インタビュー/記者会見

映画『みぽりん』
主演のみほ役・垣尾麻美と
松本大樹監督にインタビュー!
「ラスト10分を何も考えずに楽しんで欲しい!」

miporin_001.jpg 『みぽりん』は、神戸出身/在住の松本大樹が、初監督した低予算自主制作映画。全編オール神戸ロケで、関西の無名の役者陣と共に作品を創り上げた。4月下旬に元町映画館にて予告編が上映されるや否や、その噂はSNSを通じて一気に広まり、「みぽらー」と呼ばれるファン達が全国各地に次々と登場し、熱狂的に作品を応援する事態となった。 古典的なホラー映画作品の要素が散りばめられている事に加え、昨今のアイドル業界に纏わる様々な事件やニュース等の風刺も入れつつ、綿密に作り上げられた本作。全く予想だにつかない衝撃のラスト10分の展開に、劇場公開後も物議を醸し、拡散される事は間違いないであろう。都内では、池袋にあるシネマ・ロサにて、12月21日(土)から公開。今回は、主演女優の垣尾麻美と松本大樹監督に映画『みぽりん』について話を聞いた。

■STORY
声優地下アイドルユニット「Oh!それミーオ!」でセンターを務める神田優花は、6ヶ月連続人気投票1位を獲得し、ソロデビューする事が決まった。しかし、大の音痴である優花の歌声にプロデューサーの秋山とマネージャーの相川は頭を悩ませていた。
そんな中、同じグループのメンバー里奈のツテで、優花は怪しいボイストレーナー・みほのボイトレ合宿に参加する事に。
六甲山でみほにピックアップされ、山荘へ連れて行かれる優花。初日に契約書にサインをさせられると、翌日からいよいよ恐怖のボイスレッスンが始まる。少しづつ明らかになるみほの異常性。レッスンを進めていく中で、みほは優花がアイドルに相応しくないと感じ、怒りを募らせていく。
一方、秋山と相川は優花のソロデビュー曲のPV撮影を優花推しのファンの加藤に頼む事に。いよいよライブでのお披露目が明日と迫ったその日、ようやく3人は優花が監禁されている事を知り、六甲山へと向かうのだった...

miporin_003.jpg 尾崎:松本さん、最初に映画監督を目指したきっかけは?
松本:就職を考えた時に、映画が好きだったこともあって、映像関係の仕事をしたいなと思ったことがきっかけです。最初に映像や音楽の編集をするポストプロダクションの会社に入りました。今回の作品のきっかけになっている「ミザリー(ロブ・ライナー監督)」やデヴィッド・クローネンバーグ監督のような映画が好きでした。

尾崎:垣尾さん、最初に女優を目指したきっかけは?
垣尾:アニメや漫画が好きで、最初は声優を目指していました。京都から大学進学のために大阪に。卒業後、大阪で声優の養成所に入りました。養成所では舞台のレッスンもあり、付属の劇団もありました。その付属の劇団に入団したことがきっかけです。

尾崎:松本さん、本作『みぽりん』を撮影しようと思ったきっかけは?
松本:映画を作りたいという思いはありましたが、それまで過去に短編なども作ったことがなかったんです。
尾崎:いきなり長編映画を作ろうと?
松本:そうです。それまでは企業のPR動画やMVを作っていて、自分から映像を作るということはなかったんです。去年「カメラを止めるな!(上田慎一郎監督)」という作品が大阪で満席になるほど盛り上がりました。普段、大阪の劇場では満席になることはあまりなかったので衝撃を受けました。客席からも大爆笑が起きていたんです。その作品から勇気をもらって、今回の自主制作映画を作ろうと思いました。以前、垣尾さんと仕事をさせていただいた時に彼女の演技に凄く衝撃を受けていたこともあって、垣尾さんを主役で作品を作りたいなと考えました。内容は「ミザリー」のような感じでと。

miporin_002.jpg 尾崎:松本さんと垣尾さんの出会いは?
松本:大阪にある革製品を修理する「ドクターレザー」という会社がありまして、そのPRビデオで「靴の直し屋編」を撮りました。
垣尾:最初に私はスーツ姿で解説をする役だったんです。でも、靴を履いて芝居をする外国人のモデルさんが、靴のサイズが合わなくて急遽、私にその役をやって欲しいと松本さんから無茶振りされたんです。外国人の役ということでツインテールの金髪のカツラを付けて演技しました(笑)。作品→(https://www.youtube.com/watch?v=JdIBOKNYhzk
松本:『みぽりん』のラストに繋がるような内容です(笑)。
尾崎:どのような流れからこのPRビデオの演技に?
松本:演技指導というものは特になく、垣尾さんに任せていました。
垣尾:そんなことないです。最初は普通に演じていたんですけど、途中から「絶叫してください」と松本さんから指示がありましたよねっ(笑)。
松本:その時に、垣尾さんはなんでもやってくれる人だと思いました。
垣尾:うひゃひゃひゃ(笑)。

尾崎:本作『みぽりん』の主演を垣尾さんにオファーされていかがでしたか?
松本:最初は垣尾さんはしおらしかったんです(笑)。
垣尾:「ドクターレザー」から2年くらい経っていたので、それは最初はねぇ。大阪では、劇映画の撮影はほとんどないので、主演のオファーは嬉しかったです。大阪で撮影があるとすれば東京の作品でロケ地が大阪という感じです。そういった作品にエキストラでの出演はありました。最初に「ジャンルは何ですか?」と伺ったところ「ホラーです」と言われたのでホッとしました。恋愛映画だったらないだろうと思っていたので(笑)。ホラー作品ということで納得しました。

miporin_005.jpg 尾崎:先ほどのCMは、ある意味ホラーかと……。
垣尾:あはははは(笑)。
松本:ホラーかもしれませんね。
垣尾:ホラーのつもりでやってないです。あはははは(笑)。
尾崎:『みぽりん』と同じテンションですね。

尾崎:それから、どのような形で進められましたか?
松本:自主制作ということで予算もないので大変でした。短期間の撮影で出演者の数も絞って、とにかく予算の中でできる範囲内でと。スタッフ・キャストは全て関西の人でロケ地は神戸で撮影しました。撮影日数は10日間だったんですけど、キャスト陣がラジオやナレーションの仕事などレギュラー番組があって、みんなが空いている日が月曜日だけということで、毎週1回、月曜日に撮影をしました。
尾崎:サークル活動みたいですね。
垣尾:あはははは(笑)。
松本:ほんと、そうですね。だから撮影には2ヶ月ちょっとかかりました。でも1週間の間に映像編集ができるので、キャストのモチベーションが上がって良かったです。ちゃんと撮影してるんだなって伝わるし、映画作る詐欺じゃないんだなって(笑)。
垣尾:そんなこと思ってなかったですよ(笑)。

miporin_006.jpg 尾崎:撮影中のアクシデントや面白かったことは?
松本:アクシデントですか?そうですね、キャスティングの段階で一人多く来ちゃったんです。だから、急遽その人の役を作ったりしました。その役は合田温子さんなんですけど、ずっと宣伝も頑張ってくれているし、今思うと彼女がいなかったらどうなっていたんだろうといった感じです。結果、一人多くて正解でした。後は、とにかく寒かったです。雪のシーンを撮りたくて、冬に撮影をしましたが、日が沈むのも早くて毎日焦って撮影していました。結局、雪は降らなかったので、雪のシーンにこだわらなければ、夏から撮影できたんですけど(笑)。
垣尾:松本さんは撮影中、ずっと動き回っていて「あれ?監督はどこにいるの?」ということが多かったです。
松本:助監督も制作もいなかったので、僕がお弁当の手配をしていました。なので、弁当が届くと現場が止まるんです(笑)。
尾崎:車の運転も?
松本:もちろん、車両部も兼任です。この規模で映画製作をする大変さが、関係者以外には、なかなか伝わらないんです。関西にそういったスタッフチームを作ることも今後の課題なのかもしれません。

miporin_008.jpg 尾崎:チラシのビジュアルがとてもインパクトがありますが……。
松本:最初は、ちゃんとしたホラー映画を撮ろうと……。
垣尾:ちゃんとした?あはははは(笑)。
松本:本屋さんにホラー映画のポスター図鑑が売っていて……、
垣尾:そんな図鑑がっ!
松本:高橋ヨシキさんが監修されていて、その図鑑の古いポスターを見ていたら、今回のビジュアルのようなテイストの作品が多かったんです。なかなか今はこういったポスターがないなと思い、インパクトを狙いました。でも、映画のポスターになってないと言われたりも(笑)。チラシを配っていても、このビジュアルを見ただけで無理っていう人もいました。
尾崎:でも、このビジュアルを見てOKな人は本編もOKですよね?
松本:そうなんです。ある意味、踏み絵的な存在になっていたのかも。
垣尾:あはははは(笑)。
松本:万人にウケようとして作ってしまうと、逆に怒られる気がして(笑)。

尾崎:みほ役の垣尾さんが笑うシーンがとても怖かったですが……。
松本:みなさん、そう言われますね。
垣尾:ありがとうございます。最初は普通に怒っていたんですけど、全然怖くならないんです。
松本:二人でいて、相手の人が意味もなく急に笑い出したら怖いですよね。それを考えて……。
垣尾:そんなのある?
尾崎:今回のインタビュー中でも垣尾さんは、よく笑いますよね?
垣尾:そうなんです。最近、普通に笑っていても、よく『みぽりん』って言われます。

miporin_007.jpg 尾崎:津田晴香さん演じる、アイドル歌手の神田優花もなんかちょっと変ですよね?
劇中での歌が本当に下手な人のように感じましたが?
松本:津田さんは、本当はとても歌が上手なんです。
尾崎:上手い人が下手くそに歌う感じには見えなかったので。
松本:それは、以前にも言われました。彼女の演技は、あざとくないんです。
垣尾:器用に外すんです。
松本:憎たらしいくらい才能を感じてます(笑)。
尾崎:最初は、今回の木下里奈役のmayuさんが優花役という選択もあったと伺いました。
松本:そうなんです。でも、mayuさんにすると純粋にアイドルという感じになってしまうので、コメディにはならなかったのかなと。彼女が泣き出したら違う作品になっていましたね。

尾崎:垣尾さんは津田さんとのシーンが多かったと思いますが、一緒に演じられていかがでしたか?
垣尾:二人とも人見知りで……、
尾崎:人見知りですか?垣尾さんは人見知りに見えないです(笑)。
垣尾:ほんとに人見知りなんです。『みぽりん』の宣伝活動で色々なところに行かせていただくようになって慣れて来ましたけど。津田晴香も人見知りなので、最初に一緒に山荘に行く時、随分と時間がかかったんですけど、二人とも車中では無言でした。
松本:垣尾さんが事務所の先輩ということもあって、津田さんは遠慮していたのかも。
垣尾:それが、どんどん図太くなってきて、今では鬱陶しいくらいです(笑)。
松本:一番元気がイイですね。天真爛漫なんです。撮影時よりも関西での上映中の舞台挨拶や宣伝で話す機会が増えて役者さん同士は仲良くなりましたね。

尾崎:本編に市民税を払うというセリフが何回か出てきますが……。
垣尾:あはははは(笑)。
松本:市民税を払わないと、財産差し押さえの赤紙が届くんです。とても恐ろしいことです。「ゴーストマスター(ヤング・ポール監督)」という作品で、グロいシーンよりもカメラマンが「映画には一生を懸ける価値はねーぞ!」というシーンがありまして、40年間この仕事をやってきても全然食えなくて、税金も払えなくて、カミさんも出て行ってと。でもこれ本当にそうなんです。どんなグロいシーンよりも「税金も払えなくて」という、その一言が自分に言われているようでキツかったです。(笑)。

miporin_004.jpg 尾崎:垣尾さん、本作『みぽりん』の見どころは?
垣尾:ホラー映画ということですが、コメディ要素も多いので、どちらかというと笑って観ていただきたいです。津田晴香とのキャットファイトができたことも楽しかったです。ラスト10分のシーンは最終日に台本ができあがりました。そのラスト10分を観ていただきたいです。
松本:最初の台本には、そのシーンは「筆では書けません」と。黒澤明監督が「椿三十郎」を撮った時に、最後の決闘のシーンは「筆では書けません」と台本に書いてあって、それを真似て最後まで隠していました。
垣尾:最後の台本を見て格闘シーンがあったのでテンションが上がりました。

尾崎:最後の10分は、ちょっと意味不明なところが……。
垣尾:あはははは(笑)。
松本:おっしゃる通りです。自分が楽しんで作らせていただきました。ラストシーンではベートーヴェンの交響曲第9番がバックに流れているんですけど、第三楽章までとその後では、曲の展開が全く違った感じなんです。それと同じ感じで映画っぽいことを1時間30分ほどやってきたけど、最後はそうじゃないよなって。自分のポケットマネーで自分が作品を作りたくて作っているので、スタッフ・キャストのみんなも「監督がやりたいようにやったら」と言ってくれていたので、あのようなシーンになりました。
垣尾:監督はラストシーンで一人だけゲラゲラと笑っていましたね。
松本:周りはドン引きで(笑)。その時の雰囲気は覚えています。最後は楽しませていただきました。

尾崎:それでは、最後にメッセージをお願いします。
松本:この作品にはメインで8名のキャラクターが出てきますが、それぞれの見せ場を作りました。観ていただいた方の中で、それぞれの記憶に残るキャラクターが誰かいると思います。それを見つけにきて欲しいです。
尾崎:私の中では相川梢役の合田温子さんでした。
松本:その回答は多いですね。試写を観ていただいた、上田慎一郎監督も合田さん推しでした。それから、映画の本編としてはラスト10分を何も考えずに観て楽しんで欲しいなと思います。
垣尾:自分が演じたみほが好きになってもらえたらイイなって。ただ怖いだけじゃなくて、最初に松本さんから「ミザリー」のような感じで撮りたいと言われDVDを観た時に、キャシー・ベイツさん演じるアニー・ウィルクスは怖いんですけど可愛らしくてとても魅力的だったので、みほもそういうキャラクターにできたら良いなって思いで演じました。是非、劇場でご覧ください。

松本:最近、本家のミポリンが活動を再開しているんですけど、一緒に盛り上がっていけないかなって?
垣尾:あはははは(笑)。いい加減にしなさいよ!


miporin_010.jpg


<出演者>
みほ役:垣尾麻美
神田優花役:津田晴香
秋山快役:井上裕基
加藤淳役:近藤知史
相川梢役:合田温子
木下里奈役:mayu
みほの母役:木野智香

<スタッフ>
撮影:ヨシナガコウイチ
録音:前田智広
ヘアメイク:篁怜
衣装:冨本康成・mame
整音・MA:勝田友也(モノオトスタジオ)
配役:露木一矢(澪クリエーション)
メイキング撮影:露木一矢
メインビジュアル・パンフレット制作:小池一馬
題字:小池菜津子
本編題字:のの
HP製作:ヨシナガコウイチ
制作・脚本・監督・撮影・編集:松本大樹

©CROCO
 














エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2019 / 12 / 19

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