インタビュー/記者会見

映画『JKエレジー』
主演の梅田ココア役・希代彩と
松上元太監督にインタビュー!!

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第25回スラムダンス映画祭 優秀演技賞(希代彩)、第14回大阪アジアン映画祭 JAPAN CUTS Award 、第65回ヒューストン国際映画祭 GOLD REMI、第37回 CAAM映画祭 正式出品、第65回タオルミナ映画祭 正式出品ほか、世界の映画祭で評価された『JKエレジー』が、8月9日(金)よりテアトル新宿でのレイトショー公開が決定。
監督は、大阪芸術大学出身で本作が劇場映画デビューとなる松上元太。主演は「ミスiD」に入選した大型新人・希代彩。逆境に負けず健気に生きる梅田ココアを強い眼差しで体現し、ほぼ演技初体験にして米・スラムダンス映画祭で優秀演技賞を受賞する快挙を成し遂げた。今回は梅田ココア役・主演の希代彩と松上元太監督に、今までの活動と本作について話を聞いた。

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■ストーリー
なけなしのバイト代をギャンブル狂の父とニートの兄にたかられ、うんざりする毎日。唯一の希望は、女友だちの存在と、大学に行く夢だ。しかし、お金ほしさに出演していた怪しい“クラッシュビデオ” の存在が、学校内で噂になってしまう。「私が何かいやらしいことでもしたんですか?」普通の生き方って何?正しいって何?家族も大人も誰も助けてくれない世界に今、絶望と怒りがこみ上げる……。
自分だけを信じて力強く生きるヒロインが、現代社会の閉塞感を打ち破るハイパー青春活劇!

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尾崎:まずは、希代彩さんからお聞きします。この世界に入られたきっかけは?
希代:大学時代にサロンモデルをしていて、写真を撮られることが「楽しいな」と思うようになりました。その後、講談社が主催する「ミスiD」のオーディションを受けました。「ミスiD2017ファンタジスタさくらだ賞」を受賞して、そのタイミングで事務所に所属しました。

尾崎:「渋谷のラジオ」に出演されていると伺いました。
希代:月一で「渋谷のサンデー」でレギュラー出演しています。
尾崎:聴かせていただきましたが、その中で「スイーツじゃんけん!」というコーナーがありました。
希代:一緒にやっている吉本光里ちゃんが絶対に負けるんです。(6月26日現在)8連敗中です。彼女は、じゃんけんが弱すぎるんです(笑)。なので、いつも私がスイーツを食べてます。

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尾崎:今までの活動で印象に残っていることは?
希代:「機動戦士ガンダム00-破壊による再生Re:Build- 」という舞台で、ソーマ・ピーリス役として出演しました。1ヶ月ほどの稽古期間を経て、東京で4日間、大阪で2日間の公演でした。機動戦士ガンダムは人気のある作品で、内容も濃かったので、とても良い経験になりました。舞台は初めてでしたが、役の中で父親的な存在だった上官役の俳優さんに色々と助けていただきました。ベテランの俳優さんが多い中、ご指導をいただきながら、なんとか頑張れたかなと思っています。

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尾崎:続いて、松上元太監督に伺います。映画監督を目指したきっかけは?
松上監督:高校時代に何かを作ったり表現をすることに興味がありました。その中で映画というものが一番大きな存在でした。
尾崎:好きな映画監督などは?
松上監督:高校時代だと北野武監督が好きでした。こんな世界があるんだと衝撃を受けました。
尾崎:その後、大阪芸術大学芸術学部映像学科に進学されたと伺いました。
松上監督:映画製作は自由で、内容には大学側はあまり介入しないという形でした。機材を大学から借りて、フィルムは自分で購入して撮影をしていました。スタッフや演者も自分で集めたりと、かなり放任主義な感じでした。自分が「人を巻き込んでいく」ということは、商業映画でも同じことなので、今になって思うと、そういうところから試されていたんだなと。

尾崎:卒業制作で監督をした『酸欠の海』(16mm/63分)が、ぴあフィルムフェスティバルほか数多くの映画祭で入選・上映されたと伺いました。
松上監督:大学の先輩たちが活躍をされていたので、自分にもチャンスはあるんだと思いました。昔だと現場に入って助監督を経験してといった感じでしたが、今は、自主映画で認められて、いきなりデビューするということを間近で見ていたので、自分もそういった形でやっていけるんじゃないかという思いで作った作品が『酸欠の海』でした。

尾崎:現在は映像制作とWebデザインを主軸としたプロダクション「16bit.」でも活動されていると伺いました。
松上監督:コマーシャルやミュージックビデオなど、広告映像を作ったりしています。それをベースにすることで、今回のような映画製作ができるのかなと思っています。

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尾崎:それでは、本作『JKエレジー』について伺いたいと思います。
松上監督は、本作で脚本も手がけておられますが、この作品を作ろうと思ったきっかけは?
松上監督:震災後に社会の中で理不尽なことって、当たり前ですがたくさんあるんだと感じました。その中で一番の被害者は誰だろう?と考えた時に、子供たちや若い人たちだろうと。なにも自分たちに瑕疵がないのに、そういった状況に追い込まれている現実に思うところがありました。でも、負けないで生きていかなければならないんだとも思いました。そのことを体現できる何かを描きたいと。その中でも女性の置かれている状況、今、世界的にも問題になっています。そういったところから、今回の主人公、女子高生・梅田ココアが誕生しました。

尾崎:希代さんを主演に抜擢された理由は?
松上監督:この作品について、当て書きではなかったので、特にこの人といったイメージはありませんでした。あるスタッフからの勧めで、彼女のインスタグラムを見ました。目ヂカラの強さが印象的でした。彼女に会って見たいなと思いました。

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尾崎:最近、良くインスタグラムからというお話を伺いますが……。
松上監督:どうしても事務所の宣材写真は、実物と違ったりすることが普段の仕事の中でもあって……。
希代:私の写真は、髪が短くて、今のイメージとは違ってます(笑)。
松上監督:宣材写真は、そんなに頻繁には変えられないでしょうし、インスタグラムだと生の今の状況が分かるので、キャスティングする人たちは見ていると思います。

尾崎:希代さんは、今回の作品が、初演技だったと伺いました……。
希代:はい、そうです。演技のレッスンは受けていましたが、作品としては初めてでした。
尾崎:初演技で主演ということでしたが、いかがでしたか?
希代:仕事も始めたばかりで右も左も分からない状態で「映画に出るんだよ」って言われて、どうなるか分からないけど楽しみだなって思っていました。最初に監督と顔合わせ的なオーディションがありました。その時に、何をアピールすれば良いんだろうと考えたんですけど、とにかく「ガムシャラに頑張ります」という感じでした。それは今でも変わらないんですけど。

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尾崎:松上監督、希代さんの第一印象はいかがでしたか?
松上監督:女子高生という役のイメージもあったので、制服で来てもらったんです。写真だと威圧感があってクールな感じのイメージでしたが、実際には人懐っこい感じだったので、そこはちょっと意外でした。リアルにちょっと前まで女子高生だったんだなというイメージでした。
希代:その時のマネージャーさんがインパクトがありすぎて、私が優しく見えたんだと思います(笑)。

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尾崎:オープニングで缶を踏み付けるシーンがありますが、クラッシュビデオの存在って実際にあるんですね。
松上監督:モチーフとして女子高生がただ頑張る話を作ってもつまらないと思っていて、何か面白い要素が欲しいと考えていました。その時に、クラッシュビデオの存在を知りました。世界的に愛好家がいて、かなりマニアックで、ソフトなものからハードなものまであるディープな世界です。そのクラッシュすることがこの映画のテーマでもある「何かを打ち破っていく」ということに引っかかるのではないかと思いました。

尾崎:希代さんは、色々なものを踏み付けていましたけど、いかがでしたか?
希代:メチャ楽しかったです。ケーキを踏めるということは、日常にはないことで、その踏むという感覚より、非日常を演じていることが楽しかったです。この仕事に一貫して言えることなんですけど、非日常的な体験を、当たり前のように演じられるので、なれない自分になれることは楽しいことです。
尾崎:個人的に何か踏み付けたりはしましたか?
希代:それはないです(笑)。ペットボトルくらいです。みんなやりますよね(笑)。

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尾崎:「普通の生き方って何?」というキャッチコピーがありますが、普通とはなんでしょうか?
松上監督:普通の定義は人それぞれで、ここでいう普通は社会が想定するある範囲といった価値観です。劇中の「なぜ大学に行こうと思っているの?」と聞かれて「行くのが普通じゃない?」という会話があるように、現在、大学に進学することは特別なことじゃないんですけど、ココアにとっては、普通のことではないんです。世の中の普通と彼女にとっての普通は、随分と乖離していると思うんです。そこに対する疑問というか、そこに普通に入れない人にとっては普通ではないこと。それって何だろう?と考えました。普通はこうだよっていう言葉は、考えようによっては危ない言葉なのかなと思います。

尾崎:ギャンブル狂の父親と元漫才師でニートの兄という設定は、非現実的でもあり、どこか現実的でもありといった感じがしました。
松上監督:女性が主人公ということで、男性はかなりダメなイメージで描いた方がキャラクターが立つと思いました。自分自身を考えても、やっぱり男はダメだなという思いもあります。でも、ひとつ気をつけたところは憎い感じにはしたくないなと思いました。どこか滑稽な部分があったりコミカルだったり、演出の部分でもそうです。
尾崎:家族という部分もあるのでしょうか?
松上監督:そうですね。家族だと小さい頃の楽しかった思い出もありますし、彼女は呆れてはいるんですけど、100%の否定はできないでいるんです。その部分は僕の希望でもあります。
尾崎:希代さんは、この家族をどう思いましたか?
希代:このダメダメな父と兄は、自分に心情的に近い部分があるのかなと思いました。ダラダラしていたいんだろうなって。私が以前、この二人に共感するコメントをした時に、ダメダメな二人に愛情があったからこそ、ただ冷たい断絶された家族というよりどこか愛情があるように感じられたという感想をいただいたことがあり、その部分では良かったのかなと思いました。

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尾崎:彼女を支えていたのは高校時代の友達で、とても大切な感じがしました。
松上監督:家庭が最低な状態の中で、唯一の拠りどころだと思うんです。彼女が笑顔になれる場所でありたいなと作品を作っている時に思っていました。クラッシュビデオをやっていることは友達には内緒にしておきたい。それは何故かというと、彼女が友達を大事にしているからです。
希代:高校時代の友達とは、この仕事を始めてから会う頻度が少なくはなっているんですけど、でもその中でもやっぱり友達に支えられているんだなと思うことは多いです。現場でも同年代の芋生悠さんと小室ゆらさんに仲良くしてもらって、芸歴は先輩だったりするので、勉強をさせてもらいながら、自分より年上の人ばかりの現場に二人がいてくれたことで、夢中で取り組めたのかなと思います。同世代の友達って大切だなって思います。

尾崎:後半の阿部亮平さんが演じる横山と対峙するシーンは、緊張感がありました。
松上監督:横山という存在は、悪い大人の象徴なので、そこと対峙する部分は描かなければという思いはありました。ココアが、どう挑んでいくのか?そして、一歩も引かないことが、彼女の「私は屈しない」という主張でもあり、この作品のメッセージでもあります。

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尾崎:作品を見終わって、希代さんが演技が始めてという感じがなく、とても堂々と演じられていたように感じました。
松上監督:写真に撮られることを経験していて、好きでもあったということが、カメラの前に立つことが不自然ではなく、そこに構えがないんだろうなと思いました。カメラがあると意識をすることは当然なんですけど、良い意味で意識せずに出来ていたんだと思います。
希代:私の中では、カメラを意識している部分はあったんですけど。
松上監督:意識していてあの感じが出せることが凄いよね。
希代:現場の雰囲気が暖かくて家族感があったので、そういう意味でも緊張はしなかったし、楽しんでリラックスできたので、その部分が演技に出ていたのかもしれないです。

尾崎:最後にメッセージをお願いします。
松上監督:普段の生活の中で社会に対して疑問に思うことが皆さんにもあるかと思います。この作品を観ていただいて、その疑問は大切なことだと思っていただければ。 希代:「もっとみんな好きなようにやっていいんだよ!」って、改めて思いました。「こうじゃなきゃいけない」という思いが強い人にこそ観ていただきたい作品です。普通って、突きつけられると辛いから、みんな脱ぎ捨てればいいのにって思います。クラッシュもそうですけど、当たり前なことを潰していく感じが、この作品にはあります。みなさん是非、劇場でご覧ください。


『渋谷のラジオ』8月1日(木)18:00から
希代彩、松上元太監督ゲスト出演決定!!

「渋谷deお国自慢/渋谷のシネマ!!」のコーナーで、
映画『JKエレジー』についてお話しいただきます。
出演
谷健二監督 ジェントル 尾崎康元
DJ勝

アプリで全国どこでも聴けます!
https://shiburadi.com

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出演:
希代 彩
猪野広樹
芋生 悠  小室ゆら  前原 滉
山本剛史  森本のぶ
阿部亮平
川瀬陽太
監督:松上元太
脚本:香水義貴/松上元太
撮影:堀 智弘 
照明:今岡尚弥 
録音:吉方淳二
美術:門馬雄太郎 
編集:寺田周平
音楽:yuichi NAGAO
主題歌:Moe and ghosts「GO AHEAD, MAKE MY DAY」
協力プロデューサー:戸山 剛
製作・配給:16bit.
配給協力・宣伝:細谷隆広
公式サイト:https://jkelegy.com/
公式ツイッター:https://twitter.com/jkelegy?lang=ja
公開:8月9日(金)より テアトル新宿ほか全国順次公開

©2018 16bit.
 





 










エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2019 / 07 / 26

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