山岳ガイド・三笘育の登山は想像力

【新連載】1時間目・序章―登山は想像力(1)

2015 / 04 / 30

★身体作りや道具の準備も大切だけれど、楽しく安全な登山にまず必要なのは想像力! 現場での行動だけでなく、“エア”でもできちゃう山登りの極意、“安全な登山の伝道師”三苫育さんが、ここで特別に教えちゃいます。

小玉▲さて、これから山岳ガイド・三笘育さんによる、安全に楽しむ登山講座を短期連載してまいります。さっそくですが三笘さん、三笘さんにとって“安全な登山”とはどういったものでしょう。
三笘●ガイドという仕事をするにあたって、クライミングの能力というのはあまり求められないんですよ。いやもちろん、ガイドとしての必要最低限のスキルは必要ですよ(笑)。それは当たり前のこととして、「いかに先を読んで行動できているか」であるとか「自分が取った行動の説明が出来る」、これらがガイドとして必要な資質だと思います。これはガイドになる過程のときから感じていましたし、やればやるほどそう思うようになりましたね。
小玉▲「いかに先を読んで行動できているか」、つまりそれが……。
三笘●『登山は想像力』、ですね(笑)。改めましてよろしくお願いいたします。

体力の把握には「実際に疲れ切ってみる」。これが重要

m20150430_a.jpg 小玉▲記念すべき第1回は文字通り始めの一歩、近所の野山をハイキングしたり登ってみたり……というところからのおはなししです。
三笘●実のところそのレベルの方を案内することはあまりないんですが、登山でもハイキングでも、みなさん必ず言うのは「体力がないんです」ってことなんです。
小玉▲私もです(笑)。
三笘●ただ実際はそんなことないんですね。山登りを始めてみようなんて思う人は基本的には体力、あるんですよ。逆に「体力ならあります」と言っている人のほうがちょっと怪しい(笑)。そこは過信せず、謙虚な気持ちが大事です。
小玉▲本当に体力があるかないかの分かれ目と言いますか、山に登ろうという人が持つべき体力とはどれくらいのものなんでしょう。
三笘●そうですね……ハイキングでも登山でも、設定されているコースタイムというのは一概に指標にはなりません。たとえば奥多摩の石尾根のコースタイムが3時間だとして、余裕がある3時間と余裕がない3時間があります。また、すごく歩くのが遅くても“粘り”がある人もいれば、すごく速いのだけれども3時間経過で急に失速する人もいる。お互いに顔も見ずに電話でガイドを頼まれたとしたら参考にはなるでしょうけれど、コースタイムが指標にはならないのはおわかりいただけるかと思います。
小玉▲なるほど。
三笘●それと少し話が脱線しますが、コースタイムばかりにこだわっていると登山のおもしろさや多様性が薄れると思います。技術書の1ページ目に「とにかくコースタイムを縮めるのが登山です」と書かれていたら、登山人口は激減するでしょうね。
小玉▲激減の中に入るひとりになると思います(笑)。
三笘●さて、話を体力に戻しますと、体力というのは性格に密接に関わってきますね。
小玉▲性格ですか?
三笘●なかなか表現が難しいですが、せっかちな人ほど先にペースアップしようとしますし、気長な人……お年を召している方とかに多いのですが、そういう人はジリジリと粘りを発揮して歩を進めていったりします。本当にその人の性格などで変わってくる部分ですね。
このように体力というのを数値で表すのは難しいのですが、それでも多くの人が気にするのは「自分が“どこ”の位置にいるのか」ということですね。

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今後は「富士山に登ろう!」などのテーマも出てきます。お楽しみに
小玉▲人と比べてどうか、というのも入りますね。
三笘●それにしたって日々の体調で変わったりもするので難しいのですが、自分の位置を“試す”ことは出来ます。クライミングでは「テストピース」というのですが、自分が今どれだけ体力があるか判断する材料にするんですね。僕が海外などに行くときは、富士山の御殿場口をまだ雪が残るような時期に一日で往復して、自分にどれだけダメージが残るのかを判断基準にしたりします。あとはどれくらいの時間歩いたり、高度を上げたときに「あ、疲れてるな……」って感じるかなどで判断するんですが……ハイキングや身近な山を登りたい人はもちろん、普通の登山者だってそこまで考えてはいませんからね。
小玉▲ということは、山に登れるか登れないかというのはいつも一発勝負となるのでしょうかね。
三笘●いや、それはそうですよ。天候などはここでは置きますが、先ほども言った体調の違いもあります。常に真剣勝負で向かわないといけませんよね。ただ、その中で、どうしても自分の体力を掴んでおきたいのだったら、自分が疲れ切る環境に身を置けばいいんです。たとえば……小玉さんは横浜にお住まいですが、そこから渋谷まで歩いて出勤をしてみるとか。
小玉▲無理です(笑)。
三笘●ははは。やってみると平らな道で何時間歩いたら疲れを感じ始めて、そして疲れ切るのかを実感はできると思います。そして仮に5時間で到着できたとして、その後に仕事がちゃんとできるか、とかも(笑)。そういったことで限界を掴むことはできますよね。
日々の日常生活での疲れというのは、純粋に体を動かしての疲れとはまた違うと考えるべきで、体を酷使しての疲れを知り、そして自分が疲れ切った後を“想像できる”ことが、山を登る上では重要ではないかと思います。(つづく)











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