まりりんの日々修行!

2010年05月07日

涙そうそう

まりりんが桜の花車に乗って逝ってしまってから1ヶ月が経とうとしています。東京近辺の桜はとうに夏期を終えてしまっていますが、長野の山すそは満開を迎えようとしています。登山に出かける度に桜を目にしては、やはり、おまりりんを想い、胸を熱くしてしまいます。

「ホスピスって興味津々なのよ」
なんて言ってましたっけが。上尾甦生病院にお試し入院が決まった今年始めのころ。
お試し入院のはずが「退院は難しい」との医師の判断で、本入院になったのが1月の下旬。
「もう退院はないと思うのね」
まりりんの実弟のお嫁さんが言うまでもなく、本人も自らの行く末長からんことを知っていたでしょう。

歩けなくなって車椅子に乗るようになっても、口を開けば冗談を言って笑わしてくれました。
「ホスピスって天国よ」「いたれりつくせりでお姫様だよ」「若いイケメンのボーイフレンドができちゃった。お姫様だっこしてもらっちゃったからね。長いこと忘れてた感触だよ。あんたもしてもらうといいよ」

いつもにこやかで穏やかな顔で見舞いの者を迎えてくれました。死の影におびえ、恐怖にさいなまされ、孤独と闘う、などという趣はかけらも見えませんでした。それがまた、そう振る舞っているのではなく、ありのまんまの心模様だと思えるまりりんの様子なのでした。

ただ、先に逝ってしまった娘の話しになると決まって涙声になります。
「まいちゃん、ちゃんと私ってわかるかな。年取っちゃってるから迎えに来てくれた時わかるように、まいちゃんの写真、いつも近くにおいてあるんだー」

やがて桜のつぼみが膨らみ始め、いよいよひとつふたつ咲き始めた頃、まりりんは時折意識がはっきりしなくなりました。
東京・横浜周辺の桜が満開を過ぎ、遅れて上尾周辺の桜が花期を迎える頃、まりりんはもう昏睡に近い状態に陥り、ふいに吹く春風にちらほら花びらが舞う4月11日午後3時45分、まりりんは逝ってしまいました。

「桜の花といっしょに行っちゃったんだね~」
共通の友人のオスミさんがしみじみ言いました。

おばあちゃまのとっておきのお着物を着せてもらってきれいに化粧をほどこしてもらったまりりんはうっすらと微笑んで穏やかな顔をしていました。胸元に七五三の衣装をつけたまいちゃんの写真を差し込んでもらって静かに静かに横たわっていました。どこかが痛むでもなく苦しむこともなく、眠るように逝ったからだけではなく、確かに「まいちゃんが迎えに来てくれたんだな」と確信しました。

長い間「まりりんの日々修行」をご愛読頂いた皆様。ほんとうに有難うございました。
また書籍「この女・まりりん、末期ガンにつき」を購読頂いた皆様、皆様からの励ましやお便りが、どれだけまりりんの支えになったかわかりません。心より感謝いたします。


「まりりんの本」第2弾の書籍化を考えております。本ができましたら、どうぞまりりんとまた再会していただきますよう、宜しくお願いします。

2010年5月7日
小玉徹子
 

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2010年04月14日

訃報

読者のみなさま


第4期の腺ガンという診断から2年と半年に渡って闘病生活を続けられておりました、
“まりりん”ことひたにまりこさんが、去る平成22年4月11日午後3時45分、
上尾市内の病院にてお亡くなりになりました。
63歳でした。
本連載中、そして書籍『この女、末期ガンにつき』(小社刊)にもたびたび登場いただいたご子息やご親類のみなさまによれば、あまり苦しまれることのない旅立ちだったそうです。
葬儀は昨13日、密葬にて執り行なわれました。

長く支えていただいた読者のみなさまにとって、
本連載を永く心に留めていただけることを願うとともに、
ひたにさんのご冥福を心からお祈りいたします。


平成22年4月14日 asobist編集部

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2009年12月15日

チョーごぶさた

この寒さにもめげず生きております。手が不自由なので口でしゃべって息子に書いてもらってます。

全然食欲がなくって咳が出てきたので、あまりいい状態ではないのだと思うけど、でもそんなにすぐ息絶えちゃうような気もしません。案外しぶとく長生きするかも。1月からホスピスの予約待ちです。
入れるといいなあ。やっぱり病院ていいよ。

11月24日に本が出版されました。インターネットでも買えるのでよろしくお願いします。

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2009年10月13日

友人のこぐれひでこからチャーミングなメールが届いた!

でも私はただいまメールスランプ中……。
返信したら「まりこ本文が無いよ」だって。あらら。

息子からも「何が言いたい」と来たけど、自分がわかればいいんだよ。
本文が無いくらいならまだいいけど、脳みそが無いみたいと強く感じている今日このごろである。

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2009年09月24日

ちょーおひさしぶり

私、またまたぶっ倒れて入院していました。しかも救急車では意識不明です。
やはり手強い病気だと痛感しておりますが、なんだかあまり往生しないようなような予感がしています。だって、サイバーナイフでガンそのものはほとんど死滅しているという事だし。
それならもう少し頑張ってみようという希望もできたし。

これまでパソコンは壊れてしまっていたけど、昨日息子が来て直してくれた。 初めて使えるようになったウィンドウズはアウトルックが見つかりません。聞かんとだめか。
息子がいるうちにやってみればよかったわけで、あーあ、息子がいるときにパソコンを立ち上げとけばよかったと思っても、後の祭り。

それでもドコモからネットを通して、無事ここにたどり着いたのさ。

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2009年09月10日

転移していた脳腫瘍がなおった!もう退院してブログを書いてるモーン

いまの医療技術はすごいっぞ。関東脳神経外科でサイバーナイフの治療を受けてがん細胞をやっつけた。全部、消えたのだ。

右目の奥に転移していたがんが育ってしまって右の脳がむくんで、そのせいで左半身が麻痺してしまったと知った時はどうしようかと思った。生命力があるんだね。

わたしは涙なしには語れない悲しい人生に会ってきたりしている。
8歳の可愛い盛りに娘は脳腫瘍・神経攻守にかかってしまった。絶対治らないと「太鼓判」を押された。結局は死んでしまったけれど、わたしがよくなればなるほど思いが募る。
30年前に情報の一端でもつかんでいれば、外国でもどこにでも連れてでかけたろうにな〜

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2009年08月26日

動物性タンパク質を摂れとの指示に泣く!

動物性タンパク質を摂れ!との指示。
そのため毎日豚だの鶏だの牛だのに追いかけられるような心持ちで寝ていたら、ベッドから顔面サイドより墜落。アオタン作って、ヤッチャンの彼女風に切り傷までできました。

現状たしかに足はむくんでしまい、身体にはいいことはないと思うけど……
病気を治すためだという脅迫観念を持って食べるというのは、かなりつらいものである。

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