サクラ咲くサク桜丘

【鶯谷町】書の教室 さくら――静かな街に溶け込む書道教室

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【今回の桜な人々】
書の教室 さくら
金子 大蔵さん

〒150-0032
渋谷区鶯谷町18-1-2Fマップ
ホームページ:http://www.geocities.jp/syodou_sakura/




字が、ヘタなんです。

筆者には大昔から“これから死ぬまで、他人様に絶対に言われないだろう”と思っている事柄がいくつかある。なかにははまあ、思いもよらぬ状況の変化やタイミングでポッと言われたりするものもあったのだが、これは確実に言われることはないだろう。
「綺麗な字ですね」
断言してもよろしい。
ま、胸を張って言えることではまったくないのだが、本当に字を書くのが苦手だ。大昔には父親に「頼むから他人様の前で堂々と字を書くな」と言われたこともある。自分の字は綺麗なのでその息子だと思われたくなかったらしいのだが(笑)、なにはともあれいま筆者がこんなふうに原稿を書いているのも、文明がワープロを発明してくれたおかげである。これは間違いない。
 

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そんな人間だからこそ、「お習字」なんてものにはまったく縁がない(学校の授業くらいで)、縁どころか寄りつかなかった人生なのだが、今回も鶯谷町で見つけてしまった。『書の教室 さくら』を。以前桜丘町で『裏千家茶道教室和ノ実会』にうかがったときも場違いすぎてドキドキしたものだが、今回はその比ではない。実力がなさ過ぎての場違いなんだから。

「ははははは、実力とか場違いだとか何を言っているんですか(笑)。いかに字がヘタだと感じていても、たとえば週に1度、月に1度でも、この場に墨の匂いをかぎに来るであるとか、心穏やかに書を楽しむであるとか、そんな軽い気持ちでいらしてください」

突然の闖入者を笑顔で迎えてくれたのは、取材した木曜日の午後、中学生から大人まで幅広い層に教室を開いている金子大蔵先生。受講していた女性は金子先生に大学で教わり、改めてこの『さくら』にも通っているとか。物腰柔らかで俳優の西郷輝彦や羽場裕一似の渋いイケメン……通ってしまうのも頷けます。

こちらの金子先生、おじいさんが『近代詩文書』(漢文や漢詩だけでなく、日本語詩も書として残そうという考え方)を提唱した金子鷗亭氏、そして日展などで多くの受賞歴を持つ金子卓義氏がお父さんというサラブレッド。さぞや子供のころから実力を発揮して……と思いきや。

「いや、書家の家だからと言って書道を強要されたことはなかったですし、されていたら今ごろはやっていないと思います(笑)。実際のところ、大学を卒業して勤め人をしていましたからね。ですが、そうやってちょっと離れて見てみると、これはやっぱり“血”なんですかね。改めてやってみたくなって、中国の大学に留学するなどして今に至ります」

その間には96年以後に様々な賞を受賞し、06年の毎日展では会員賞(グランプリ)も授賞している。サラブレッドはやはり超大物書道家だったわけだ。そこで「いやいや、そんなことは……」と笑う金子先生にまた癒されるわけですが(笑)。
 

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さて、この『書の教室 さくら』、この日は金子先生のクラスだったが、その日その日で様々な先生が教えてくれる。いわば各教室の集合体だ。

「そうなんです。もともとは渋谷駅前の東急プラザにカルチャーセンターがありまして、そこで教えていたんです。ですが駅前再開発などの影響でセンターが無くなることになり、一度は渋谷での教室もなくなったんです。ですが、そこで習っていた方の多くが『もう一度渋谷で!』と言ってくださいまして、3年ほど前にこの鶯谷町に巡り会いました。ほら、渋谷と言ってもセンター街のほうで書道教室って想像できませんよね(笑)。なのでこの辺りで探していたら、近所に書道教室もなかったので、ほかの先生と一丸になって来たんですよ。そうしたら静かないい街ですし、“書道教室”に雰囲気、合いますよね。なので私たちも生徒さんたちも気に入っていますよ」
 

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心を落ち着けて半紙に向かう。その情景は、桜丘町よりさらに静かな鶯谷町、確かにマッチしそう。字の練習だけでない、日ごろのストレスを解消する場にもなりそうだ。
「たびたび申しましたが、字がヘタだから習うとか強制されて字を書くとか、それだと息が詰まりますよね。そういう場ではなく、たまには墨の匂いをかぎに来て落ち着いた時間を過ごす、そんなつもりで楽しむのがまさに“書道”でしょう。私だけでなく、いろいろな先生のクラスがあります。どうかお気軽に遊びにいらしてください」

少し喧騒を離れて字を書くことを楽しむ。その落ち着いた空気、ひょっとしたら字もうまくなるかもしれない(笑)。
『書の教室 さくら』には今日も穏やかな癒しの空気が流れている。
……
……
……
「まあ、せっかくですから最後に一枚、書いてみましょうか?」
あ、やっぱりそうなりますか(泣)。
生き恥をさらした「梅雨」の文字はこの後に。「いや、いいところあるじゃないですか」とホメ上手な金子先生の声が今も耳に残る今日このごろ、である。

 

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  エンタメ サクラ咲くサク桜丘   記:  2013 / 06 / 06

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