い女優さんがいることを嬉しいなと思う現場でした。

nikkatsu1611_011.jpgMC:新しい作品で初めて体験したことは?
芦那:長編映画での主演は初めてでした。ファーストカットが濡れ場だったことも初めてで、初めてづくしでした。
間宮:私の出演作品はアクションが多いんですけど、今回は自転車で海に突っ込みました。一発撮りだったので、現場が殺気だっていました。緊張しました。
井端:初めて縛られました。最初は楽しみにしていましたが、思いのほか痛くて本番中に号泣してしまいました。涙が止まらなかった時に白川さんが優しく抱きしめてくださって「これからはあなたたちの時代だから頑張るのよ』とお言葉をいただきました。
冨手:2週間くらい舞台稽古のようにリハーサルをしました。作品全部を通しで何回も稽古しました。いざ本番に入ったら「なんでリハーサル通りにやるんだよっ!違うことやれよっ!」って。(会場笑)あの2週間はなんだったんだろうって……。
飛鳥:女性とのラブシーンが初めてでした。でも男性よりも女性の方が良いかもって。女性の方がおどおどしなくて自由にでき、女性の方が強いんだなって思いました。(一同うなずく)

nikkatsu1611_012.jpgMC:最後に白川さんからメッセージをお願いします。
白川:45年経っても日活ロマンポルノを忘れてくださらないという時代を嬉しく思います。こうやって素敵な後輩たちが出てきてくれて、私はこれで御役御免かなと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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nikkatsu1611_018.jpg★行定勲監督『ジムノペディに乱れる』
11月26日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:板尾創路、芦那すみれ、岡村いずみ
1週間―。映画監督の古谷は、肌のぬくもりを求めて女たちの隙間を彷徨っていた。仕事、名声、そして愛…全てを失った男が、辿り着いた先に見つけたものとはー?ラブストーリーの名手・行定勲監督が、切なく不器用な大人の愛を、美しい映像にのせ官能的に描いた入魂の一作。 

nikkatsu1611_014.jpg★塩田明彦監督『風に濡れた女』
12月17日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:間宮夕貴、永岡佑
都会の喧噪を避け山小屋で暮らす男・高介は、野性味溢れる魅力を放つ女・汐里との出会いによって、欲望の渦に巻き込まれていくはめに…。欲を捨ててきたはずの男と、欲に純粋な女。塩田明彦監督が、本能むきだしでヒートアップする男と女の♥バトルを軽妙に描く。

nikkatsu1611_015.jpg★白石和彌監督『牝猫たち』
2017年1月14日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:井端珠里、真上さつき、美知枝
音尾琢磨、郭智博、村田秀亮、吉澤健、白川和子(特別出演)
 池袋の夜街を漂う3人の女。呼び出された男たちと体を重ね、また夜が明ける。ネットカフェ難民、シングルマザー、不妊症…それぞれの悩みを抱えながら、明日に向かって性活する女たちの群像ドラマ。逞しく生きる女性たちの現在(いま)を白石和彌監督が活写する。

nikkatsu1611_016.jpg★園子温監督 『アンチポルノ』
2017年1月28日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:冨手麻妙、筒井真理子
小説家として時代の寵児となった女・京子。極彩色の部屋に籠もり、マネージャー典子が伝えるスケジュールを分刻みでこなす毎日。私は京子なのか?京子を演じているのか?虚構と現実の狭間で、京子の過去の秘密が暴かれていく―。園子温監督が贈るアナーキーな美しき問題作。

nikkatsu1611_017.jpg★中田秀夫 監督『ホワイトリリー』
2017年2月11日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:飛鳥凛、山口香緒里 
傷ついた過去を慰めあうように寄り添い生きてきた二人の女。彼女たちの秘密に踏み込んできた男によって、それぞれの愛が暴走をはじめるー。ホラー映画の名匠・中田秀夫監督が、レズビアンの世界に挑み、歪んだ愛の果てにある女同士の究極の純愛を描く。


©2016日活











エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2016 / 11 / 24

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